2 / 27
1巻
1-2
しおりを挟む
「寝起きだから、っていう意味じゃないよ。そのさ、あからさまな営みの痕、見せつけながら食堂に行くわけ? もう少し首元が隠れるような服にしないとダメだよ。さすがに、そのワンピースはダメダメ」
「へ?」
シャンテルにはローガンの言っている意味がわからない。
「シャン。まだ寝ぼけてるよね。あのさ、昼ご飯はなにかもらってくるからさ。とりあえず熱いシャワーでも浴びなよ」
ローガンに背を押され、シャンテルはまた室内へと逆戻りする羽目になった。
(え、ものすごくお腹が空いているんだけど……。ご飯、ご飯……、食べられないの?)
だが彼は、食事を持ってきてくれるとも言っていた。
ローガンを信じつつも、彼から言われたことが気になった。それを確認するためには浴室へと向かうしかない。
漆黒騎士団が所有する建物の個人部屋には、浴室とトイレがそれぞれ備え付けられている。それは、彼らの任務が特殊だからだ。昼夜問わない任務へ影響が出ないように、またほかの者たちに本当の姿を悟られないようにという配慮からである。
ちなみに、黄金や白銀騎士団たちの宿舎は、風呂トイレが共同である。
「うぎゃ」
シャンテルはつい、醜い声を出してしまった。
ワンピースを脱いで、下着姿になった自分に絶句する。
お腹や胸、そして首元、挙句太腿にまで残されている赤い痕の数々。間違いなく背中もやられているだろう。胸にいたっては、くっきりと歯型までついていた。
忘れたかった記憶。忘れられなかった記憶。
この鏡に映っている状況が、はっきりとそれを鮮明に思い出させてくれる。忘れたかったことをまざまざと思い出すことすら悔しい。
ため息しか出てこない。
ここはローガンに言われたとおり、熱いシャワーでも浴びて、熱いお茶を飲むのが気持ちを切り替える一番の方法なのだろう。
そう思いながらも、なぜかあの男のことが頭に浮かんでくる。同時に、きゅっと下腹部が疼く。
『レイだ。君にはそう呼んでほしい』
レイ……。レイが付く名前。
レイモンド、レイフ、レイトン、アシュレイ、トレイシー、クレイ、レイン……
シャンテルが思い浮かぶレイという愛称の男性の名前はそれくらいだ。
あの見目のよさと身に着けている物から推測するに、恐らく高貴なお方だろう。
そこで心当たりがあるとしたらレイトンである。だが彼は、王立図書館の司書であり、あんなワイルドイケメンではない。さっぱり顔のイケメンだ。
となれば、アシュレイという名の男が白銀騎士団にいたような気がする。ただ地方担当だと記憶している。ほかにも、レイが愛称の男性はいただろうか。
むしろ、そのレイという名前そのものが偽名かもしれない。シャンテルのシェインと同じように。
しかし、あの状況であの男には偽名を名のる余裕もメリットもなかったはず。間違いなくレイは彼の愛称だ。
(こうなったら、国内関係者の名簿を全部確認するしかないかな……)
そういった機密文書を閲覧できるのも、漆黒騎士団の特権である。
シャンテルはきゅっとシャワーを止めて、肌に残った水滴をタオルで吸い取った。水滴は肌の上で玉になっている。
昨日というよりも今日だろう。散々レイに弄ばれた身体。今すぐにでも消したい情事の痕。
消えそうにないけれど、だからってこれをこのままにして職場には行けない。これらを隠す服が必要だろう。幸い、職場での制服がそれに該当しそうだ。
下着姿で浴室から出ると、クローゼットの中から黒色の事務官服を取り出した。首元まですっと覆われた襟、そしてロングスカート。襟は一番上までボタンを留めてしまえば、先ほどの痕はすべて隠れる。
髪の色も、今は本来の銀色に戻っている。
コンコンコン、コンコンコン――
一定のこのリズムで扉を叩くのは、間違いなくローガンだ。扉を叩く音だけで、彼だとわかる。
「はいはーい」
先ほどとは変わって、シャンテルは陽気な声と共に扉を開けた。そこには昼食を手にしたローガンがいた。だが、彼女は思わず視線を横にずらす。彼の横にもう一人、別の男性が立っていたのだ。
「げ。ガレット団長」
シャンテルはつい、そう声を漏らしてしまった。
ローガンの隣にいたのは、漆黒騎士団の団長を務めるガレット・グーチである。
