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異世界ヘンテコ職業インタビュー 1

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本日紹介するのは、杖職人の佐藤美智子(28)さんである。

工房の建ち並んだ職人街の一角に、彼女は店を構えている。

 悠早は、杖工房「ロッド・ショップ」の戸を叩いた。









悠「初めまして、悠早と申します。 早速ですが、出身と、杖職人を始めた経緯を教えてもらえますか?」



佐「はい。 出身は埼玉で、異世界召喚されてこちらに参りました。 適正検査で、魔法使いの適正があると診断され、最初は魔法使いをやっていたんですが……」



 この世界に売っている杖は、どれも背丈ほどあってゴツゴツしており、扱いにくかった、とのことだ。



悠「それで、自分で杖を作ってみようと?」



佐「そうです。 杖のサイズは今までの5分の1以下、ちょうど菜箸くらいの長さにして、可愛らしい装飾を施しました。 武器としての用途は無くなりますが、短剣を携帯しておけば大丈夫なので……」



 佐藤さんが独自に作った杖は非常に使い勝手がよく、疲れない。

この杖の噂が広がり、自分にも作って欲しい、という注文が殺到したようだ。



悠「なるほど。 それで、これなら商売になると、思い切って工房を開いた訳ですね」



佐「はい。 客層はほとんど女性ですけどね」











 次に、実際にどの様に作っているのか、見学させてもらうことにした。

 作業場へと移動する。



悠「この机の上に並べられているのが、杖ですね」



佐「はい。 これはスギを削り取って作りました。 ここから、お客様の注文に従って、装飾を施していきます」



 佐藤さんは、用紙に書かれているイメージ図を元に、粘土を持ち手に巻き付けていく。



佐「このお客様は猫好きで、持ち手の部分を猫の形にして欲しい、とのことでした。 なので、そのように形作っていきます。 それができたら、先端にリボンを飾って完成です」



 およそ1時間程で、一本の杖が完成した。













悠「実際杖作りに触れてみて、何だか学校の美術を思い出しました。 最後に、佐藤さんの夢を教えてもらえますか?」



佐「はい。 今現在、まだまだ杖は武器、と考えている方が大半です。 私の夢は、そんな方にこの杖を認めて頂くことです。 杖はファッションとして、皆様のご要望に沿う杖を作れたら、と思います」



悠「とてもいい夢だと思います。 本日はありがとうございました!」



佐「こちらこそ、ありがとうございました」
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