19 / 59
第18話
しおりを挟む
部室を出た後、心の中で次の差し入れのアイデアを考えながら歩いていた。
海斗のためにもっと美味しいものを作りたいという気持ちが強くなっていた。
海斗の笑顔が頭から離れない。
好きとかじゃなくて、顔はいいから…性格は悪いけど。
そりゃ、微笑まれたら、ドキッとしちゃう。
好きとかではない。
周りを見ずに、ボーッとしてた。
だから、
「危ない…!」
「えっ、」
ボールが飛んできたことにも、気づかなかった。
「血…」
痛みと驚きでその場に立ち尽くしていると、誰かが駆け寄ってきた。
「大丈夫か?」
顔を上げると、そこには心配そうな表情を浮かべた海斗がいた。
彼はすぐにハンカチを取り出し、私に手渡した。
「これ、使って。鼻血出てる」
「ありがとう…」
ハンカチを受け取り、鼻に当てた。
蒼大の優しさに触れて、少し安心した。
「ほんっとうにごめんね、、どうしよう、」
この人はさっきの…翔くんに似てるイケメンさんだ。
「大丈夫です。気にしないでください」
「血止まんねぇな。保健室行くか」
「いや、いいよ。そのうち止まるだろうし」
「いいから」
別にいいのに。
「じゃあ、一人で行けるから大丈夫。海斗は練習に戻って、」
正直、頭打ってちょっとフラフラしてるけど、一人でも行けないことはないし。
なんか、いつもしないことして、逆に迷惑かけてる。
「何言ってんだよ」
「え?」
「怪我してんのにほっといて練習するほど、俺は鬼じゃねぇよ」
「海斗、」
「悪いけど、今日の朝練はここまでにしとく」
「分かった。ほんとごめんね、お大事に」
「ありがとうございます、」
少しフラフラしてたけど、海斗の支えがあったおかげで安心して歩くことができた。
保健室に到着すると、海斗は私を椅子に座らせた。
「あれ、雫ちゃん朝からどうしたの」
「顔にボール当たって、血が止まんねぇみたいだから見てやって」
海斗が代わりに答えてくれた。
「ちょと見るね…うん。深い傷は見当たらないから、鼻の両側を強く押さえてれば10分程度で止まると思うよ」
「分かりました。ありがとうございます」
「今から朝の会議に行かないといけなくて、海斗が代わりに雫ちゃんのこと見ていてくれる?」
「分かった」
「ありがとう。雫ちゃん、お大事に」
「はい、ありがとうございます」
鼻血が止まるまでの間、海斗はずっと私のそばにいてくれた。
「痛みはどうだ?」
「少し痛いけど、大丈夫。ありがとう、海斗」
「…お前、もっと自分のこと大事にしろよ」
「えぇ、なんか怒ってる…?」
「怒ってねぇよ」
いや、見るからに怒ってるんですけど…
迷惑ばっかりかけたから、怒ってしまったのか。
「本当にごめん。迷惑かけちゃって」
「違うって。…ただ、人のことばかり気にして、自分のことを後回しにするなって言ってんの」
「だから、それってつまり…心配。してくれてるってこと?」
「別に…心配はしてない」
なんて言いながらも少し照れてる。
まさか、私の心配してくれるとは思っていなかった。
「それに、試合前なのに朝練も…」
「別に、気にすんな。お前が無事ならそれでいい」
「…へ、」
海斗の言葉に、少し驚いた。
お前が無事ならいいって…
まるで私の事…
「血、止まったな。教室行くか」
「あ、う、うん」
いやいや、なに勘違いしてるんだ。
そんなわけない。
あるはずない。
海斗のためにもっと美味しいものを作りたいという気持ちが強くなっていた。
海斗の笑顔が頭から離れない。
好きとかじゃなくて、顔はいいから…性格は悪いけど。
そりゃ、微笑まれたら、ドキッとしちゃう。
好きとかではない。
周りを見ずに、ボーッとしてた。
だから、
「危ない…!」
「えっ、」
ボールが飛んできたことにも、気づかなかった。
「血…」
痛みと驚きでその場に立ち尽くしていると、誰かが駆け寄ってきた。
「大丈夫か?」
顔を上げると、そこには心配そうな表情を浮かべた海斗がいた。
彼はすぐにハンカチを取り出し、私に手渡した。
「これ、使って。鼻血出てる」
「ありがとう…」
ハンカチを受け取り、鼻に当てた。
蒼大の優しさに触れて、少し安心した。
