学年一のイケメンに脅されて付き合うことになりました!

hayama_25

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第17話

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 海斗の子供みたいな顔を見て、少し安心した。

 いつもは仏頂面で、常に機嫌が悪いから。

 本当に心を許せる相手はいるんだろうかって思ってたんだけど、友達に囲まれていることを知って、心の中でほっとした。

「じゃあ、俺たちはこれで。海斗、ゆっくり出てこいよ!」

「訳わかんないこと言ってねぇで早く行け」

「はいはい。もう。そんなに早く彼女さんと2人きりになりたいのかよ~」

「はぁ、もう否定することすら面倒臭い」

「じゃ、彼女さん俺たち行くね!」
 そう言うと、海斗の友達たちは、私にも軽く手を振って去っていった。

 最後の最後まで騒がしかったな。

 部室には二人だけが残った。
 騒がしかったぶん、急に静かになった。

「…なんか、賑やかな友達だね」
「うるさいだけだ」

 海斗は少し照れくさそうに答えたが、その表情はどこか柔らかかった。

 ほんとに、好きなんだ。友達のこと。

「でも、良かった。海斗が楽しそうで」
「…お前、心配性なんだな。自分には鈍感なくせに」

「何よそれ」
「なんでもねぇよ」

「しょうがないでしょ、海斗のことが気になるんだから…って、いや、待って、。今のなし、そういう事じゃなくて、」

 気になるという言葉に、海斗は一瞬驚いたような顔をしたが、またすぐにいつもの顔に戻った。

「分かってるから」
「それならいいけど、」

 今ので何を分かったんだろうか。

「…ありがとな、差し入れ」
 そう言うと、すぐに視線をそらした。

「どういたしまして」

 少しの沈黙が流れた。

 気まずい。

 何か話した方がいいんだけど、言葉が出てこなかった。

「…雫」
「なに?」

 海斗は少し躊躇したが、意を決して言った。

「また…、差し入れ持ってきてくれるか?」
「え?」

 さっきは、どういう風の吹き回し?とか言っときながら、嬉しかったんじゃん。

 ツンデレかよ

「いや、その…はちみつレモン、また食べたいって思っただけだから」

 まだ一口も食べてないから、美味しいかどうか分からないくせに。

 だけど、なぜか心が一気に温かくなった。
 海斗の言葉に、胸がいっぱいになった。

 この気持ちは、何なのだろう。
 予想以上に喜んでもらえたから嬉しかったのかな。

「分かった。しょうがないからまた作ってあげる」

 海斗は少し照れくさそうに笑った。

 その笑顔を見て、ドキッとした。
 翔先輩以外の相手にドキッ…?

 …動悸か?

「えっと、じゃあ、行くね。練習頑張って」
「ああ、また後で。ありがとな」

 部室を出て、心の中でこっそり決意した。



 次はもっと美味しいものを作って、彼に喜んでもらおうと。
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