婚約破棄されても貴方が好き

はなおくら

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 わたしは今でも彼を愛してる……。

 甘い余韻に浸っているせいか、いつも以上に感情が強くなる。

 なんの抵抗もなく、貴方のキスを受け入れるわたしははしたないでしょうか?

 貴方の隣にいつまでもいたい……。

 そんな事を考え、彼のキスに抵抗することもできずにいる。

「んっ…はっ…!…アレク様…。」

 彼は抵抗できない私になお唇を強く押し付ける。押し付けられた柔らかい唇が感覚を麻痺させた。

「んっ…待って…っ!」

 そう返した私に彼は唇を離して熱い瞳で口を開いた。

「芝居を打つことは分かっているが…君が他の男のところへ行くのは…どうしようもなく耐えられないっ…こんな僕を君は幻滅する?」

 余裕もなく自信なさげな彼が意外だった。私から見れば彼はいつだってどんな時も堂々としているからだ。

 わたしはそんな彼に幻滅するどころか愛おしさを感じた。

「私は、どんな貴方も愛しています。」

 もう我慢出来なかった。婚約破棄されそれからは彼を追ってきた。そして彼からも同じ思いを感じた。

でもそのときには自分はただの平民であり使用人…彼の思いに応えることは許されない…。

 そう思っていたのに…。

「……っ…!ジェニファ…っ…!」

 私の言葉に彼は私を強く抱きしめた。

「君は何も気にしなくていい!悪いのは僕だ。だから僕だけを見ていてくれっ!」

 私はこの言葉に歓喜した。涙が後から流れてくる。

「…はいっ…!私は今も昔も貴方だけを愛していますっ!」

 わたしは彼の背中に手を回した。

「ジェニファ…。」

 彼から愛おしい甘い声で名前を呼ばれた瞬間、ふわっと身体が中に浮いた。

「…っ…!」

 驚き彼の顔を見上げると、彼は笑ってベッドに私を運び、そっとベッドの上に置かれた。

「…アレク様…?」

 不安になり、彼の名を呼ぶと彼は微笑んだまま私の顔に顔を近づけ気づくと柔らかい唇が私の唇に重なった。

 わたしは瞳を閉じて彼を受け入れた。優しいキスが啄むように触れては離れてを繰り返す。

 そして次第に深くなる。わたしは彼の首に両手を回してそれに応えていく。

 しばらくしてから彼の唇が私の首筋に移動する。

「…あっ…。」

 肌の柔らかいところを刺激され声が自然に出てしまう。

「ジェニファ…。」

 私の声に答えるように、私の名前を呼び刺激を強めていく。

「…はっ…あっ…っ!」

 彼の甘い刺激に足の間をすり合わせてしまう。そんな私の様子を見た彼は首筋にキスを落としたまま、片腕で私の膨らんだ胸を揉みしだいた。

 その瞬間、より強い快感が体に電気を通したかのように駆け回った。


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