「ほんっとうにごめんね、、どうしよう、」
この人はさっきの…翔くんに似てるイケメンさんだ。
「大丈夫です。気にしないでください」
「血止まんねぇな。保健室行くか」
「いや、いいよ。そのうち止まるだろうし」
「いいから」
別にいいのに。
「じゃあ、一人で行けるから大丈夫。海斗は練習に戻って、」
正直、頭打ってちょっとフラフラしてるけど、一人でも行けないことはないし。
なんか、いつもしないことして、逆に迷惑かけてる。
「何言ってんだよ」
「え?」
「怪我してんのにほっといて練習するほど、俺は鬼じゃねぇよ」
「海斗、」
「悪いけど、今日の朝練はここまでにしとく」
「分かった。ほんとごめんね、お大事に」
「ありがとうございます、」
少しフラフラしてたけど、海斗の支えがあったおかげで安心して歩くことができた。
保健室に到着すると、海斗は私を椅子に座らせた。
「あれ、雫ちゃん朝からどうしたの」
「顔にボール当たって、血が止まんねぇみたいだから見てやって」
海斗が代わりに答えてくれた。
「ちょと見るね…うん。深い傷は見当たらないから、鼻の両側を強く押さえてれば10分程度で止まると思うよ」
「分かりました。ありがとうございます」
「今から朝の会議に行かないといけなくて、海斗が代わりに雫ちゃんのこと見ていてくれる?」
「分かった」
「ありがとう。雫ちゃん、お大事に」
「はい、ありがとうございます」
鼻血が止まるまでの間、海斗はずっと私のそばにいてくれた。
「痛みはどうだ?」
「少し痛いけど、大丈夫。ありがとう、海斗」
「…お前、もっと自分のこと大事にしろよ」
「えぇ、なんか怒ってる…?」
「怒ってねぇよ」
いや、見るからに怒ってるんですけど…
迷惑ばっかりかけたから、怒ってしまったのか。
「本当にごめん。迷惑かけちゃって」
「違うって。…ただ、人のことばかり気にして、自分のことを後回しにするなって言ってんの」
「だから、それってつまり…心配。してくれてるってこと?」
「別に…心配はしてない」
なんて言いながらも少し照れてる。
まさか、私の心配してくれるとは思っていなかった。
「それに、試合前なのに朝練も…」
「別に、気にすんな。お前が無事ならそれでいい」
「…へ、」
海斗の言葉に、少し驚いた。
お前が無事ならいいって…
まるで私の事…
「血、止まったな。教室行くか」
「あ、う、うん」
いやいや、なに勘違いしてるんだ。
そんなわけない。
あるはずない。
0
あなたにおすすめの小説
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
身代りの花嫁は25歳年上の海軍士官に溺愛される
絵麻
恋愛
桐島花は父が病没後、継母義妹に虐げられて、使用人同然の生活を送っていた。
父の財産も尽きかけた頃、義妹に縁談が舞い込むが継母は花を嫁がせた。
理由は多額の結納金を手に入れるため。
相手は二十五歳も歳上の、海軍の大佐だという。
放り出すように、嫁がされた花を待っていたものは。
地味で冴えないと卑下された日々、花の真の力が時東邸で活かされる。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
転生先のご飯がディストピア飯だった件〜逆ハーレムはいらないから美味しいご飯ください
木野葛
恋愛
食事のあまりの不味さに前世を思い出した私。
水洗トイレにシステムキッチン。テレビもラジオもスマホある日本。異世界転生じゃなかったわ。
と、思っていたらなんか可笑しいぞ?
なんか視線の先には、男性ばかり。
そう、ここは男女比8:2の滅び間近な世界だったのです。
人口減少によって様々なことが効率化された世界。その一環による食事の効率化。
料理とは非効率的な家事であり、非効率的な栄養摂取方法になっていた…。
お、美味しいご飯が食べたい…!
え、そんなことより、恋でもして子ども産め?
うるせぇ!そんなことより美味しいご飯だ!!!
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる