ブルーベリーストーリー

mogami

文字の大きさ
1 / 8

第一話

しおりを挟む
僕の名前はウォーリー。

年は16で、都内の高校に通っている。



 そんな僕は今、教室の窓から外の景色を眺めていた。

今日は空は雲っていて、面白くない。

いつもなら、あの雲は猫に似てるな、とか妄想を膨らませて楽しむんだけど。

はあ、早く学校、終わんないかな……



「おいっ、聞いているのかっ、ウォーリー!」



「……! は、はいっ」



「聞いてなかったのか? 教科書を読めと言っているんだ」



 やべっ、まさか、指名されていたとは。

てか、どのページを朗読すればいいのか、さっぱり分からないんだけど……

隣の女子に目線を送って助けを求める。



「はあ…… いいわ、先生、私が読みます」



 どっ、と笑いが教室に起こる。

そこ、笑うとこかよ……



「えー、ガーゴイルとニンゲンとの戦い。 かつて、悪徳の限りを尽くしていたニンゲンは、ガーゴイルとの戦いに敗れ、滅びました。 今、こうして正しい世界があるのも、我々ガーゴイルのおかげと言えるでしょう」



「はい、そこまで。 ウォーリー、君は本当に情けないな。 先生は思う、君は学校始まって以来の落ちこぼれだと」



「……」



 倒置法つかってんじゃねーよ。















 帰り際、小石を蹴る。

あいつ、僕にだけやけに辛く当たってくる。

さっきの授業だって、たまたま油断してたところを当てに来てる感じがしたし……

それでも、先生だけじゃない。

他の連中もだ。

みんな、僕のことを見下してる。



「目が青いから、そんなことすんのかよ」



 僕とみんなとは、決定的な違いがあった。

それは、みんなは目が赤いのに、僕だけ目が青いっていう点だ。

少数派は、弱い。

勝気な性格ならともかく、僕みたいな気弱はどうしてもハブになってしまう。



「ほんと、やってらんないよ」



「だったら、この世界をぶち壊しに行かない?」



 突然、頭上から声が聞こえた。

この声は、もう一人の青い目の持ち主のリザ。

リザは勝気な性格の為、僕みたいな目にはほとんどあっていない…… 風にみえる。



「いつかあんたに言おうと思ってたんだけど」



 そう言いながら、滑り台を滑り降りて僕の前にやって来る。



「この世界は間違ってる。 私らは本当はニンゲンで、この世界を乗っ取ったのはガーゴイル。 だから、あいつらを全員ぶっ殺そうと思うんだけど、手、貸してくれるわね?」



「は? ちょっと、何言ってんの…… 僕らがニンゲンって、どうしてそう思うの?」



「それは、女の勘よ。 ねえ、手、貸してくれるわよね?」



 有無を言わさぬ物言いで、僕の目の前に顔を近づけてくる。

キスできそうな距離で、ドギマギする。

思わず、一歩後ずさった。

そして、返事をする。



「……どうやるのさ」



「アンタの家から、武器を持ってきて欲しいのよ。 私も何か探してくるから、見つかったらこの滑り台で合流ね」



 そういうと、リザは自宅へと戻って行った。

武器?

そんなのあったっけな……





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

✿ 私は夫のことが好きなのに、彼は私なんかよりずっと若くてきれいでスタイルの良い女が好きらしい 

設楽理沙
ライト文芸
累計ポイント110万ポイント超えました。皆さま、ありがとうございます。❀ 結婚後、2か月足らずで夫の心変わりを知ることに。 結婚前から他の女性と付き合っていたんだって。 それならそうと、ちゃんと話してくれていれば、結婚なんて しなかった。 呆れた私はすぐに家を出て自立の道を探すことにした。 それなのに、私と別れたくないなんて信じられない 世迷言を言ってくる夫。 だめだめ、信用できないからね~。 さようなら。 *******.✿..✿.******* ◇|日比野滉星《ひびのこうせい》32才   会社員 ◇ 日比野ひまり 32才 ◇ 石田唯    29才          滉星の同僚 ◇新堂冬也    25才 ひまりの転職先の先輩(鉄道会社) 2025.4.11 完結 25649字 

無用庵隠居清左衛門

蔵屋
歴史・時代
前老中田沼意次から引き継いで老中となった松平定信は、厳しい倹約令として|寛政の改革《かんせいのかいかく》を実施した。 第8代将軍徳川吉宗によって実施された|享保の改革《きょうほうのかいかく》、|天保の改革《てんぽうのかいかく》と合わせて幕政改革の三大改革という。 松平定信は厳しい倹約令を実施したのだった。江戸幕府は町人たちを中心とした貨幣経済の発達に伴い|逼迫《ひっぱく》した幕府の財政で苦しんでいた。 幕府の財政再建を目的とした改革を実施する事は江戸幕府にとって緊急の課題であった。 この時期、各地方の諸藩に於いても藩政改革が行われていたのであった。 そんな中、徳川家直参旗本であった緒方清左衛門は、己の出世の事しか考えない同僚に嫌気がさしていた。 清左衛門は無欲の徳川家直参旗本であった。 俸禄も入らず、出世欲もなく、ただひたすら、女房の千歳と娘の弥生と、三人仲睦まじく暮らす平穏な日々であればよかったのである。 清左衛門は『あらゆる欲を捨て去り、何もこだわらぬ無の境地になって千歳と弥生の幸せだけを願い、最後は無欲で死にたい』と思っていたのだ。 ある日、清左衛門に理不尽な言いがかりが同僚立花右近からあったのだ。 清左衛門は右近の言いがかりを相手にせず、 無視したのであった。 そして、松平定信に対して、隠居願いを提出したのであった。 「おぬし、本当にそれで良いのだな」 「拙者、一向に構いません」 「分かった。好きにするがよい」 こうして、清左衛門は隠居生活に入ったのである。

処理中です...