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24話 最高のエンターテイメント

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24話 最高のエンターテイメント
10月18日――ゲーム会場
 平日1週間と試験が終わった。一段落ついて眠ると、またあの異空間にいた。中心の崖を囲むような円の中にいる私。他の人たちは相変わらず輪郭だけで、ひとつの崖だけ人が消えていた。つまり、これが意味することは――。
「お見事! 今回は素晴らしいものを拝見させていただきました。特に、女性を守った勇敢な行動、称賛に値するでしょう!」
 どこからともなく中心に現れた男性――全身真っ黒の死神はウキウキで、人殺しだというのに興奮を抑えきれないようだ。声が若干高い。
「ということで、残りの参加者は12人となりました。さあ! 皆で殺し合いましょう!」
 あの女性は、ゲームの参加者だった。能力は……よくわからないまま、フィディリスに殺されたな。何だったのだろう。今となっては、どうでもいいけど。
「忖度や遠慮は無用です! 勝者には、なんでも願いを叶えて差し上げますよ! ひとつだけ! こう見えて私は神ですからお安い御用です!」
 などと謳い文句を言っているけど、不快極まりない。完全にあちら側の人間……死神だ。命は軽く扱われ、死は脱落とみなされる。当たり前で自然なことなのに、現実から目を逸らしてしまいたい。あわよくば自分を……。
「落ち着いて」
 背後に人の気配を感じて振り向く。またフィディリスがやってきた。暇なのかそういう目的なのか、ぎゅっと私を抱きしめて見せつける。拒否する理由はないから、そのままで……。
「見事でしたが、見応えはありませんね」
「犯罪者でしたか」
「これからおもしろくなりますね」
 反応は様々。いずれにしろ、まだ始まりということに変わりない。
「んぐ」
 話そうとしたら、また手で口を封じられた。今更ながら、本当にフィディリスなのか確かめる。黒い髪、オッドアイ、私よりも身長が高く、黒を好む男性。ベルトに携えた銃。本物のフィディリスだと認めざるを得ない。
 手を握って想いを伝える。「なんで口を塞ぐの?」と。すると、返事をするように手を握り返してくれた。……やけに長いな。会話文も読み取れるようになったのかな。
(ここにいる皆は獲物を狙う狩人。下手に個人情報を漏らすと危ないよ)
「次は……」
(何より、初動は皆エンターテイメントとして見てる。これからが楽しみだね)
 エンターテイメント……。楽しみ……。デスゲームって、命を扱う完全な娯楽……。
「次は確実に狩られるよ。覚悟を決めないと」
 フィディリスは口から手を離し、上から私を見る。不思議なオッドアイに見惚れ、決心は揺らぎそうだった。
「……うん」
「また会おうね」
 最後に、フィディリスはこう伝えた。
(能力は頻繁に使わないように。いざというときに役立つからね。ルミナスが、本当に使いたいと願ってはじめて効果が発揮されるよ。自分を信じなければそれは叶わないんだ)
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