ローガンは爽やかな男性であるが、このガレットは中性的な男性だ。鈍色の髪は肩につくほどの長さで、こげ茶色の瞳もどこか艶めかしい。彼ほど妖艶という言葉が似合う男性もいないだろう。
だがシャンテルには、彼の色めく瞳が恐ろしく見えた。
「ローガンには嬉しそうな声で答えて、私には『げ』っていうのは失礼じゃないのか?」
恐ろしく見えたのではない。本当に恐ろしいのだ。なぜなら、ガレットは笑っているように見せかけて目は笑っていない。笑顔に見えるのに、怒っているようにも見える。
「ごめん、シャン。食事をとりに行ったらさ、団長に見つかった」
「見つかった、という表現もいささか聞き捨てならないが」
ガレットの口の端がピクリと動いた。これは、彼が間違いなく怒っている証拠でもある。
「はいはぁい、私もいるわよ」
そのガレットのうしろからひょっこりと顔を出したのは、漆黒騎士団の副団長であるアニトラ・サンド。少しだけ癖のある赤茶の髪を一つに結わえており、明るい茶色の目は楽しそうに笑っていた。
「あれ? アニ姉さん、今日はこちらなんですか?」
シャンテルはアニトラのことを『アニ姉さん』と呼んで慕っていた。
普段は事務官として働いている漆黒騎士団の騎士たちだが、このアニトラだけは別の場所で『便利屋』として働いている。
「うん、そうなのよ。で、食堂に行ったらローガンが珍しく一人でしょう? その割には二人分の食事を持っているし。これはなにかあるなと思って、ついてきちゃった」
シャンテルは昼食をあきらめようと思った。無言で扉を閉めようとした。それができなかったのは、ガレットが足をすかさずその扉の隙間に入れてきたからだ。
「シャンテル。昼食をとりながら、ゆっくり話を聞かせてもらおうか。ほら、君の好物もたくさんもらってきたぞ」
「いえいえいえ、お腹、いっぱいですから」
シャンテルは無理やり扉を閉めようとするが、ガレットの足が引っかかって閉まらない。そうやって暴れて押し問答をしているうちに、シャンテルのお腹は盛大にグルルルと鳴きだす。
「君は正直者だな。腹、減ってるんだろ? 減ってるよな?」
ガレットは、美味しそうな食べ物をシャンテルに見せつけてくる。もちろん、不敵な笑みも忘れていない。
「美味しいデザートもあるわよ?」
アニトラまでもが、そうやってデザートを見せてくる。彼女が手にしているデザートは、シャンテルが好きなものばかりだ。
「シャン。あきらめたほうがいいよ」
ローガンが首を横に振っていた。
(すべてはローガンのせいじゃないのよ)
ジロリと彼を睨むシャンテルだが、ローガンはシャンテルと目を合わせようとしない。
どうやら彼も、やらかしてしまったという自覚があるようだ。
あきらめるしかないのだろう。このガレットという男からは逃げることができない。
仕方なくシャンテルは三人を中に招き入れた。
「色気のない部屋だな」
ガレットがぽつりと一言漏らす。
「この宿舎なんてどこも似たようなものではないですか」
漆黒騎士団の個人部屋。浴室トイレは備え付きだが、それ以外はベッドとクローゼットと、食事用のテーブル、そして書き物をするための机しかない。幸い、食事用のテーブルには椅子が三つある。これは、シャンテルが同僚とここでたまに食事をしたり、おやつを食べたりするからだ。その同僚はローガンだったり、そうじゃなかったりする。
書き物用の机から椅子をずりずりと引きずって、空いているところに置いた。四人で食事するには、少し狭いテーブルだ。
「シャンテル、お誕生席はお前に譲ってやる」
そんなガレットの提案により、シャンテルはガレットとローガンの間という、またもや逃げられない席になってしまった。そして、目の前にはアニトラがいる。
シャンテルが時間稼ぎのつもりでお茶を淹れようとした。
「いいよ、シャン。ボクが淹れるから」
ローガンがポットを奪ってしまう。
九十度隣から突き刺さるガレットの視線が痛い。なにも言わず、黙っているところも怖い。
手際よくローガンがお茶と食事を並べる。
「では、いただこうか」
両手を合わせたガレットの声が恐ろしい。
「さて、シャンテル。昨日は潜入調査だったはずだが、どうやら決められた時間に部屋へ戻ってくることができなかったようだね。私たちは君が相手に見つかってしまったのかと思って、焦っていたのだよ」
