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第19話
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その日の放課後、私は一人で図書館に向かった。
静かな場所で、自分の気持ちを整理したかった。
心の中のざわめきを少しでも落ち着けたかった。
図書室の窓から差し込む柔らかな光が、私の心を少しだけ癒してくれるように感じた。
本棚の間を歩きながら、私はふと、柊先輩との思い出が詰まった本を手に取った。
ページをめくると、二人で過ごした楽しい時間が蘇ってきた。
柊先輩と初めて出会ったのはこの図書室。
本を取ろうと伸ばした私の手と柊先輩の手が重なった。
…とかっていう運命的な出会いではなかった。
私が読みたい本を読んでいたから、いつ読み終わるか声をかけて、
そこから、話が弾み仲良くなっていった。
「やっぱり、まだ先輩のことが好きなんだな…」
小さな声で呟いた。
その瞬間、涙がまたこぼれそうになったが、ぐっと堪えた。
思い出は思い出だ。
そう自分に言い聞かせ、本を閉じた。
その時、図書室の入り口から遥希くんが入ってくるのが見えた。
私を見つけると、優しい笑顔で近づいてきた。
「心桜ちゃん」
「遥希くん、」
「心桜ちゃんも本借りに来たの?」
「えっと、私は…ただ、静かな場所にいたくて、」
「まーた考え込んでたの?」
「…」
バレてる。
「一人で考え込むのもいいけど、たまには誰かに話すのも大事だよ」
彼の優しい言葉に、少しだけ心が軽くなった気がした。
無理に聞こうとせずに、私が話そうとするまで待っててくれる。
遥希くんの存在が、今の自分にとってどれだけ大きな支えになっているのかを改めて感じた。
また誰かが入ってきた。
図書室の入り口に目をやるとそこには柊先輩の姿が。
一人…?
「柊が図書室なんて珍しいね」
…なわけないか。
咲紀先輩も一緒だよね。
辛くなるだけだから、見ない方がいい。
心の中でそう思いながらも、視線をそらすことができなかった。
「心桜ちゃん…」
遥希くんも柊先輩に気づいたみたい。
彼の表情が少し曇ったのが見えた。
「いいんだよ、」
柊先輩との思い出の場所でさえ、咲紀先輩がいるんだ。
胸が締め付けられるような感覚に襲われた。
「出よっか」
「え、でも本借りに来たんでしょ?」
まだ何も借りてないのに、
私のせいで…
「あー、嘘…なんだよね、」
「え?」
「心桜ちゃんが深刻そうな顔をして図書室に入っていくのが見えて、心配で着いてきちゃった、」
「そうだったんだ」
「ごめんね、嘘ついて」
「ううん。ありがとう」
やっぱり、遥希くんは私のことを友達として気遣ってくれてるんだ。
それに、柊先輩だって常に咲紀先輩と一緒にいるのに、とやかく言われる筋合いは無い。
静かな場所で、自分の気持ちを整理したかった。
心の中のざわめきを少しでも落ち着けたかった。
図書室の窓から差し込む柔らかな光が、私の心を少しだけ癒してくれるように感じた。
本棚の間を歩きながら、私はふと、柊先輩との思い出が詰まった本を手に取った。
ページをめくると、二人で過ごした楽しい時間が蘇ってきた。
柊先輩と初めて出会ったのはこの図書室。
本を取ろうと伸ばした私の手と柊先輩の手が重なった。
…とかっていう運命的な出会いではなかった。
私が読みたい本を読んでいたから、いつ読み終わるか声をかけて、
そこから、話が弾み仲良くなっていった。
「やっぱり、まだ先輩のことが好きなんだな…」
小さな声で呟いた。
その瞬間、涙がまたこぼれそうになったが、ぐっと堪えた。
思い出は思い出だ。
そう自分に言い聞かせ、本を閉じた。
その時、図書室の入り口から遥希くんが入ってくるのが見えた。
私を見つけると、優しい笑顔で近づいてきた。
「心桜ちゃん」
「遥希くん、」
「心桜ちゃんも本借りに来たの?」
「えっと、私は…ただ、静かな場所にいたくて、」
「まーた考え込んでたの?」
「…」
バレてる。
「一人で考え込むのもいいけど、たまには誰かに話すのも大事だよ」
彼の優しい言葉に、少しだけ心が軽くなった気がした。
無理に聞こうとせずに、私が話そうとするまで待っててくれる。
遥希くんの存在が、今の自分にとってどれだけ大きな支えになっているのかを改めて感じた。
また誰かが入ってきた。
図書室の入り口に目をやるとそこには柊先輩の姿が。
一人…?
「柊が図書室なんて珍しいね」
…なわけないか。
咲紀先輩も一緒だよね。
辛くなるだけだから、見ない方がいい。
心の中でそう思いながらも、視線をそらすことができなかった。
「心桜ちゃん…」
遥希くんも柊先輩に気づいたみたい。
彼の表情が少し曇ったのが見えた。
「いいんだよ、」
柊先輩との思い出の場所でさえ、咲紀先輩がいるんだ。
胸が締め付けられるような感覚に襲われた。
「出よっか」
「え、でも本借りに来たんでしょ?」
まだ何も借りてないのに、
私のせいで…
「あー、嘘…なんだよね、」
「え?」
「心桜ちゃんが深刻そうな顔をして図書室に入っていくのが見えて、心配で着いてきちゃった、」
「そうだったんだ」
「ごめんね、嘘ついて」
「ううん。ありがとう」
やっぱり、遥希くんは私のことを友達として気遣ってくれてるんだ。
それに、柊先輩だって常に咲紀先輩と一緒にいるのに、とやかく言われる筋合いは無い。
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