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「レイモンドの領地はどうだったかな?」
夕食時、ヴィンがニコニコと聞いてくる。
「はい、こんな短期間で見違えるほど変わっていました。」
ジーヌは嬉しさのあまり顔が破顔するほどだった。その様子を見ていたヴィンも嬉しげに笑っている。
「それは良かった。後は舞踏会だね…君がレイモンドをここまで変えたんだ。だが彼にはまだまだ変わってもらわないといけないだから婚約者としてよろしく頼むよ。」
そういうと、ヴィンは何やら楽しげな笑みを一人浮かべている。
その様子を、ジーヌは苦笑いを浮かべて見ていた。
それから1ヶ月経ち…2ヶ月経ち…。
あっという間に舞踏会当日がやってきた。
黄色いドレスに髪をアップにしてもらった。
ジーヌは、ようやくレイモンドに会える喜びにそわそわしていた。
でも今日はヴィンの婚約者としてレイモンドに合わなければならない。
少し胸が痛いが、会えるだけで満足だと自分に言い聞かせた。
部屋で待っていると、ヴィンが入ってきて手を差し出す。
ヴィンの手を取り、馬車に乗り込むと舞踏会の会場へと向かった。
無事到着して、ヴィンの腕に手を組み長い廊下を歩き出した。
「ジーヌ、今日は楽しい日になると思うよ。」
ヴィンは嬉しそうにニコニコと微笑みながら何か企んでいるようだった。
「ヴィン様、何をお考えなのですか?」
呆れた様に見ると、気にするなと言わんばかりの笑みをヴィンが浮かべていた。
そうして会場に通された。
そこには沢山の人がいた。まずヴィンと一緒に王家の人に挨拶をした後、知り合いと言葉を交わして回った。
会う人にはヴィンはパートナーとして参加してもらっており、まだ求婚中だとおどけたように笑ってジーヌを紹介した。
それを面白くなさげに見ている人間がいるのをヴィンは知ってか知らずか…。
二人で少しの休息にと飲み物を飲み談笑していると、
「カルア…いや…ジーヌ…。」
懐かしい声が耳に囁く。振り向いたら夢のように消えてしまうのではないかと思うとなかなか振り向けなかった。
「ジーヌ…。」
もう一度呼ばれて、やっと振り向き、その姿を見た瞬間涙が流れてきた。
ジーヌはレイモンドを見て、切なくも嬉しくなった。
「レイモンド兄様…。」
二人から熱い視線が飛び交う。どれくらいそうしていただろう。
周りからすれば長い見つめ会いだが、二人にはあっという間だった。
「レイモンド、久しぶりだね。最近の君の噂に私も嬉しい限りだ。」
最初に言葉を発したのはヴィンだった。少し顔をニヤニヤさせながら。
夕食時、ヴィンがニコニコと聞いてくる。
「はい、こんな短期間で見違えるほど変わっていました。」
ジーヌは嬉しさのあまり顔が破顔するほどだった。その様子を見ていたヴィンも嬉しげに笑っている。
「それは良かった。後は舞踏会だね…君がレイモンドをここまで変えたんだ。だが彼にはまだまだ変わってもらわないといけないだから婚約者としてよろしく頼むよ。」
そういうと、ヴィンは何やら楽しげな笑みを一人浮かべている。
その様子を、ジーヌは苦笑いを浮かべて見ていた。
それから1ヶ月経ち…2ヶ月経ち…。
あっという間に舞踏会当日がやってきた。
黄色いドレスに髪をアップにしてもらった。
ジーヌは、ようやくレイモンドに会える喜びにそわそわしていた。
でも今日はヴィンの婚約者としてレイモンドに合わなければならない。
少し胸が痛いが、会えるだけで満足だと自分に言い聞かせた。
部屋で待っていると、ヴィンが入ってきて手を差し出す。
ヴィンの手を取り、馬車に乗り込むと舞踏会の会場へと向かった。
無事到着して、ヴィンの腕に手を組み長い廊下を歩き出した。
「ジーヌ、今日は楽しい日になると思うよ。」
ヴィンは嬉しそうにニコニコと微笑みながら何か企んでいるようだった。
「ヴィン様、何をお考えなのですか?」
呆れた様に見ると、気にするなと言わんばかりの笑みをヴィンが浮かべていた。
そうして会場に通された。
そこには沢山の人がいた。まずヴィンと一緒に王家の人に挨拶をした後、知り合いと言葉を交わして回った。
会う人にはヴィンはパートナーとして参加してもらっており、まだ求婚中だとおどけたように笑ってジーヌを紹介した。
それを面白くなさげに見ている人間がいるのをヴィンは知ってか知らずか…。
二人で少しの休息にと飲み物を飲み談笑していると、
「カルア…いや…ジーヌ…。」
懐かしい声が耳に囁く。振り向いたら夢のように消えてしまうのではないかと思うとなかなか振り向けなかった。
「ジーヌ…。」
もう一度呼ばれて、やっと振り向き、その姿を見た瞬間涙が流れてきた。
ジーヌはレイモンドを見て、切なくも嬉しくなった。
「レイモンド兄様…。」
二人から熱い視線が飛び交う。どれくらいそうしていただろう。
周りからすれば長い見つめ会いだが、二人にはあっという間だった。
「レイモンド、久しぶりだね。最近の君の噂に私も嬉しい限りだ。」
最初に言葉を発したのはヴィンだった。少し顔をニヤニヤさせながら。
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