妖艶に微笑み、パンをちぎりながら、ガレットが口を開いた。
彼のように漆黒騎士団はわりと見目が整った人物が多い。だが、印象に残るような整い方ではなく、どこにでもいるような見目のよさである。これにも理由があり、あまり目立つ容姿だと、潜入調査の時に相手の印象に強く残ってしまうからだ。
だから『あ、あの人、かっこよくない?』と街ですれ違う女性にちょっと噂される程度の見目のよさの人物が多く、シャンテルもちょっと可愛い程度の娘である。街に出れば『ちょっと、あの娘。可愛くね?』と言われることは、たびたびある。
残念ながらシャンテルは美しいという形容詞よりは可愛いが似合う容姿をしている。もう少し年を重ねれば、美しい女性になるのかもしれないと周囲は思っていた。
それでも、シャンテル自身はその評価に気づいていない。いたって普通のどこにでもいる女性だと自身を思っている。
だからこそ危うい。
「すみません」
すぐさまシャンテルは謝罪した。
ガレットに対して言い訳をしてしまうと、たいてい話が五倍になって返ってくる。ガレットからの話は素直に聞いて『はい』か『すみません』か『承知しました』で答えるにかぎるというのが、漆黒騎士団の中でも有名な話だ。
それに今回のガレットの指摘はごもっともである。潜入調査が相手に知られて、そのまま捕らえられてしまうという話も、耳にするからだ。
「団長。どうやらシャンは別なところに捕まってしまったようです」
パンをちぎって口の中に放り込んでいたローガンが、変化球を投げてきた。
(くそ、ローの奴。余計なことを言いやがって……)
シャンテルは彼をジロリと睨んだ。
ローガンは我関せずの態度である。変化球を投げるだけ投げたらあとは打つなり見逃すなり、なんなり好きにしろ、とのことのようだ。
そんな彼は、規則的にパンをちぎっては、口の中に放り込んでいた。
シャンテルは唇を噛みしめながら、ローガンをじっと見つめる。口元を歪め、ついでに鼻のほうまで歪めた。顔の見た目にこだわっている場合ではない。それだけ『余計なことは言うんじゃないわよ』とローガンへ訴えている。
肝心のローガンは、シャンテルの気持ちを無視してパンを咀嚼していた。
「ほほう。別なところに捕まった、だと? シャンテルが? それは興味深いね」
優雅にカップを傾けてお茶を飲むガレットは、口調も穏やかだ。
だけど、腹の底でなにを企んでいるかはわからない。
次に口を開くべき人物は誰なのか。それの探り合いだった。
ここは間違いなくシャンテルなのだが、それを打ち破ったのはローガンである。
「見せたほうが早いんじゃない?」
「げほっ」
ローガンの言葉に、シャンテルは危うくパンを喉に詰まらせるところだった。
「見せるって」
唇の周りを手の甲で拭いながら、シャンテルは言った。
「その襟元。ボタン外せばいいだけじゃん。さっきはあれだけボクに見せつけたくせに」
「あれは、不可抗力だって」
「ほう。ローガンには見せることができて、私にはできないと言うのだね」
テーブルの上に肘をついて両手を組んだガレットが怖い。
「団長。食事中です。テーブルに肘をついてはいけません」
すかさずシャンテルはそんなことを口にして誤魔化す。だからといって、誤魔化されるようなガレットでもない。
彼はシャンテルに視線を向け、ふたたび艶やかに笑った。
「あら、シャンテル。自分で見せることができないと言うのであれば、私が手伝うわよ。女性同士ですもの。なにも問題はないわよね」
目の前のアニトラがにっこりと笑う。こちらは可愛らしい笑みである。だけどシャンテルは知っている。この笑顔に隠されている本当の恐ろしさを。
すっとアニトラが席を立つと、シャンテルの腕を引っ張り、椅子から立つようにと促した。
シャンテルはアニトラを見上げ、ぶんぶんと首を横に振るが、アニトラの目は笑っていない。
渋々と席を立ち、浴室へと連れていかれて向かい合う。
アニトラの手が伸びてきて、有無を言わさずシャンテルの襟元のボタンをゆっくりと外していく。
シャンテルがされるがままになっているのは、ここで抵抗するものならば、ボタンを外すだけでは済まされないと思ったからだ。
ぎゅっと、両目を強く瞑った。
「これは……」
アニトラのその言葉に続く言葉など、容易に想像できる。
「見事にやられちゃったみたいね」
だけど、その口調はなにやら楽しそうにも聞こえた。実際、このアニトラという女性は楽しんでいる。そして彼女は襟元だけでなく、シャンテルの胸元、お腹の辺りまでボタンを外し始めた。
シャンテルは抵抗できない。
「あらぁ。これはすごいわよ」
隣の部屋にいるガレットとローガンにも聞こえるようなアニトラの声が、浴室に反響した。
「じゃ、ボタンを留めて。むこうに戻りましょう」
アニトラは笑っているが、シャンテルは笑えない。
きっちりとした詰襟の第二ボタンを外したまま、シャンテルは席に戻った。一番上まできっかりと留めようと思ったのに、アニトラがそれを制したのだ。
「ごほっ」
戻ってきたシャンテルを見るとすぐに、ローガンが咽た。
第二ボタンまで外しているから、鎖骨の部分まではっきりと見えているはずだ。たったそれだけの場所であるにもかかわらず、昨日の営みの情事が色濃く残っている。
アニトラには見られてしまったが、下着の下にも赤い痕は残っていた。
「いや、ここまでやられると、見事としか言いようがないな。もしかして、背中もか?」
ガレットが手を伸ばして、ブラウスを下からめくると、背中の下側を確認し始めた。
「ちょっと、ガレット。それ以上見たら、私がやるからね」
一応アニトラもシャンテルのことを気遣っているようだ。この場合の『やる』の意味がなにを指すのか、深く問い詰めるのはやめておくのが無難である。
「いや、これは。君は、本当にやられたんだな。なにをやってるんだ? まあ、ナニだろうけど。とりあえず、ご愁傷様とだけ言っておく」
ボタン、留めてやろうか? とガレットが言ってきたのでシャンテルはそれを丁重にお断りした。自分でボタンを一番上までしっかりと留める。
「念のため尋ねるけど、合意の上よね? 襲われたわけではないよね?」
アニトラが不安そうに目を細める。
「そうだ、アニトラの言うとおりだ。無理強いされても、抵抗できるだけの力はあるよな? で、相手は誰だ?」
ガレットが一番肝心なところを尋ねてきた。
「まあ、合意の上というか。流れにデロデロと流されたというか」
あははは、とシャンテルは笑いながら答えるしかない。
「ごほっ、ごほっ」
まだローガンは咽ている。
「相手は?」
ガレットは続けた。その鋭い視線を、シャンテルから逸らそうとはしない。
「言わなきゃ、ダメですかね?」
彼女は顎を引き、上目遣いでガレットを見た。
「シャンテル。君も漆黒のメンバーだからね。私には君の男関係を把握しておく必要があるのだよ」
「はあ」
(そんなもんなの?)
ローガンに助けを求めてみるけど、彼はいまだに咽ている。
目の前のアニトラに視線を向ければ、彼女はにんまりと笑みを浮かべている。
ここにシャンテルの味方はいないようだ。むしろ、シャンテルが危うく朝を共に迎えそうになった相手が誰なのかに、興味を持っている人物しかいない。
「あの、いや……。実は……。知らないんですよね」
「がほっ」
ふたたびローガンが咽た。どうやらとどめを刺してしまったらしい。彼は、ごほごほと激しく咳込み始めた。
「知らないって。シャンテル。君は行きずりの男性に捧げたってことか?」
ガレットは少し声を荒げた。
「捧げたって? なにを?」
シャンテルが尋ねた。
「あなた、処女だったわよね?」
アニトラが口にする。だった――つまり過去形。
「えっと。まあ。行きずりの男性かと言われると、そうではないんですけど」
「では、知らない、というのはどういう意味だ」
ガレットの目は怒りの色で満ちている。
それを受け流すかのように、シャンテルは首を傾けた。
知らないのは彼の名前。彼はシャンテルが潜入している酒場に、三日に一度訪れる準常連客である。
(あれ? むしろ知っていることって、それしかないかも)
改めて考えると、彼について知っていることなどなにもなかった。
「えっと。相手はあそこの酒場に来ている客です。名前は、愛称がレイということくらいしか知りません」
しかもその愛称も、身体を重ねてから教えてもらった。
「行きずりに該当するかしないかの判定が難しいラインだな」
ガレットは顎に右手を当てる。
(え、そんな判定があるの?)
シャンテルはアニトラに助けを求めるが、彼女は笑いながらパンをちぎり、口の中へと放り込んでいる。
「はぁ……」
そこでようやくローガンが息を吐き、ゆっくりとお茶を飲む。
「シャンの朝帰りじゃなくて深夜帰りにも驚いたけれど。相手が、名前も知らないような酒場の客っていうのも驚きだよね」
そこでローガンはカップを置いた。
「でも、団長。相手の男は本気ですよ、それ」
「ああ、それは私も思っていたところだ」
「しかも、嫉妬深そうな感じもする。普通、そこまでやる? 処女相手に」
ガレットとローガンが盛り上がり始めている。
(さっきから、処女処女うるさい)
心の中で二人に文句を言う。
「あー、そう言えば」
口元でパンを止めて、シャンテルは天井を見上げた。彼女が視線を上方向にずらすのは、なにかを思い出している時の仕草だ。
「責任は取る、と言われたような」
「なんとなくわかるけど。なんの責任、って聞きたいくらいだよね」
ローガンは呆れており、目を細くしてシャンテルを睨みつけている。
「え、やっぱり責任を取る、ってそういう意味? それ以外の意味を考えたいんだけど」
驚いたシャンテルが声をあげる。
「そういう意味じゃなかったらどういう意味だよ。そのレイって男、確実にシャンのことを狙ってたでしょ。確信犯だよね。なに、まんまと食われちゃってるのさ」
「ローガンの言っていることも、あながち間違いではないだろうな。相手が君の潜入先の酒場のやや常連客というのであれば、彼は君を知っていたということだ。何度か目にするうちに、君に惚れたという可能性は充分に考えられる」
「私に、惚れる? そんな要素、どこにありますかね?」
「あら、やだ。自覚がないって恐ろしいわ」
「へ?」
シャンテルにはローガンの言っている意味がわからない。
「シャン。まだ寝ぼけてるよね。あのさ、昼ご飯はなにかもらってくるからさ。とりあえず熱いシャワーでも浴びなよ」
ローガンに背を押され、シャンテルはまた室内へと逆戻りする羽目になった。
(え、ものすごくお腹が空いているんだけど……。ご飯、ご飯……、食べられないの?)
だが彼は、食事を持ってきてくれるとも言っていた。
ローガンを信じつつも、彼から言われたことが気になった。それを確認するためには浴室へと向かうしかない。
漆黒騎士団が所有する建物の個人部屋には、浴室とトイレがそれぞれ備え付けられている。それは、彼らの任務が特殊だからだ。昼夜問わない任務へ影響が出ないように、またほかの者たちに本当の姿を悟られないようにという配慮からである。
ちなみに、黄金や白銀騎士団たちの宿舎は、風呂トイレが共同である。
「うぎゃ」
シャンテルはつい、醜い声を出してしまった。
ワンピースを脱いで、下着姿になった自分に絶句する。
お腹や胸、そして首元、挙句太腿にまで残されている赤い痕の数々。間違いなく背中もやられているだろう。胸にいたっては、くっきりと歯型までついていた。
忘れたかった記憶。忘れられなかった記憶。
この鏡に映っている状況が、はっきりとそれを鮮明に思い出させてくれる。忘れたかったことをまざまざと思い出すことすら悔しい。
ため息しか出てこない。
ここはローガンに言われたとおり、熱いシャワーでも浴びて、熱いお茶を飲むのが気持ちを切り替える一番の方法なのだろう。
そう思いながらも、なぜかあの男のことが頭に浮かんでくる。同時に、きゅっと下腹部が疼く。
『レイだ。君にはそう呼んでほしい』
レイ……。レイが付く名前。
レイモンド、レイフ、レイトン、アシュレイ、トレイシー、クレイ、レイン……
シャンテルが思い浮かぶレイという愛称の男性の名前はそれくらいだ。
あの見目のよさと身に着けている物から推測するに、恐らく高貴なお方だろう。
そこで心当たりがあるとしたらレイトンである。だが彼は、王立図書館の司書であり、あんなワイルドイケメンではない。さっぱり顔のイケメンだ。
となれば、アシュレイという名の男が白銀騎士団にいたような気がする。ただ地方担当だと記憶している。ほかにも、レイが愛称の男性はいただろうか。
むしろ、そのレイという名前そのものが偽名かもしれない。シャンテルのシェインと同じように。
しかし、あの状況であの男には偽名を名のる余裕もメリットもなかったはず。間違いなくレイは彼の愛称だ。
(こうなったら、国内関係者の名簿を全部確認するしかないかな……)
そういった機密文書を閲覧できるのも、漆黒騎士団の特権である。
シャンテルはきゅっとシャワーを止めて、肌に残った水滴をタオルで吸い取った。水滴は肌の上で玉になっている。
