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第65話
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「ありがとう」
私は、感謝の気持ちを込めて微笑んだ。
遥希くんを巻き込みたくないのも本心だけど、
この話をして、遥希くんが離れていっちゃうんじゃないかって怖かった。
断られるだけならまだしも、遥希くんが私を避けるんじゃないかって不安だった。
「うん。じゃあ、今日は先に帰るね」
遥希くんが微笑んで答える。
「え、どうして」
いつも三人で帰ってたのに。
「暫くは一緒に帰れないみたいだし、今日だけでも二人で帰りなよ」
遥希くんの優しさが胸に響く。
彼が私を気遣ってくれることが嬉しい反面、申し訳ない気持ちも湧いてくる。
「そんな、途中まで一緒に帰ろうよ」
「うーん。そうしたいけど、用事思い出したから、やっぱり先に帰るね。じゃ、また明日」
そう言うと振り返ることなく走り出した。
「あっ…ありがとう!また明日!」
急いで遥希くんに届いたかは分からない。
遥希くんが去っていく後姿を見送りながら、
「なんか悪いことしちゃったな、」
と呟いた。
私は遥希くんにもらってばっかりで、何もしてあげられない。
「気を使ってくれたんだろうね、」
気を使って、嘘までつかせた。
「遥希くんに迷惑かけてないかな…」
迷惑だよね。
優しいからああ言ってくれるけど、本当なら嫌だよね。
「そんなことないよ。遥希くんも心桜のことを心配してるんだから」
先輩は優しく言った。
「きっと負担になってるよね、」
遥希くんに対する申し訳ない気持ちが募る。
「遥希くんだって、心桜の力になりたいって思ってるから協力してくれるんだよ」
先輩は微笑んで言った。
「うん…でも、私ばっかり負担をかけてるような気がして…。私は遥希くんに何も返せてないのに、」
あの時だって、いつもと様子が違うかったのに、
自分のことばっかりで話を聞いてあげられなかった。
時間がある時にちゃんと聞きたかったのもあるけど、時間ぐらい作ればよかった。
それがずっと心残りだった。
「心桜は見返りを求めて人助けをするの?」
「そんなわけ…あ、」
それは遥希くんも同じってことか…。
「その代わり、遥希くんが困っていたら、心桜が力になってあげればいいんだよ」
「うん、」
遥希くんは、私を頼ってくれるんだろうか。
「まぁ、心桜の気持ちも分かるけど。でも、心桜には支えてくれる人がいるんだから、一人で抱え込まないで」
そう言って、優しく私の頭を撫でてくれた。
その温かい手の感触に、心が少しだけ癒される。
先輩の優しさに感謝しながら、私は深い息をついて気持ちを落ち着ける。
「うん。ありがとう、先輩」
一人で何も出来ない自分が情けない。
でも、それでも側にいて、助けてくれる人達がいるから救われてる。
だけど、いつまでも甘えてられないよね。
私は、感謝の気持ちを込めて微笑んだ。
遥希くんを巻き込みたくないのも本心だけど、
この話をして、遥希くんが離れていっちゃうんじゃないかって怖かった。
断られるだけならまだしも、遥希くんが私を避けるんじゃないかって不安だった。
「うん。じゃあ、今日は先に帰るね」
遥希くんが微笑んで答える。
「え、どうして」
いつも三人で帰ってたのに。
「暫くは一緒に帰れないみたいだし、今日だけでも二人で帰りなよ」
遥希くんの優しさが胸に響く。
彼が私を気遣ってくれることが嬉しい反面、申し訳ない気持ちも湧いてくる。
「そんな、途中まで一緒に帰ろうよ」
「うーん。そうしたいけど、用事思い出したから、やっぱり先に帰るね。じゃ、また明日」
そう言うと振り返ることなく走り出した。
「あっ…ありがとう!また明日!」
急いで遥希くんに届いたかは分からない。
遥希くんが去っていく後姿を見送りながら、
「なんか悪いことしちゃったな、」
と呟いた。
私は遥希くんにもらってばっかりで、何もしてあげられない。
「気を使ってくれたんだろうね、」
気を使って、嘘までつかせた。
「遥希くんに迷惑かけてないかな…」
迷惑だよね。
優しいからああ言ってくれるけど、本当なら嫌だよね。
「そんなことないよ。遥希くんも心桜のことを心配してるんだから」
先輩は優しく言った。
「きっと負担になってるよね、」
遥希くんに対する申し訳ない気持ちが募る。
「遥希くんだって、心桜の力になりたいって思ってるから協力してくれるんだよ」
先輩は微笑んで言った。
「うん…でも、私ばっかり負担をかけてるような気がして…。私は遥希くんに何も返せてないのに、」
あの時だって、いつもと様子が違うかったのに、
自分のことばっかりで話を聞いてあげられなかった。
時間がある時にちゃんと聞きたかったのもあるけど、時間ぐらい作ればよかった。
それがずっと心残りだった。
「心桜は見返りを求めて人助けをするの?」
「そんなわけ…あ、」
それは遥希くんも同じってことか…。
「その代わり、遥希くんが困っていたら、心桜が力になってあげればいいんだよ」
「うん、」
遥希くんは、私を頼ってくれるんだろうか。
「まぁ、心桜の気持ちも分かるけど。でも、心桜には支えてくれる人がいるんだから、一人で抱え込まないで」
そう言って、優しく私の頭を撫でてくれた。
その温かい手の感触に、心が少しだけ癒される。
先輩の優しさに感謝しながら、私は深い息をついて気持ちを落ち着ける。
「うん。ありがとう、先輩」
一人で何も出来ない自分が情けない。
でも、それでも側にいて、助けてくれる人達がいるから救われてる。
だけど、いつまでも甘えてられないよね。
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