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46話 見ていない
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46話 見ていない
一方、先生たちは生徒を避難させつつ、可能な限りだれがいるのか把握した。メモする暇もないから、頭のメモ帳に書き込んでいく。不確かですぐに消えてしまうけど、先生たちは責任を果たして生徒を外に逃がした。そして、生徒とは関係ない、一般の客も一緒に命からがら逃げ出した。博物館にいた人たちは、130人ほど。その人数が散らばり、後ろから猛スピードで過去の遺物が追いかけてくる。取って食われるのが大半だろう。デスゲームのせいで、関係のない人たちの命が、失われていく。混乱と悲鳴。コンクリート、石、壁、天井、博物館全体にひどい爪痕を残す。壊れてしまった。貴重な展示品は、過去の遺物……として、現代で大暴れした結果、破壊を極めた。
不思議なことに、駐車場のフェンスを乗り越えると恐竜は前に進めなくなり、その周囲で待ち伏せするという卑怯な手を打った。早く敷地外に逃げ出した人たちは、ギリギリ助かった。
同伴していた先生……Sickbayの先生は息を切らして走りながら、考えていた。先生は無我夢中で逃げ続けた結果、命だけは助かった。
(ルミナスとフィディリスは……どこに行ったの?)
暴力的な恐竜の数は増えていくばかりで、一向に収束する兆しが見られない。博物館は半分ほどが崩壊し、建て直しは不可能に近い。今もなお恐竜は暴れ続け、破壊の限りを尽くしている。そんな中、フィディリスは女性と追いかけっこで忙しかった。すばしっこい女性を追い詰めるのに時間がかかる。苦戦を強いられ、たまらず顔を歪めて舌打ちをした。恐竜を見たり戦ったりしてようやく――弱点らしい弱点を発見した。
恐竜が狙っているのは、逃げ惑い混乱している人たちだ。つまり、動いているものにターゲットを絞っている。それなら――と、フィディリスは待ち伏せして1頭に狙いを定め、恐竜の身体……ではなく、威嚇射撃をした。何もない壁に穴が開き、迷わず何発も撃つ。それだけじゃない。もう1頭いる。予測不能な乱射により、困惑した恐竜は別の恐竜とぶつかって倒れた。その拍子に、2体の恐竜は骨になる。所詮仮初めの命、砕けるときはあっという間だ。
同じことを何回も繰り返し、自滅を見守って時間を稼いだ。建物の崩壊は免れないけど、これ以上の被害拡大を防ぐことに成功した。
まだこれで終わりではない。むしろ始まりだ。あの女性さえ殺せれば……。
フィディリスは一瞬にして、壁と同じ色の服に着替え、フードを深くかぶった。さらにサングラスをかけ、できる限り顔を隠す。ある意味目立っているけど。
大体の敵を倒したことで余裕ができた。関係のない人たちを敷地外に出していく。瓦礫に挟まれた人、恐怖で動けない人たちを助けながら、少しずつ出口に向かっていった。
フィディリスはわずかな手がかりでも欲しいと思い、決まって尋ねた。
「ルミナスを見た?」
けれど、返事は決まって同じだった。
「見ていない」――。
一方、先生たちは生徒を避難させつつ、可能な限りだれがいるのか把握した。メモする暇もないから、頭のメモ帳に書き込んでいく。不確かですぐに消えてしまうけど、先生たちは責任を果たして生徒を外に逃がした。そして、生徒とは関係ない、一般の客も一緒に命からがら逃げ出した。博物館にいた人たちは、130人ほど。その人数が散らばり、後ろから猛スピードで過去の遺物が追いかけてくる。取って食われるのが大半だろう。デスゲームのせいで、関係のない人たちの命が、失われていく。混乱と悲鳴。コンクリート、石、壁、天井、博物館全体にひどい爪痕を残す。壊れてしまった。貴重な展示品は、過去の遺物……として、現代で大暴れした結果、破壊を極めた。
不思議なことに、駐車場のフェンスを乗り越えると恐竜は前に進めなくなり、その周囲で待ち伏せするという卑怯な手を打った。早く敷地外に逃げ出した人たちは、ギリギリ助かった。
同伴していた先生……Sickbayの先生は息を切らして走りながら、考えていた。先生は無我夢中で逃げ続けた結果、命だけは助かった。
(ルミナスとフィディリスは……どこに行ったの?)
暴力的な恐竜の数は増えていくばかりで、一向に収束する兆しが見られない。博物館は半分ほどが崩壊し、建て直しは不可能に近い。今もなお恐竜は暴れ続け、破壊の限りを尽くしている。そんな中、フィディリスは女性と追いかけっこで忙しかった。すばしっこい女性を追い詰めるのに時間がかかる。苦戦を強いられ、たまらず顔を歪めて舌打ちをした。恐竜を見たり戦ったりしてようやく――弱点らしい弱点を発見した。
恐竜が狙っているのは、逃げ惑い混乱している人たちだ。つまり、動いているものにターゲットを絞っている。それなら――と、フィディリスは待ち伏せして1頭に狙いを定め、恐竜の身体……ではなく、威嚇射撃をした。何もない壁に穴が開き、迷わず何発も撃つ。それだけじゃない。もう1頭いる。予測不能な乱射により、困惑した恐竜は別の恐竜とぶつかって倒れた。その拍子に、2体の恐竜は骨になる。所詮仮初めの命、砕けるときはあっという間だ。
同じことを何回も繰り返し、自滅を見守って時間を稼いだ。建物の崩壊は免れないけど、これ以上の被害拡大を防ぐことに成功した。
まだこれで終わりではない。むしろ始まりだ。あの女性さえ殺せれば……。
フィディリスは一瞬にして、壁と同じ色の服に着替え、フードを深くかぶった。さらにサングラスをかけ、できる限り顔を隠す。ある意味目立っているけど。
大体の敵を倒したことで余裕ができた。関係のない人たちを敷地外に出していく。瓦礫に挟まれた人、恐怖で動けない人たちを助けながら、少しずつ出口に向かっていった。
フィディリスはわずかな手がかりでも欲しいと思い、決まって尋ねた。
「ルミナスを見た?」
けれど、返事は決まって同じだった。
「見ていない」――。
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