昨日というよりも今日だろう。散々レイに弄ばれた身体。今すぐにでも消したい情事の痕。
消えそうにないけれど、だからってこれをこのままにして職場には行けない。これらを隠す服が必要だろう。幸い、職場での制服がそれに該当しそうだ。
下着姿で浴室から出ると、クローゼットの中から黒色の事務官服を取り出した。首元まですっと覆われた襟、そしてロングスカート。襟は一番上までボタンを留めてしまえば、先ほどの痕はすべて隠れる。
髪の色も、今は本来の銀色に戻っている。
コンコンコン、コンコンコン――
一定のこのリズムで扉を叩くのは、間違いなくローガンだ。扉を叩く音だけで、彼だとわかる。
「はいはーい」
先ほどとは変わって、シャンテルは陽気な声と共に扉を開けた。そこには昼食を手にしたローガンがいた。だが、彼女は思わず視線を横にずらす。彼の横にもう一人、別の男性が立っていたのだ。
「げ。ガレット団長」
シャンテルはつい、そう声を漏らしてしまった。
ローガンの隣にいたのは、漆黒騎士団の団長を務めるガレット・グーチである。
ローガンは爽やかな男性であるが、このガレットは中性的な男性だ。鈍色の髪は肩につくほどの長さで、こげ茶色の瞳もどこか艶めかしい。彼ほど妖艶という言葉が似合う男性もいないだろう。
だがシャンテルには、彼の色めく瞳が恐ろしく見えた。
「ローガンには嬉しそうな声で答えて、私には『げ』っていうのは失礼じゃないのか?」
恐ろしく見えたのではない。本当に恐ろしいのだ。なぜなら、ガレットは笑っているように見せかけて目は笑っていない。笑顔に見えるのに、怒っているようにも見える。
「ごめん、シャン。食事をとりに行ったらさ、団長に見つかった」
「見つかった、という表現もいささか聞き捨てならないが」
ガレットの口の端がピクリと動いた。これは、彼が間違いなく怒っている証拠でもある。
「はいはぁい、私もいるわよ」
そのガレットのうしろからひょっこりと顔を出したのは、漆黒騎士団の副団長であるアニトラ・サンド。少しだけ癖のある赤茶の髪を一つに結わえており、明るい茶色の目は楽しそうに笑っていた。
「あれ? アニ姉さん、今日はこちらなんですか?」
シャンテルはアニトラのことを『アニ姉さん』と呼んで慕っていた。
普段は事務官として働いている漆黒騎士団の騎士たちだが、このアニトラだけは別の場所で『便利屋』として働いている。
「うん、そうなのよ。で、食堂に行ったらローガンが珍しく一人でしょう? その割には二人分の食事を持っているし。これはなにかあるなと思って、ついてきちゃった」
シャンテルは昼食をあきらめようと思った。無言で扉を閉めようとした。それができなかったのは、ガレットが足をすかさずその扉の隙間に入れてきたからだ。
「シャンテル。昼食をとりながら、ゆっくり話を聞かせてもらおうか。ほら、君の好物もたくさんもらってきたぞ」
「いえいえいえ、お腹、いっぱいですから」
シャンテルは無理やり扉を閉めようとするが、ガレットの足が引っかかって閉まらない。そうやって暴れて押し問答をしているうちに、シャンテルのお腹は盛大にグルルルと鳴きだす。
「君は正直者だな。腹、減ってるんだろ? 減ってるよな?」
ガレットは、美味しそうな食べ物をシャンテルに見せつけてくる。もちろん、不敵な笑みも忘れていない。
「美味しいデザートもあるわよ?」
アニトラまでもが、そうやってデザートを見せてくる。彼女が手にしているデザートは、シャンテルが好きなものばかりだ。
「シャン。あきらめたほうがいいよ」
ローガンが首を横に振っていた。
(すべてはローガンのせいじゃないのよ)
ジロリと彼を睨むシャンテルだが、ローガンはシャンテルと目を合わせようとしない。
どうやら彼も、やらかしてしまったという自覚があるようだ。
あきらめるしかないのだろう。このガレットという男からは逃げることができない。
仕方なくシャンテルは三人を中に招き入れた。
「色気のない部屋だな」
ガレットがぽつりと一言漏らす。
「この宿舎なんてどこも似たようなものではないですか」
漆黒騎士団の個人部屋。浴室トイレは備え付きだが、それ以外はベッドとクローゼットと、食事用のテーブル、そして書き物をするための机しかない。幸い、食事用のテーブルには椅子が三つある。これは、シャンテルが同僚とここでたまに食事をしたり、おやつを食べたりするからだ。その同僚はローガンだったり、そうじゃなかったりする。
