2 / 2
プロローグ
足音
しおりを挟む
鼻歌交じりに少女が歩く。いや、少女というには少し年齢があれかもしれないが。
「お、次はあの村ですね!」
新たな滞在地を見つけ、足取りがさらに軽くなる。どこかの異民族のような衣装を身にまとい、背中の袋にはよくわからない道具がぎっしりの詰まっているその姿。
傍から見れば、それは「祈祷師」のような姿だった。
春風のような鼻歌、異様な格好の少女、これだけ揃ってもかなり怪しいのだが、少女の怪しさは加速する。
「おい、そろそろ出しやがれ」
老婆のような、枯れ木のようなネックレスから聞こえる呻き声に対し、少女は
「そうですねぇ。貴女の運命の相手でも見つかれば出すことも考えましょう」
「けっ、馬鹿らしい。運命の■■でもあるまいに」
「信じてても、信じてなくても、運命とは訪れるものですから」
「...それはあれか?『声』ってやつか?」
「ふふふ、どうでしょう」
「...まあ、いい。着いたら起こせ。仕事はしてやる」
その声を最後に、少女のものではない誰かの声は息をひそめる。
「全く素直じゃない子ですね。さて...」
少女は顔を上げ、少し遠くにある村を見ながら「ふぅ」と一息つく。
「今回はどんな出会いがあるのでしょう」
少女は歩く。
未知なる出会いを求めて、新たな輝きを目指して。
その結末が、どんなものになろうとも。
「お、次はあの村ですね!」
新たな滞在地を見つけ、足取りがさらに軽くなる。どこかの異民族のような衣装を身にまとい、背中の袋にはよくわからない道具がぎっしりの詰まっているその姿。
傍から見れば、それは「祈祷師」のような姿だった。
春風のような鼻歌、異様な格好の少女、これだけ揃ってもかなり怪しいのだが、少女の怪しさは加速する。
「おい、そろそろ出しやがれ」
老婆のような、枯れ木のようなネックレスから聞こえる呻き声に対し、少女は
「そうですねぇ。貴女の運命の相手でも見つかれば出すことも考えましょう」
「けっ、馬鹿らしい。運命の■■でもあるまいに」
「信じてても、信じてなくても、運命とは訪れるものですから」
「...それはあれか?『声』ってやつか?」
「ふふふ、どうでしょう」
「...まあ、いい。着いたら起こせ。仕事はしてやる」
その声を最後に、少女のものではない誰かの声は息をひそめる。
「全く素直じゃない子ですね。さて...」
少女は顔を上げ、少し遠くにある村を見ながら「ふぅ」と一息つく。
「今回はどんな出会いがあるのでしょう」
少女は歩く。
未知なる出会いを求めて、新たな輝きを目指して。
その結末が、どんなものになろうとも。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる