愛した人は悪い人

はなおくら

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 ジーヌはレイモンドのキスに酔いしれていた。でもどこか不機嫌な彼の雰囲気をどうにかしたくて、頭を離した。

「はぁ…はぁ…。」

 酸素を吸い涙目でレイモンドを見ると、彼の頬も赤く染まりこちらに熱い視線を送ってくる。

「レイ様…どうされたのですか?」

「………。」

 レイモンドは答えたくないという様に横を向いたままジーヌを無視した。もちろんジーヌの腰には手を回したまま。

 それがジーヌには悲しく、辛くなり涙が尚溢れてきた。

 どうにか涙を止めようとしても止まらない…。

「レイ様…グスッ…私何か失礼な事をしてしまいましたか?あなたに酷いことしたなら謝ります…。」

 そんなジーヌの様子にレイモンドは慌ててジーヌを抱きしめた。

「すまない…。君がシューザと私より親しくしてたから…嫉妬した…。私には敬語なのに…。」

 ジーヌは抱きしめられながらレイモンドの嫉妬に胸が熱くなった。

 そして自分からも抱きしめている手をぎゅうっと強く抱きしめて言った。

「申し訳ありません…。レイ様は、目上の方ですし大切な人ですから…。」

 ジーヌがそういうとレイモンドは体を離して、ジーヌの顔を見た。

「私は誰よりも君の一番近い人間でいたい。」

「レイ様っ…んっ…!」

 レイモンドはまた深々とジーヌにキスを落とした。激しくしてしまったせいかジーヌがアップにしていた髪が崩れて、髪の毛が下に落ちていた。

「ジーヌ、私の名前を呼んで欲しい。」

「……レイ様。」

 ジーヌは改めて言われて恥ずかしくなり、頬を赤くしていったのだが、レイモンドは首を横に振り、耳元で囁いた。

「……様はいらない…。」

 そう言われてジーヌは胸がどくどくの脈打つ速さが速くなる。

 そして一つ呼吸をして、

「…レ……レイ……んっ…!」

 ジーヌがそう言った瞬間、レイモンドが再び深いキスを落とした。

 ジーヌも恥ずかしがりながらもそれに応じる。

 舌と舌が絡み合い、お互いの熱が欲しくてむさぶりあう。

 そしてレイモンドは、ジーヌの首筋に唇を下ろしていき一番柔らかい部分へと自分のマークを落としていった。

「んっ…レイ様……レイ…。」

「ジーヌ…綺麗だ…チュッ…チュッ…。」

 レイモンドの攻めにジーヌは、彼の首に手を置き、迫り来る快楽に身を置いていた。

 その間も、レイモンドの手がスルスルとジーヌのドレスの肩裾をおそして、はだけさせていく。

 恥じるジーヌの姿にレイモンドの熱は熱くもえたぎっていた。

 半ば強引に、ジーヌの左胸を持ち上げその中心を吸い上げた。
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