書き物用の机から椅子をずりずりと引きずって、空いているところに置いた。四人で食事するには、少し狭いテーブルだ。
「シャンテル、お誕生席はお前に譲ってやる」
そんなガレットの提案により、シャンテルはガレットとローガンの間という、またもや逃げられない席になってしまった。そして、目の前にはアニトラがいる。
シャンテルが時間稼ぎのつもりでお茶を淹れようとした。
「いいよ、シャン。ボクが淹れるから」
ローガンがポットを奪ってしまう。
九十度隣から突き刺さるガレットの視線が痛い。なにも言わず、黙っているところも怖い。
手際よくローガンがお茶と食事を並べる。
「では、いただこうか」
両手を合わせたガレットの声が恐ろしい。
「さて、シャンテル。昨日は潜入調査だったはずだが、どうやら決められた時間に部屋へ戻ってくることができなかったようだね。私たちは君が相手に見つかってしまったのかと思って、焦っていたのだよ」
妖艶に微笑み、パンをちぎりながら、ガレットが口を開いた。
彼のように漆黒騎士団はわりと見目が整った人物が多い。だが、印象に残るような整い方ではなく、どこにでもいるような見目のよさである。これにも理由があり、あまり目立つ容姿だと、潜入調査の時に相手の印象に強く残ってしまうからだ。
だから『あ、あの人、かっこよくない?』と街ですれ違う女性にちょっと噂される程度の見目のよさの人物が多く、シャンテルもちょっと可愛い程度の娘である。街に出れば『ちょっと、あの娘。可愛くね?』と言われることは、たびたびある。
残念ながらシャンテルは美しいという形容詞よりは可愛いが似合う容姿をしている。もう少し年を重ねれば、美しい女性になるのかもしれないと周囲は思っていた。
それでも、シャンテル自身はその評価に気づいていない。いたって普通のどこにでもいる女性だと自身を思っている。
だからこそ危うい。
「すみません」
すぐさまシャンテルは謝罪した。
ガレットに対して言い訳をしてしまうと、たいてい話が五倍になって返ってくる。ガレットからの話は素直に聞いて『はい』か『すみません』か『承知しました』で答えるにかぎるというのが、漆黒騎士団の中でも有名な話だ。
それに今回のガレットの指摘はごもっともである。潜入調査が相手に知られて、そのまま捕らえられてしまうという話も、耳にするからだ。
「団長。どうやらシャンは別なところに捕まってしまったようです」
パンをちぎって口の中に放り込んでいたローガンが、変化球を投げてきた。
(くそ、ローの奴。余計なことを言いやがって……)
シャンテルは彼をジロリと睨んだ。
ローガンは我関せずの態度である。変化球を投げるだけ投げたらあとは打つなり見逃すなり、なんなり好きにしろ、とのことのようだ。
そんな彼は、規則的にパンをちぎっては、口の中に放り込んでいた。
シャンテルは唇を噛みしめながら、ローガンをじっと見つめる。口元を歪め、ついでに鼻のほうまで歪めた。顔の見た目にこだわっている場合ではない。それだけ『余計なことは言うんじゃないわよ』とローガンへ訴えている。
肝心のローガンは、シャンテルの気持ちを無視してパンを咀嚼していた。
「ほほう。別なところに捕まった、だと? シャンテルが? それは興味深いね」
優雅にカップを傾けてお茶を飲むガレットは、口調も穏やかだ。
だけど、腹の底でなにを企んでいるかはわからない。
次に口を開くべき人物は誰なのか。それの探り合いだった。
ここは間違いなくシャンテルなのだが、それを打ち破ったのはローガンである。
「見せたほうが早いんじゃない?」
「げほっ」
ローガンの言葉に、シャンテルは危うくパンを喉に詰まらせるところだった。
「見せるって」
唇の周りを手の甲で拭いながら、シャンテルは言った。
「その襟元。ボタン外せばいいだけじゃん。さっきはあれだけボクに見せつけたくせに」
「あれは、不可抗力だって」
「ほう。ローガンには見せることができて、私にはできないと言うのだね」
テーブルの上に肘をついて両手を組んだガレットが怖い。
「団長。食事中です。テーブルに肘をついてはいけません」
すかさずシャンテルはそんなことを口にして誤魔化す。だからといって、誤魔化されるようなガレットでもない。
彼はシャンテルに視線を向け、ふたたび艶やかに笑った。
「あら、シャンテル。自分で見せることができないと言うのであれば、私が手伝うわよ。女性同士ですもの。なにも問題はないわよね」
目の前のアニトラがにっこりと笑う。こちらは可愛らしい笑みである。だけどシャンテルは知っている。この笑顔に隠されている本当の恐ろしさを。
