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奥の間に通され部屋に入るとニヤニヤした顔でこちらを見ている獣神がいた。
「無事再開できたのだな。」
挨拶もそうそうに獣神はそう言った。
「ただいま戻りました。獣神様はこのことを…?」
「うむ、だがこの機会を作り出したのはそなたの歩んできた道だ。我は未来を見たに過ぎない。」
そういうと獣神はキヨの前に近づき頭を撫でた。
「よく頑張ったな…。」
獣神に撫でられるとこれまでの我慢してきた感情が溢れてくる。今吉と別れてどれだけ彼を恋しく思っていたか。
獣神にはそのキヨの心が見えていた。獣神は今吉の方を見ると冷たく鋭い眼差しを向けた。
「…そなたが我が巫女…キヨを泣かせた事は実に不快でたまらない。だが我が巫女が認めたので有れば我もそなたを認めよう。」
睨まれていた今吉は喉を鳴らして獣神のいる目を見ていたが、その言葉に床に膝を付き誓った。
「もう同じ過ちは繰り返す事は無いとここに誓う…。獣神様…これまでキヨを守ってくださりありがとうございます。」
そう誓を立てた今吉を獣神は笑って頷いた。
ハラハラして見ていたキヨも安心した心地になった。
そして獣神は続けていった。
「キヨ、今日をもってそなたの役目を終わりにしようと思う。これからは今吉と共に幸せに暮らせ。そなたの力は封印させてもらうが、そなたで有れば人の世を渡っていけると信じているぞ。」
「…はい。獣神様…ありがとうございました。」
礼を言うキヨに微笑みかけてすぐ、獣神はキヨの額に触れた。これが能力の封印だ。
「そなたたちに幸多からんことを。それから我からの贈り物としてきつめときつなは人型の姿でそなたたちのそばにおこう。」
そういうと今吉とキヨの足元が光った。気づくとかつて自分たちが暮らしていた家の前に立っていた。
「ここは…。」
キヨが家の方を見ていると1人の老人が箒を持ち庭の掃除をしていた。
その後ろ姿は小さくはあったが心強く感じた。
その背にここを今まで守ってきてくれたのだと今吉とキヨは気がついた。
「…村長…。」
今吉が震える声で声をかけると、勢いよく村長がこちらに振り返った。
「今吉…キヨ…帰ってきたのか…。」
その瞬間、2人で村長の抱きついた。
「村長さん…この家を守ってくれたのですね…なんてお礼を言ったらいいのか…。」
涙するキヨに村長は首を振った。
「気にしなくていい。娘と息子の家だ。親であるわしが守らなくて誰が守るという…。」
村長の懐の深さに感謝の言葉しか言いようが無かった。
「村長…すまない…俺が頼りないばかりに…。」
「無事再開できたのだな。」
挨拶もそうそうに獣神はそう言った。
「ただいま戻りました。獣神様はこのことを…?」
「うむ、だがこの機会を作り出したのはそなたの歩んできた道だ。我は未来を見たに過ぎない。」
そういうと獣神はキヨの前に近づき頭を撫でた。
「よく頑張ったな…。」
獣神に撫でられるとこれまでの我慢してきた感情が溢れてくる。今吉と別れてどれだけ彼を恋しく思っていたか。
獣神にはそのキヨの心が見えていた。獣神は今吉の方を見ると冷たく鋭い眼差しを向けた。
「…そなたが我が巫女…キヨを泣かせた事は実に不快でたまらない。だが我が巫女が認めたので有れば我もそなたを認めよう。」
睨まれていた今吉は喉を鳴らして獣神のいる目を見ていたが、その言葉に床に膝を付き誓った。
「もう同じ過ちは繰り返す事は無いとここに誓う…。獣神様…これまでキヨを守ってくださりありがとうございます。」
そう誓を立てた今吉を獣神は笑って頷いた。
ハラハラして見ていたキヨも安心した心地になった。
そして獣神は続けていった。
「キヨ、今日をもってそなたの役目を終わりにしようと思う。これからは今吉と共に幸せに暮らせ。そなたの力は封印させてもらうが、そなたで有れば人の世を渡っていけると信じているぞ。」
「…はい。獣神様…ありがとうございました。」
礼を言うキヨに微笑みかけてすぐ、獣神はキヨの額に触れた。これが能力の封印だ。
「そなたたちに幸多からんことを。それから我からの贈り物としてきつめときつなは人型の姿でそなたたちのそばにおこう。」
そういうと今吉とキヨの足元が光った。気づくとかつて自分たちが暮らしていた家の前に立っていた。
「ここは…。」
キヨが家の方を見ていると1人の老人が箒を持ち庭の掃除をしていた。
その後ろ姿は小さくはあったが心強く感じた。
その背にここを今まで守ってきてくれたのだと今吉とキヨは気がついた。
「…村長…。」
今吉が震える声で声をかけると、勢いよく村長がこちらに振り返った。
「今吉…キヨ…帰ってきたのか…。」
その瞬間、2人で村長の抱きついた。
「村長さん…この家を守ってくれたのですね…なんてお礼を言ったらいいのか…。」
涙するキヨに村長は首を振った。
「気にしなくていい。娘と息子の家だ。親であるわしが守らなくて誰が守るという…。」
村長の懐の深さに感謝の言葉しか言いようが無かった。
「村長…すまない…俺が頼りないばかりに…。」
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