私の大好きな彼氏はみんなに優しい

hayama_25

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第24話

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 次の日、

 学校に着いた私は、心の中で昨日の出来事を反芻しながら教室に向かっていた。

 教室に入ると、遥希くんはすでに席についていて、私を見つけると微笑んでくれた。

 その笑顔に、私の心は少しだけ軽くなった。

「おはよう、心桜ちゃん。昨日はよく眠れた?」

 彼の声はいつも通り優しくて、私は少し照れくさそうに微笑み返した。

「うん、昨日はありがとう。遥希くんのおかげで、少し気持ちが楽になったよ」

「それは良かった」

 彼の言葉に、私は少しだけ安心した。

 私のことを気にかけてくれているのが嬉しかった。

 その時、クラスメイトの声が聞こえた。

「心桜ーまたなんか先輩来てるよ!」
「分かった!ありがとう」

 きっと朝陽先輩だ。
 今度はなんの用で…

「え、沙紀先輩、?」

 どうして沙紀先輩がここに、

 会いたくなかった。
 今は一番会いたくなかったのに。

「心桜ちゃん、朝からごめんね」
「それはいいんですけど、どうしたんですか」

 きっと昨日のことで話したいことでもあるんだろう。

 そして、私の予想通り話があると言って、裏庭まで連れられた。

 長話するつもりはないのに。

「ごめんね。その、私のせいでこんなことになってるんだよね、」

 何も言えなかった。
 そうだけど、そうじゃないから。

「柊は私のこと幼馴染として大切にしてくれてて、」

 そんなの分かってる。

 分かってる上で嫉妬してる。

「分かってます」

「昨日の心桜ちゃんを見て、私も、柊に甘えてたって気づいた。心桜ちゃんの気持ちに気づけなかった」

 それなら、私に柊先輩を返してくれるの…?

「じゃあ」
「ごめんなさい。だけど、私には柊くんが必要なの」

「…え?」

 待って、どうして、

「お母さんもお父さんも、お仕事で家にいなくて、何かあった時に助けてくれるのは柊だけだった」

 …何それ。

「だからって、」
「お願い。私から柊を取らないで、、」

 おかしい。

 取ったのは、沙紀先輩なのに。。

 …違う。

 先に先輩のことを取ったのは、私の方だ…。

「すみません。教室戻ります」

 これ以上沙紀先輩といたらだめだ。
 離れないと、きっと酷いことを言ってしまう。

「ちょっと待って」
「離してください…!」

 腕を掴まれた瞬間、反射的に振りほどいてしまった。

 沙紀先輩の手はそれほど強くはなく、私も力を入れずに振りほどいたつもりだった。

 だけど、

 後ろで何かが倒れる音がして振り返ると、沙紀先輩が地面に倒れ込んでいた。

 何が起こったのか一瞬理解できず、その場に立ち尽くした。

 すぐにハッとして、

「すみませ、」
 

 謝ろうとしたその時だった。




「…心桜?」

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