守護者は死神

mogami

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第二十三話

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このままガーゴイルを放置するわけにはいかない。

何かいいアイデアはないかと、オフィスの外のへと出て、通りを行ったり来たりしてみる。

ここは地下だが、疑似的に空が描かれており、雰囲気は都会のオフィス街に近い。



「なあ、ウォーリー、私はどーすりゃいんだ?」



「だあ、だあ」



 ……ウォーリーは相変わらず、無邪気にだあだあ言っている。

いつもなら癒やされるこの仕草だが、今は気に止める余裕もない。



「……そういえば、スターの奴が言ってたな」



 手詰まりになったら、ウォーリーの実家に行ってみろ、だったか。

シャクだが、もうそれしかねーか。



「ウォーリー、しばらくお別れだな」



 イーストシティはガーゴイルの巣窟だ。

ウォーリーを連れて行く訳にはいかねー。

私は、素芸鎌開発局の知り合いに、こいつを預けることにした。













 知り合いのキサラギ(女)にウォーリーを預け、私は今一度、地上へと戻って来た。

鉄板を腕で押し上げ、止めてあるバイクへと向かう。

跨がってエンジンをふかすと、ハイウェイを走り出した。













 イーストシティ付近の上空にはガーゴイルの群れ。

すぐに、その内の数匹が私の元へとやって来た。

私は鎌を振り上げ、応戦した。



「こんにゃろっ」



 ガン、ガン、と敵を弾き返しつつ、ウォーリーの実家を目指す。

まともに戦っても、多分勝てない。

かと言って、かわしながら進んでも、ジリジリ削られる。



「……そうだ」



 私は、バイクを乗り捨てて、地下へと伸びる階段を目指した。

地下鉄を使えば、しばらくの間、敵の襲撃は防げる。

鎌を担いで、地下へと逃げ込むと、そこは人でごった返していた。

みんな、イーストシティから逃げ出そうとしているのか。

このイーストシティは、キタノ区、ニシ区、ミナミ区の3つのエリアからなっており、それぞれに駅が存在する。



「現在、駅が大変混み合っております! 落ち着いて、行動下さい!」



 駅員が促すも、パニックに拍車がかかるだけだ。



「おめーら、道、開けろ!」



 私は鎌を乗客に見せ、振り子みたく、揺らす。

催眠術にかかった奴らが、モーゼの十戒ばりに、左右に別れて道を開けた。



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