20 / 72
20
しおりを挟む
「ナナっ…!」
ツーリーはきつく抱きしめられる。
彼が心の底から喜んでくれているのがわかって嬉しくなる。
私自身、ずっと彼を愛してきた。
もう離れなくていいのだと思ったら涙が出てきた。
そんな私の泣き顔を見てツーリーは再びわたしを優しく抱きしめ返してくれる。
そうして私達は、婚約披露宴に向けてがんばっていこうと決めた。
婚約披露宴といっても、長く貴族から離れていたため不安だったが、ツーリーの執事のアランが助言をくれる。
アランはツーリーの幼少期の遊び相手でもあったためわたしとの面識があり、わたしがこの屋敷に入った時、一番に歓迎してくれた人物だった。
「ナナ様、お花のお色はどうしましょうか?」
ある程度の事をわたしを尊重しながら決めてくれる。
「白い花…はどうでしょう?」
白い花は彼がわたしのまでに植えてくらたものであり、わたしに馴染み深い花だった。
そして花言葉は、純潔だった。
今回、彼と再び婚約すると言う事で取り入れたいものだった。
「いいですね。では別荘にある花を取り入れましょう。」
アランは気を回してくれた。
「ありがとうございます。」
「いえ。それからナナ様の後見人の事なのですが…。」
少し言いづらそうにしているアランにわたしは察しがついた。
「そうね、流石にその問題を解決しなきゃね…。」
「はい…。ご主人様からは二組の家のものに候補が上がっております。」
そう言ってアランが見せてくれたのは、二組の家の情報だった。
1組目は、エバン伯爵家という夫婦の家柄だった。
人柄は夫婦共におおらかな性格でどちらも後ろで控えている様な者たちだという、ツーリーとの関係性は遠い親戚と記されている。
二組目は、リノリュア伯爵の夫婦であり、子供が男子と女子が1人ずついるとのことだった。
こちらも真面目な性格で向上心があり、進んでわたしを後見人にと望まれたという、ツーリーを支える貴族の家系だと記されていた。
「ご主人様は一度お会いになられて決められるのがいいのではないかとおっしゃっていました。」
ツーリーは婚約者披露宴の準備のため、王都に出ていて不在だった。
彼に負担をかけてはいけないと、わたしはアランの顔を見た。
「おっしゃった様に一度お会いして決めさせてください。」
そうしてはわたしは、別日にそれぞれのご夫妻に会うこととなった。
初めに会うことになったのは、リノリュア伯爵夫妻だった。
あった印象は、隙が無く真面目な印象が見て取れた。
「本日は後見人の候補に名乗りあげていただき感謝します。」
ツーリーはきつく抱きしめられる。
彼が心の底から喜んでくれているのがわかって嬉しくなる。
私自身、ずっと彼を愛してきた。
もう離れなくていいのだと思ったら涙が出てきた。
そんな私の泣き顔を見てツーリーは再びわたしを優しく抱きしめ返してくれる。
そうして私達は、婚約披露宴に向けてがんばっていこうと決めた。
婚約披露宴といっても、長く貴族から離れていたため不安だったが、ツーリーの執事のアランが助言をくれる。
アランはツーリーの幼少期の遊び相手でもあったためわたしとの面識があり、わたしがこの屋敷に入った時、一番に歓迎してくれた人物だった。
「ナナ様、お花のお色はどうしましょうか?」
ある程度の事をわたしを尊重しながら決めてくれる。
「白い花…はどうでしょう?」
白い花は彼がわたしのまでに植えてくらたものであり、わたしに馴染み深い花だった。
そして花言葉は、純潔だった。
今回、彼と再び婚約すると言う事で取り入れたいものだった。
「いいですね。では別荘にある花を取り入れましょう。」
アランは気を回してくれた。
「ありがとうございます。」
「いえ。それからナナ様の後見人の事なのですが…。」
少し言いづらそうにしているアランにわたしは察しがついた。
「そうね、流石にその問題を解決しなきゃね…。」
「はい…。ご主人様からは二組の家のものに候補が上がっております。」
そう言ってアランが見せてくれたのは、二組の家の情報だった。
1組目は、エバン伯爵家という夫婦の家柄だった。
人柄は夫婦共におおらかな性格でどちらも後ろで控えている様な者たちだという、ツーリーとの関係性は遠い親戚と記されている。
二組目は、リノリュア伯爵の夫婦であり、子供が男子と女子が1人ずついるとのことだった。
こちらも真面目な性格で向上心があり、進んでわたしを後見人にと望まれたという、ツーリーを支える貴族の家系だと記されていた。
「ご主人様は一度お会いになられて決められるのがいいのではないかとおっしゃっていました。」
ツーリーは婚約者披露宴の準備のため、王都に出ていて不在だった。
彼に負担をかけてはいけないと、わたしはアランの顔を見た。
「おっしゃった様に一度お会いして決めさせてください。」
そうしてはわたしは、別日にそれぞれのご夫妻に会うこととなった。
初めに会うことになったのは、リノリュア伯爵夫妻だった。
あった印象は、隙が無く真面目な印象が見て取れた。
「本日は後見人の候補に名乗りあげていただき感謝します。」
0
あなたにおすすめの小説
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
溺愛のフリから2年後は。
橘しづき
恋愛
岡部愛理は、ぱっと見クールビューティーな女性だが、中身はビールと漫画、ゲームが大好き。恋愛は昔に何度か失敗してから、もうするつもりはない。
そんな愛理には幼馴染がいる。羽柴湊斗は小学校に上がる前から仲がよく、いまだに二人で飲んだりする仲だ。実は2年前から、湊斗と愛理は付き合っていることになっている。親からの圧力などに耐えられず、酔った勢いでついた嘘だった。
でも2年も経てば、今度は結婚を促される。さて、そろそろ偽装恋人も終わりにしなければ、と愛理は思っているのだが……?
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
小田恒子
恋愛
この度、幼馴染とお見合いを経て政略結婚する事になりました。
でも、その彼の左手薬指には、指輪が輝いてます。
もしかして、これは本当に形だけの結婚でしょうか……?
表紙はぱくたそ様のフリー素材、フォントは簡単表紙メーカー様のものを使用しております。
全年齢作品です。
ベリーズカフェ公開日 2022/09/21
アルファポリス公開日 2025/06/19
作品の無断転載はご遠慮ください。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる