愛した人は悪い人

はなおくら

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「わたしに逆恨みした奴らが、妹カルアを…。」

 苦しさを耐えているレイモンドに耐えられずジーヌは彼の背中を抱きしめた。

 レイモンドは抱き締めるジーヌの手を優しく握った。

「そんな時お前に出会った…。」

 ジーヌが顔を上げると、レイモンドが優しい顔で見つめていた。

「痩せ細ったお前の姿にカルアを重ねて見ていた…。可愛くて幼いお前が私の後をついて回るのが嬉しくてな…。」

 そう言われたジーヌは嬉しいような照れくさい気持ちになった。

「だが……。」

 レイモンドはそれから何も言わなくなった。

「レイモンド兄様?」

「いや…なんでもない…。ジーヌ…それがお前の本当の名前だったんだな。」

「はい…。」

「すまなかった…。私の恨みのせいで結果両親をお前から取り上げてしまったな…。」

「もういいんです。あなたは変わった…わたしにはそれだけで充分すぎるほど嬉しいんです…。これからもソーレ様と共に領地を守ってください…。」

「あぁ……。」

 ジーヌの祝福にあまり浮かない顔をレイモンドは浮かべていた。

「ジーヌ、そろそろ戻ってこないか?籍も入れてないうちから婚約者と暮らすのはおかしい…一度戻ってきなさい…。」

 ジーヌは大丈夫だろうという事で頷いた。

「わかりました…。」

 ジーヌが頷くと、安心したようにレイモンドは笑った。

「ジーヌ…本当にヴィンの元へ行くのか?」

「えっ…?」

 レイモンドは何も言わずにジーヌを抱きしめた。

 その抱擁は、本当に愛するものにするような錯覚を覚えるほど優しいものだった。

「なっ…何を今更…それに私が出ていかなければ、レイモンド兄様もソーレ様と一緒に慣れないじゃないですか…!そんな事よりソーレ様はお元気ですか?」

 本能でこれ以上はまずいとジーヌは話題を変えようとソーレの話をした。

 しかしレイモンドは返事もせずに、ジーヌを抱きしめて離さない。

 そして腕を緩めると、二人互いに見つめあった。

 吸い込まれるほど綺麗な瞳の奥のお互いにしか分かり合えない情熱を抱えていた。

 これ以上はまずいとジーヌが、腕から逃れようとしたその時、頭を抱えられたかと思うと唇に柔らかい感触がしたり

 ジーヌは一瞬の出来事で時が止まったように感じられたが、目を強く瞑った後、レイモンドから離れようとした。

「だめっ…!」

 逃れるジーヌにレイモンドは追いかけるように、腰に手を回して優しく首に手を添えると首を開いて優しく舌を入れた。

「んっ…だめっ…はっんっ…!」

 止めるジーヌを抱き込むようにレイモンドは目を閉じて深いキスを堪能していた。

 
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