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26話 だれかさんと違って
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26話 だれかさんと違って
フィディリスとの関係はよくわからないものになった。
彼は確かに、私に告白してくれた。「好き」と言ってくれた。スキンシップもしてくれる。ただ、その言葉や行動が本当かわからないけど。……複雑で信じられない。
とはいえ、いただいたものは何かしらで返さないといけない。遊園地に行くらしいけど、そこで何かフィディリスに聞いて好きなものをプレゼントしよう。もし想いが本当なら、何度も死のうとしたり、お願いしたり、迷惑なことをたくさんしているから。ついでに、電話帳やメッセージ欄を「うるさい人」から「フィディリス」に変えておく。お節介でなく気持ちなら……なんだか、違う気がして。
あさってのデートのために、どんな服とバッグで行くかを決めた。遊園地と言っていたし、動きやすいパンツスタイルで行こう。目立たないモノクロカラーを選び、シンプルなもので。袖だけフリルのついた白ブラウスと、黒のスキニーパンツ、軽い黒のスニーカー。バッグも黒で。
両親には、適当に友人と遊ぶと言っておいた。特に何も言われないあたり、本当に私に興味がないのだと思う。ただ「うん」とだけ。その日も両親と兄は仕事で、弟は休日もクラブだし、その反応は普通かも。
10月25日――遊園地
2日間眠って、遊園地に行く日がやってきた。用意した洋服に着替え、簡単にメイクをして鏡を見た。準備が終わるころには家は静まり返り、だれもいない異質な空間へと変わっていた。私が取り残されている感じは消えないけど、両親たちがいれば家は華やかな割に影を残し、私だけ残れば違和感がある。どちらにせよ、私が邪魔だということが、よくわかる。
待ち合わせ場所は駅。そこからバスに20分間乗って、遊園地に着くらしい。近場だから、昔、家族と行ったことがある。そのときはまだ弟が3歳で、今よりもっと可愛かったっけ。お人形さんみたいに綺麗でおとなしく、外面も家での言動も素晴らしい子と絶賛されていた。兄と弟の年齢差が16もあるから、両親は子育てがとても楽だと言っていた。……だれかさんとは違って、と。
バスは1時間に1本だから、それに合わせて10分前に駅に着いた。休日だから、平日と比べて駅の利用者は半分ほどである。だから、人がいると少し目立ってしまう。柱を背にして周囲を見渡すと……だれかが私に手を振っている。……フィディリスだ。シャツ、スキニーパンツ、サングラス、バッグ……全部真っ黒! 1色で勝負するとは……!
「おはよう!」
「うん……おはよ」
フィディリスは私を見つけた途端走って、あっという間に私の隣に立った。疑いようのないニコニコ笑顔でツッコミづらい。
「来てくれてありがとう! 今日も可愛いね」
「うん……ありがとう」
本当に、恥ずかしがらずによく言えるなあ……。
フィディリスとの関係はよくわからないものになった。
彼は確かに、私に告白してくれた。「好き」と言ってくれた。スキンシップもしてくれる。ただ、その言葉や行動が本当かわからないけど。……複雑で信じられない。
とはいえ、いただいたものは何かしらで返さないといけない。遊園地に行くらしいけど、そこで何かフィディリスに聞いて好きなものをプレゼントしよう。もし想いが本当なら、何度も死のうとしたり、お願いしたり、迷惑なことをたくさんしているから。ついでに、電話帳やメッセージ欄を「うるさい人」から「フィディリス」に変えておく。お節介でなく気持ちなら……なんだか、違う気がして。
あさってのデートのために、どんな服とバッグで行くかを決めた。遊園地と言っていたし、動きやすいパンツスタイルで行こう。目立たないモノクロカラーを選び、シンプルなもので。袖だけフリルのついた白ブラウスと、黒のスキニーパンツ、軽い黒のスニーカー。バッグも黒で。
両親には、適当に友人と遊ぶと言っておいた。特に何も言われないあたり、本当に私に興味がないのだと思う。ただ「うん」とだけ。その日も両親と兄は仕事で、弟は休日もクラブだし、その反応は普通かも。
10月25日――遊園地
2日間眠って、遊園地に行く日がやってきた。用意した洋服に着替え、簡単にメイクをして鏡を見た。準備が終わるころには家は静まり返り、だれもいない異質な空間へと変わっていた。私が取り残されている感じは消えないけど、両親たちがいれば家は華やかな割に影を残し、私だけ残れば違和感がある。どちらにせよ、私が邪魔だということが、よくわかる。
待ち合わせ場所は駅。そこからバスに20分間乗って、遊園地に着くらしい。近場だから、昔、家族と行ったことがある。そのときはまだ弟が3歳で、今よりもっと可愛かったっけ。お人形さんみたいに綺麗でおとなしく、外面も家での言動も素晴らしい子と絶賛されていた。兄と弟の年齢差が16もあるから、両親は子育てがとても楽だと言っていた。……だれかさんとは違って、と。
バスは1時間に1本だから、それに合わせて10分前に駅に着いた。休日だから、平日と比べて駅の利用者は半分ほどである。だから、人がいると少し目立ってしまう。柱を背にして周囲を見渡すと……だれかが私に手を振っている。……フィディリスだ。シャツ、スキニーパンツ、サングラス、バッグ……全部真っ黒! 1色で勝負するとは……!
「おはよう!」
「うん……おはよ」
フィディリスは私を見つけた途端走って、あっという間に私の隣に立った。疑いようのないニコニコ笑顔でツッコミづらい。
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本当に、恥ずかしがらずによく言えるなあ……。
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