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第63話
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「え…?」
私は驚きの声を漏らした。
「何かあったんでしょ?だからずっと元気がなかったんだよね」
遥希くんが優しく問いかける。
「それは、」
私は言葉に詰まり、視線を落とした。
なんて言えばいいのか分からない。
どうして、顔に出さないように意識してたのに。
気が抜けて…いや、違う。
咲月には気付かれなかった。
それなのにどうして遥希くんは…。
「俺が力になれることがあれば、何でも言ってよ」
言えるわけない。
友達だから、頼めない。
「でも、これ以上遥希くんに迷惑かけられないよ」
遥希くんの優しさに甘えたい気持ちもあるけど、迷惑をかけたくない。
「心桜ちゃんの力になりたいんだよ」
「ありがとう。でも、大丈夫だよ」
私は微笑みながら答える。
そう言ってくれるだけで、嬉しかった。
「どうして、」
「私のせいで、遥希くんに危ない目にあって欲しくないから」
小さな声で答えた。
「どういうこと?」
驚くのも無理はないか。
「私といたら…遥希くんまで危ない目に遭う」
柊先輩も、沙紀先輩も巻き込んでしまった。
もう、これ以上誰も巻き込みたくない。危険な目に遭って欲しくない。
「それなら、尚更そばにいなくちゃ」
その言葉に、少しだけ心が揺れた。
「どうして…?」
どうしてここまでしてくれるのか分からない。
「え?」
貰ってばっかりで、遥希くんに何かしてあげたことなんて一度もない。
それなのにどうして…
「どうしてここまで優しくしてくれるの?」
柊先輩と喧嘩した時、ずっと寄り添ってくれて、話を聞いてくれた。
初めは、遥希くんが優しいから困ってる人をほっておけないんだと思った。
だけど、自分の身にあるって分かったのに、それでも守ろうとしてくれるのは、友達だからというより…
何か理由があるからとしか考えられない。
「…助けられたから」
遥希くんが静かに答える。
「え、?」
「心桜ちゃんに助けられたことがあるんだよ」
私が助けた…?
「私が、遥希くんを…?」
私が遥希くんを助けたことなんて、一度もない。
「心桜ちゃんは忘れちゃったかもしれないけどね」
遥希くんは優しく微笑んだ。
「ごめん、」
どうしても思い出せない自分が悔しい。
「いいんだよ、俺が覚えてるから」
その言葉に、少しだけ心が軽くなった。
「そっか、」
「だから、心桜ちゃんを助けたいんだよ。今度は俺の番。ね?」
そっか。
今まで私に優しくしてくれてたのは、借りを返そうとして…。
過去の私が何をしたのか分からないけど、覚えてないってことは大したことしてないはず。
それに、もう十分すぎるぐらい返してもらった。
「でも、今までだって、ずっと遥希くんに救われてた。柊先輩と距離を置いていた時も、沙紀先輩の時だって、疑わずに信じてくれた」
私は感謝の気持ちを込めて言う。
「そんなの当たり前だよ」
「その当たり前が、本当に嬉しかった。だからもう、返そうとしなくていいんだよ」
私は微笑みながら答えた。
「…分かった。じゃあ、純粋に心桜ちゃんが好きだからって言ったら?」
私は驚きの声を漏らした。
「何かあったんでしょ?だからずっと元気がなかったんだよね」
遥希くんが優しく問いかける。
「それは、」
私は言葉に詰まり、視線を落とした。
なんて言えばいいのか分からない。
どうして、顔に出さないように意識してたのに。
気が抜けて…いや、違う。
咲月には気付かれなかった。
それなのにどうして遥希くんは…。
「俺が力になれることがあれば、何でも言ってよ」
言えるわけない。
友達だから、頼めない。
「でも、これ以上遥希くんに迷惑かけられないよ」
遥希くんの優しさに甘えたい気持ちもあるけど、迷惑をかけたくない。
「心桜ちゃんの力になりたいんだよ」
「ありがとう。でも、大丈夫だよ」
私は微笑みながら答える。
そう言ってくれるだけで、嬉しかった。
「どうして、」
「私のせいで、遥希くんに危ない目にあって欲しくないから」
小さな声で答えた。
「どういうこと?」
驚くのも無理はないか。
「私といたら…遥希くんまで危ない目に遭う」
柊先輩も、沙紀先輩も巻き込んでしまった。
もう、これ以上誰も巻き込みたくない。危険な目に遭って欲しくない。
「それなら、尚更そばにいなくちゃ」
その言葉に、少しだけ心が揺れた。
「どうして…?」
どうしてここまでしてくれるのか分からない。
「え?」
貰ってばっかりで、遥希くんに何かしてあげたことなんて一度もない。
それなのにどうして…
「どうしてここまで優しくしてくれるの?」
柊先輩と喧嘩した時、ずっと寄り添ってくれて、話を聞いてくれた。
初めは、遥希くんが優しいから困ってる人をほっておけないんだと思った。
だけど、自分の身にあるって分かったのに、それでも守ろうとしてくれるのは、友達だからというより…
何か理由があるからとしか考えられない。
「…助けられたから」
遥希くんが静かに答える。
「え、?」
「心桜ちゃんに助けられたことがあるんだよ」
私が助けた…?
「私が、遥希くんを…?」
私が遥希くんを助けたことなんて、一度もない。
「心桜ちゃんは忘れちゃったかもしれないけどね」
遥希くんは優しく微笑んだ。
「ごめん、」
どうしても思い出せない自分が悔しい。
「いいんだよ、俺が覚えてるから」
その言葉に、少しだけ心が軽くなった。
「そっか、」
「だから、心桜ちゃんを助けたいんだよ。今度は俺の番。ね?」
そっか。
今まで私に優しくしてくれてたのは、借りを返そうとして…。
過去の私が何をしたのか分からないけど、覚えてないってことは大したことしてないはず。
それに、もう十分すぎるぐらい返してもらった。
「でも、今までだって、ずっと遥希くんに救われてた。柊先輩と距離を置いていた時も、沙紀先輩の時だって、疑わずに信じてくれた」
私は感謝の気持ちを込めて言う。
「そんなの当たり前だよ」
「その当たり前が、本当に嬉しかった。だからもう、返そうとしなくていいんだよ」
私は微笑みながら答えた。
「…分かった。じゃあ、純粋に心桜ちゃんが好きだからって言ったら?」
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