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プライド
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WEBでの炎上騒ぎ自体は削除要請をすぐにした事で下火になった。他、細かい部分はかのん君の事務所で見てくれているらしい。週末のデートが出来なかった代わりにかのん君はうちに泊まりに来ていた。本日が休日のかのん君が朝食を作ってくれて朝から今日もラブラブです。
「真希ちゃん、もうちょっと待っててね」
「うん、大丈夫。人の噂も七十五日っていうしね」
出かけにかのん君が申し訳無さそうに言っているのを頬にキスをして黙らせた。
「真希ちゃん大胆……!!」
「ふふふ、じゃあ行ってきまーす」
顔が流出した事も、炎上が起こった事ももう私はあまり気にしていなかった。と、いうよりそうしないようにしていた。そうでないと目の前のかのん君の関係が疎かになってしまいそうだから。本末転倒とはこの事だもの。
「長田さん、ちょっといいかしら」
「はい……?」
朝、朝礼が終わった途端に主任に呼び止められた。なんだろう? 訝しむ私を主任は奥の会議室へと連れて行った。
「長田さん、ちょっと話があるんだけどね」
そこに居たのは、課長と部長だった。課長は手元に持っていた紙を私に見せてきた。
「これは長田さんで間違いないだろうね」
「はい。そうです」
それはすでに削除された、SNSに貼り付けられた私の顔写真だった。まったくその通り
なので別に否定はしない。すると課長は困ったような顔をしてため息をついた。
「困ったねぇ……」
「何がです?」
私がそう聞くと、実に言いにくそうにモゴモゴしながら課長は口を開く。
「いや、それが……これが投書で来たんだよね。お宅の社員はどうなってるんですかってね」
「どうもこうも隣の男性は私の恋人です。恋人と一緒にいる写真の何がおかしいんですか」
ちょっとカチンとして私は答えた。そんなプライベートの事なんて会社に感傷されたくない。そうすると、今度は部長がこう言った。
「こんな投書がくる事が問題だと言っているんだよ」
「では、私に恋人とのお付き合いをやめろと? それとも会社をやめろと?」
本格的にムカついてきた私は、さっきよりも強い口調で抗議する。
「そういう訳では……」
「じゃあ、なんなんです?」
「もうちょっと『普通』の男性とお付き合いできないのかね……」
これセクハラですよね? それに普通ってなに?
「お付き合いしている相手は見た目は派手ですけどキチンとした方です! 納得いかないようでしたら私がここを辞めます」
そこまで一気に言い切った。あ、そうこれもちゃんと言っとこう。
「こういうのってセクハラって言うと思うですけど」
「なっ……な」
絶句しているおじさん達を置いて、私はそのまま会議室を出ようとした。しかし、それを主任がそっと止めてきた。
「長田さん、あんまり熱くなっちゃだめよ。部長と課長は一応会社として注意しなきゃいけないだけなの。ね、そうですよね?」
「あ、ああ……という訳でもう言っていいから」
「はい、分かりました」
ようやく会議室を出ると、うしろから主任が追いついてきた。
「ごめんなさいね」
「あ、いえ……さっきはフォローありがとうございました」
「くだらない事も仕事には入ってくるのよ。個人的にはあんなもの送りつけて来る方がどうかしてるって思うけどね」
いつも仕事には厳しい主任が今回はちょっと違う顔を見せた。少ない女性管理職として苦労しているんだろうな、とその時私は初めて思えた。
「でも……ふふふ」
「なんですか主任」
「いやぁ、長田さん大人しい子だと思ってたけど……さっきの啖呵はカッコよかったわ」
あっ、あれはちょっと頭にきてしまって。うーん、部長も課長も立場があっての事だから可愛そうだったかな。
「とにかく、関数もマクロもバッチリの長田さんに辞められると死んじゃう資料がいっぱいあるからこれからも頑張ってくれると助かるわ」
「……はい」
そう言い残して先に行く主任の背中を見ながら、私は今日も一日頑張ろうと思った。
「真希ちゃん、もうちょっと待っててね」
「うん、大丈夫。人の噂も七十五日っていうしね」
出かけにかのん君が申し訳無さそうに言っているのを頬にキスをして黙らせた。
「真希ちゃん大胆……!!」
「ふふふ、じゃあ行ってきまーす」
顔が流出した事も、炎上が起こった事ももう私はあまり気にしていなかった。と、いうよりそうしないようにしていた。そうでないと目の前のかのん君の関係が疎かになってしまいそうだから。本末転倒とはこの事だもの。
「長田さん、ちょっといいかしら」
「はい……?」
朝、朝礼が終わった途端に主任に呼び止められた。なんだろう? 訝しむ私を主任は奥の会議室へと連れて行った。
「長田さん、ちょっと話があるんだけどね」
そこに居たのは、課長と部長だった。課長は手元に持っていた紙を私に見せてきた。
「これは長田さんで間違いないだろうね」
「はい。そうです」
それはすでに削除された、SNSに貼り付けられた私の顔写真だった。まったくその通り
なので別に否定はしない。すると課長は困ったような顔をしてため息をついた。
「困ったねぇ……」
「何がです?」
私がそう聞くと、実に言いにくそうにモゴモゴしながら課長は口を開く。
「いや、それが……これが投書で来たんだよね。お宅の社員はどうなってるんですかってね」
「どうもこうも隣の男性は私の恋人です。恋人と一緒にいる写真の何がおかしいんですか」
ちょっとカチンとして私は答えた。そんなプライベートの事なんて会社に感傷されたくない。そうすると、今度は部長がこう言った。
「こんな投書がくる事が問題だと言っているんだよ」
「では、私に恋人とのお付き合いをやめろと? それとも会社をやめろと?」
本格的にムカついてきた私は、さっきよりも強い口調で抗議する。
「そういう訳では……」
「じゃあ、なんなんです?」
「もうちょっと『普通』の男性とお付き合いできないのかね……」
これセクハラですよね? それに普通ってなに?
「お付き合いしている相手は見た目は派手ですけどキチンとした方です! 納得いかないようでしたら私がここを辞めます」
そこまで一気に言い切った。あ、そうこれもちゃんと言っとこう。
「こういうのってセクハラって言うと思うですけど」
「なっ……な」
絶句しているおじさん達を置いて、私はそのまま会議室を出ようとした。しかし、それを主任がそっと止めてきた。
「長田さん、あんまり熱くなっちゃだめよ。部長と課長は一応会社として注意しなきゃいけないだけなの。ね、そうですよね?」
「あ、ああ……という訳でもう言っていいから」
「はい、分かりました」
ようやく会議室を出ると、うしろから主任が追いついてきた。
「ごめんなさいね」
「あ、いえ……さっきはフォローありがとうございました」
「くだらない事も仕事には入ってくるのよ。個人的にはあんなもの送りつけて来る方がどうかしてるって思うけどね」
いつも仕事には厳しい主任が今回はちょっと違う顔を見せた。少ない女性管理職として苦労しているんだろうな、とその時私は初めて思えた。
「でも……ふふふ」
「なんですか主任」
「いやぁ、長田さん大人しい子だと思ってたけど……さっきの啖呵はカッコよかったわ」
あっ、あれはちょっと頭にきてしまって。うーん、部長も課長も立場があっての事だから可愛そうだったかな。
「とにかく、関数もマクロもバッチリの長田さんに辞められると死んじゃう資料がいっぱいあるからこれからも頑張ってくれると助かるわ」
「……はい」
そう言い残して先に行く主任の背中を見ながら、私は今日も一日頑張ろうと思った。
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