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頼み

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 マイアの頼みを聞いた5人は、それぞれの反応をしていた。
 そんな様子がおかしかったのかマイアは笑った。

「マイア様?」
「いえ、貴方たちはいつも明るいわよね」

 照れたようにカミラが、
「えへへ、そうですかね」
 と言うと、ノアが
「調子乗んな」
 と頭を叩こうとするが、手が届かずカミラの肩に命中する。

 そして、再度ケンカになった二人をよそに、フィンが、
「明るいといえば、あの人も明るいですよね。あの白い人」

「白い人?……ああ、ミサキのことね。確かにそうね」
「今日はなんでいないんですか?」

 そう聞かれたマイアは微笑み、
「そうね、ミサキには皆に頼んだこと内緒にしたかったから」
「へえ、そうなんですね。でも後ろにいますよ」

「へ?」
 フィンの一言に変な声を出したマイアはすぐに後ろを振り返った。
 そこには汗まみれのミサキが立っていた。

「姐さん、探したんすよ」
「ミサキ、は、早かったのね」

 ミサキはミアから渡された水を飲み干し続ける。

「大変でしたよ!姐さん急にいなくなるし、露店のおっちゃん達に聞いても皆言うことバラバラだし、めっちゃ走り回りました」

「そうだったの。勝手にいなくなってごめんなさいね。……アメリアはどうしたの?」
 ミサキはそう言われ、思い出したように、
「あ、あいつは体力ないんでどっかで休憩してると思います」

「置いて行っちゃだめでしょ、ミサキ」
 あはは、と返すしかないミサキだった。

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