愛した人は悪い人

はなおくら

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 夜更け森林の奥のその向こうに、誰も使われていない様な洋館が佇んでいる。

 目を凝らしてよく見てみると、蝋燭の火を灯しているのか、薄暗くあかりがついていた。

 ジーヌとレイモンドは身分を隠して、屋敷の前にいる男に招待状を渡して中に進んだ。

 ある程度、綺麗にはされているがやはりどこかしこと埃が溜まっている。

 宅に入ると、たくさんの椅子が並んでいる。レイモンドとジーヌは一番後ろの席に座った。

 レイモンドはジーヌを見つめて大丈夫だと頷いたので、頷き返したジーヌは微笑んで見せた。

 ジーヌが顔を上げると、後ろに座っている為か、前に並んでいる客達の様子が伺えた。

 真顔で大人しく座っている者もいれば、ヘラヘラと落ち着かない様子の者もいた。

 そう言った者達に内心軽蔑の感情が生まれた。

 そんな様子がレイモンドにも伝わったのか、レイモンドは深々も被ったフードから顔を寄せて、ジーヌの瞳を隠して、耳元でつぶやいた。

「…何も気にしなくていい…すぐ終わる…。わたしがいるから大丈夫だ。」

 慰めの言葉に不思議と安心する。

 その時、司会者らしき者が顔を出した。

「今日は起こしありがとうございます!さぁ…皆様、お待ちかねの商品の登場です!」

 そう言って、出てきた者達を見た瞬間ジーヌは怒りで震えた。

 この惨劇を見て喜んでいる人間がいることに絶望してしまう。

 次々と競りが始まり大金が飛び交う。

 その様に怒りで震えて拳に血が流れた。その時、レイモンドがジーヌの手を優しく包み込んだ。

 それにはたっとして、手を緩める。

 会場の騒ぎが静まった頃、最後の挨拶にと、仮面を被った女性が出てきた。

 どう見てもソーレ嬢だと認識した。

 ソーレ嬢は、嬉しさを隠しもせず、頬を上気させて話をしている。

 しかしジーヌやレイモンドからしてみればその光景は、驚くほど歪で彼女が歪んでいることがわかる。

 そして今作戦が結構される。タイミングを見つけたレイモンドが手を上げた。

 その瞬間、観客席や会場から網が被せられた。

 レイモンドはジーヌの手を引き、降りてくる網からスッと抜けた。

 その瞬間、何十人もの警備隊が走り寄り、一人一人捕まえていく。

 レイモンドとジーヌはソーレの前に立ちはだかった。

「何をするの!離して!」

 騒ぎ立てるソーレにレイモンドは冷ややかな視線を送った。

「レイモンド様‼︎なんですかこれは…!」

 ソーレがレイモンドの姿を見た瞬間涙を流した。

「ソーレ嬢…君にはがっかりだ…。」

「そんな…。」

 ぴたりと塊ソーレはレイモンドを見つめる。

 この事態にジーヌは黙ったまま様子を見ていた。
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