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第23話
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あの日から早くも1週間が経とうとしている。
順風満帆の日々を過ごしていたのに、この人の一言で簡単にも崩れ落ちてしまった。
「莉乃…」
律の声に振り返ると、なんとも言えない表情をしていた。
何か嫌な予感がする。
「そんな顔してどうしたの…?」
少し不安を感じながら問いかける。
「シェフとシェフの元カノさんの話知ってる?」
律の言葉に、胸がざわついた。
元カノ…?
「知らないけど…」
シェフとそういう話をしたことがないし、
というか別に知りたくもないけど。
「この前たまたま見ちゃったんだよね」
律の言葉に、不安が募る。
見たって一体何を見たんだろう…。
「何を?」
問いかける声が震える。心臓が早鐘を打つ。
「シェフと元カノさんが言い争ってるとこ」
「元カノと…」
驚きと戸惑いが入り混じる。
シェフが元カノと会ってたの…?
私、何も知らなかった。
「そう綺麗な女の人」
綺麗な人か…。
律の言葉に、胸が痛んだ。
どうして何も言ってくれなかったんだろう。
もしかして、私と付き合う前の話とか?
そうだとしたら仕方ないのかもしれない。
「それっていつの話?」
少し冷静になって問いかける。
「えーっと3日ぐらい前だったかな」
3日前なら、もう私と付き合ってるのに。
どういう経緯で会ったのかは知らないけど、元カノと会ったならそう言ってくれてもいいじゃん。
そもそも元カノなのか…?律の勘違いじゃ、
「…元カノとは限らないんじゃない?ほら、シェフのお姉さんかもしれないし」
兄弟いるって前に聞いたことあったような…。
うん、きっとそうだよね。
少しでも自分を納得させようと、心の中で必死に言い聞かせる。
「いや、シェフにお姉さんはいないよ」
「そ、うなんだ」
律の言葉に、心が沈む。
じゃあ、本当に元カノ…。
「この前彼女はいないって言ってたから、元カノしかないでしょ」
律にはシェフと付き合ってることを話していない。
だからこんな話を私に平気で言えるのかもしれない…。
いや、
「ならそうなんじゃない」
というか、律にも腹が立ってきた。
「遠くにいたから、はっきりとは聞こえなかったけど、結構揉めてたよ」
もうこれ以上聞きたくない。
シェフはどうして私に何も言わなかったの?
他の人から知らされた時の気持ちシェフには分からないんだろうな。
「…なんでそんな話私にするの」
付き合ってることを知らないとはいえ、
私がシェフのことを好きなことは知ってるくせに。
「だって聞いてくれる人が居ないんだもん」
何よそれ。
律の言葉に、怒りが込み上げる。
順風満帆の日々を過ごしていたのに、この人の一言で簡単にも崩れ落ちてしまった。
「莉乃…」
律の声に振り返ると、なんとも言えない表情をしていた。
何か嫌な予感がする。
「そんな顔してどうしたの…?」
少し不安を感じながら問いかける。
「シェフとシェフの元カノさんの話知ってる?」
律の言葉に、胸がざわついた。
元カノ…?
「知らないけど…」
シェフとそういう話をしたことがないし、
というか別に知りたくもないけど。
「この前たまたま見ちゃったんだよね」
律の言葉に、不安が募る。
見たって一体何を見たんだろう…。
「何を?」
問いかける声が震える。心臓が早鐘を打つ。
「シェフと元カノさんが言い争ってるとこ」
「元カノと…」
驚きと戸惑いが入り混じる。
シェフが元カノと会ってたの…?
私、何も知らなかった。
「そう綺麗な女の人」
綺麗な人か…。
律の言葉に、胸が痛んだ。
どうして何も言ってくれなかったんだろう。
もしかして、私と付き合う前の話とか?
そうだとしたら仕方ないのかもしれない。
「それっていつの話?」
少し冷静になって問いかける。
「えーっと3日ぐらい前だったかな」
3日前なら、もう私と付き合ってるのに。
どういう経緯で会ったのかは知らないけど、元カノと会ったならそう言ってくれてもいいじゃん。
そもそも元カノなのか…?律の勘違いじゃ、
「…元カノとは限らないんじゃない?ほら、シェフのお姉さんかもしれないし」
兄弟いるって前に聞いたことあったような…。
うん、きっとそうだよね。
少しでも自分を納得させようと、心の中で必死に言い聞かせる。
「いや、シェフにお姉さんはいないよ」
「そ、うなんだ」
律の言葉に、心が沈む。
じゃあ、本当に元カノ…。
「この前彼女はいないって言ってたから、元カノしかないでしょ」
律にはシェフと付き合ってることを話していない。
だからこんな話を私に平気で言えるのかもしれない…。
いや、
「ならそうなんじゃない」
というか、律にも腹が立ってきた。
「遠くにいたから、はっきりとは聞こえなかったけど、結構揉めてたよ」
もうこれ以上聞きたくない。
シェフはどうして私に何も言わなかったの?
他の人から知らされた時の気持ちシェフには分からないんだろうな。
「…なんでそんな話私にするの」
付き合ってることを知らないとはいえ、
私がシェフのことを好きなことは知ってるくせに。
「だって聞いてくれる人が居ないんだもん」
何よそれ。
律の言葉に、怒りが込み上げる。
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