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第64話
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「…え、」
遥希くんの言葉が信じられなくて、心臓がドキドキと早くなる。
彼の言葉が頭の中で何度も繰り返される。
「好きだから放っておけないんだよ」
遥希くんの真剣な目に、自分の鼓動が一層早くなった。
遥希くんが私を好き…?
いやいや、私が考えてる好きと遥希くんが言っている好きは同じじゃないはず。
心の中で自分にそう言い聞かせる。
「その、好きって、」
言葉を絞り出すようにして尋ねる。
「俺は、心桜ちゃんの事を」
彼の言葉に続く瞬間、緊張がピークに達した時、
「心桜…!」
その声に驚いて振り返ると、柊先輩が立っていた。
「柊先輩…?」
どうしてここに?
「良かった。一人じゃなかったんだね」
沙紀先輩の姿はなかった。
「どうして、沙紀先輩は?」
一人で返さないって、約束したのに。
「沙紀ならちゃんと送ったよ。送って、また戻ってきたんだよ」
どうしてそんなことを?
「どうして、」
戻ってきた理由が知りたい。
「心桜のことだから、一人で帰ってくるんじゃないかと思ってね」
先輩の言葉に胸が締め付けられるような気持ちになった。
「遥希くんにはまだ話せてないの」
どうして、分かったんだろう。
「やっぱり」
「あの…話がよく分からないんですけど、」
遥希くんが戸惑った様子で口を開く。
どうやら、事情を説明しないといけないみたいだ。
「心桜のことを守って欲しいんだ」
「え、何かあったんですか」
遥希くんが驚いた様子で尋ねる。
「それが、」
これは私の頼み事だ。
私が頼まないといけないこと。
「先輩、ここからは私が話します」
覚悟を決めて口を開く。
「ああ、そうだね。それがいいよ」
柊先輩が頷く。
「実は…」
あの男の人に脅されていることを全て話した。
「そんなことが。…そういう事か」
遥希くんの表情が一瞬変わった、気がした。
「遥希くん…?」
見たこともない表情に不安が募る。
「いや、なんでもない。大変だったんだね」
遥希くんの言葉に少しだけ安心する。
「できることなら俺が助けてあげたいけど、どうやらそうもいかないみたいで」
柊先輩の言葉に、胸が痛んだ。
「どういうことですか」
状況が分からず、遥希くんに尋ねる。
「私に、慰謝料を払わせたいみたい」
私は続ける。
「慰謝料?」
「1000万円用意しろって言われた」
話しながら、途方に暮れる気持ちになる。
そんな大金、学生の私が持ってるはずないのに。
「その話、俺も聞いてないよ」
柊先輩が驚いた様子で言う。
「ごめん。心配すると思って言えなかった」
「一応聞くけど…まさか払わないよね」
払わないし、どうせはらえない。
「もちろん。そもそもそんな大金持ってないもん」
「…事情は分かりました」
ちゃんと伝えておきたい。
「遥希くん、嫌なら断っていいからね。私のことなら気にしないで。別の方法考えてみるからさ」
先輩に頼まれたから、仕方なく…。
なんて、可哀想なことはしたくないし、
負担をかけたくなかった。
「断るわけないよ」
「本当に?」
「当たり前だよ。友達なんだから」
友達…。
良かった。
さっきの好きは、やっぱり友達としてってことだったんだ。
遥希くんの言葉が信じられなくて、心臓がドキドキと早くなる。
彼の言葉が頭の中で何度も繰り返される。
「好きだから放っておけないんだよ」
遥希くんの真剣な目に、自分の鼓動が一層早くなった。
遥希くんが私を好き…?
いやいや、私が考えてる好きと遥希くんが言っている好きは同じじゃないはず。
心の中で自分にそう言い聞かせる。
「その、好きって、」
言葉を絞り出すようにして尋ねる。
「俺は、心桜ちゃんの事を」
彼の言葉に続く瞬間、緊張がピークに達した時、
「心桜…!」
その声に驚いて振り返ると、柊先輩が立っていた。
「柊先輩…?」
どうしてここに?
「良かった。一人じゃなかったんだね」
沙紀先輩の姿はなかった。
「どうして、沙紀先輩は?」
一人で返さないって、約束したのに。
「沙紀ならちゃんと送ったよ。送って、また戻ってきたんだよ」
どうしてそんなことを?
「どうして、」
戻ってきた理由が知りたい。
「心桜のことだから、一人で帰ってくるんじゃないかと思ってね」
先輩の言葉に胸が締め付けられるような気持ちになった。
「遥希くんにはまだ話せてないの」
どうして、分かったんだろう。
「やっぱり」
「あの…話がよく分からないんですけど、」
遥希くんが戸惑った様子で口を開く。
どうやら、事情を説明しないといけないみたいだ。
「心桜のことを守って欲しいんだ」
「え、何かあったんですか」
遥希くんが驚いた様子で尋ねる。
「それが、」
これは私の頼み事だ。
私が頼まないといけないこと。
「先輩、ここからは私が話します」
覚悟を決めて口を開く。
「ああ、そうだね。それがいいよ」
柊先輩が頷く。
「実は…」
あの男の人に脅されていることを全て話した。
「そんなことが。…そういう事か」
遥希くんの表情が一瞬変わった、気がした。
「遥希くん…?」
見たこともない表情に不安が募る。
「いや、なんでもない。大変だったんだね」
遥希くんの言葉に少しだけ安心する。
「できることなら俺が助けてあげたいけど、どうやらそうもいかないみたいで」
柊先輩の言葉に、胸が痛んだ。
「どういうことですか」
状況が分からず、遥希くんに尋ねる。
「私に、慰謝料を払わせたいみたい」
私は続ける。
「慰謝料?」
「1000万円用意しろって言われた」
話しながら、途方に暮れる気持ちになる。
そんな大金、学生の私が持ってるはずないのに。
「その話、俺も聞いてないよ」
柊先輩が驚いた様子で言う。
「ごめん。心配すると思って言えなかった」
「一応聞くけど…まさか払わないよね」
払わないし、どうせはらえない。
「もちろん。そもそもそんな大金持ってないもん」
「…事情は分かりました」
ちゃんと伝えておきたい。
「遥希くん、嫌なら断っていいからね。私のことなら気にしないで。別の方法考えてみるからさ」
先輩に頼まれたから、仕方なく…。
なんて、可哀想なことはしたくないし、
負担をかけたくなかった。
「断るわけないよ」
「本当に?」
「当たり前だよ。友達なんだから」
友達…。
良かった。
さっきの好きは、やっぱり友達としてってことだったんだ。
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