すっとアニトラが席を立つと、シャンテルの腕を引っ張り、椅子から立つようにと促した。
シャンテルはアニトラを見上げ、ぶんぶんと首を横に振るが、アニトラの目は笑っていない。
渋々と席を立ち、浴室へと連れていかれて向かい合う。
アニトラの手が伸びてきて、有無を言わさずシャンテルの襟元のボタンをゆっくりと外していく。
シャンテルがされるがままになっているのは、ここで抵抗するものならば、ボタンを外すだけでは済まされないと思ったからだ。
ぎゅっと、両目を強く瞑った。
「これは……」
アニトラのその言葉に続く言葉など、容易に想像できる。
「見事にやられちゃったみたいね」
だけど、その口調はなにやら楽しそうにも聞こえた。実際、このアニトラという女性は楽しんでいる。そして彼女は襟元だけでなく、シャンテルの胸元、お腹の辺りまでボタンを外し始めた。
シャンテルは抵抗できない。
「あらぁ。これはすごいわよ」
隣の部屋にいるガレットとローガンにも聞こえるようなアニトラの声が、浴室に反響した。
「じゃ、ボタンを留めて。むこうに戻りましょう」
アニトラは笑っているが、シャンテルは笑えない。
きっちりとした詰襟の第二ボタンを外したまま、シャンテルは席に戻った。一番上まできっかりと留めようと思ったのに、アニトラがそれを制したのだ。
「ごほっ」
戻ってきたシャンテルを見るとすぐに、ローガンが咽た。
第二ボタンまで外しているから、鎖骨の部分まではっきりと見えているはずだ。たったそれだけの場所であるにもかかわらず、昨日の営みの情事が色濃く残っている。
アニトラには見られてしまったが、下着の下にも赤い痕は残っていた。
「いや、ここまでやられると、見事としか言いようがないな。もしかして、背中もか?」
ガレットが手を伸ばして、ブラウスを下からめくると、背中の下側を確認し始めた。
「ちょっと、ガレット。それ以上見たら、私がやるからね」
一応アニトラもシャンテルのことを気遣っているようだ。この場合の『やる』の意味がなにを指すのか、深く問い詰めるのはやめておくのが無難である。
「いや、これは。君は、本当にやられたんだな。なにをやってるんだ? まあ、ナニだろうけど。とりあえず、ご愁傷様とだけ言っておく」
ボタン、留めてやろうか? とガレットが言ってきたのでシャンテルはそれを丁重にお断りした。自分でボタンを一番上までしっかりと留める。
「念のため尋ねるけど、合意の上よね? 襲われたわけではないよね?」
アニトラが不安そうに目を細める。
「そうだ、アニトラの言うとおりだ。無理強いされても、抵抗できるだけの力はあるよな? で、相手は誰だ?」
ガレットが一番肝心なところを尋ねてきた。
「まあ、合意の上というか。流れにデロデロと流されたというか」
あははは、とシャンテルは笑いながら答えるしかない。
「ごほっ、ごほっ」
まだローガンは咽ている。
「相手は?」
ガレットは続けた。その鋭い視線を、シャンテルから逸らそうとはしない。
「言わなきゃ、ダメですかね?」
彼女は顎を引き、上目遣いでガレットを見た。
「シャンテル。君も漆黒のメンバーだからね。私には君の男関係を把握しておく必要があるのだよ」
「はあ」
(そんなもんなの?)
ローガンに助けを求めてみるけど、彼はいまだに咽ている。
目の前のアニトラに視線を向ければ、彼女はにんまりと笑みを浮かべている。
ここにシャンテルの味方はいないようだ。むしろ、シャンテルが危うく朝を共に迎えそうになった相手が誰なのかに、興味を持っている人物しかいない。
「あの、いや……。実は……。知らないんですよね」
「がほっ」
ふたたびローガンが咽た。どうやらとどめを刺してしまったらしい。彼は、ごほごほと激しく咳込み始めた。
「知らないって。シャンテル。君は行きずりの男性に捧げたってことか?」
ガレットは少し声を荒げた。
「捧げたって? なにを?」
シャンテルが尋ねた。
「あなた、処女だったわよね?」
アニトラが口にする。だった――つまり過去形。
「えっと。まあ。行きずりの男性かと言われると、そうではないんですけど」
「では、知らない、というのはどういう意味だ」
ガレットの目は怒りの色で満ちている。
それを受け流すかのように、シャンテルは首を傾けた。
知らないのは彼の名前。彼はシャンテルが潜入している酒場に、三日に一度訪れる準常連客である。
(あれ? むしろ知っていることって、それしかないかも)
改めて考えると、彼について知っていることなどなにもなかった。
「えっと。相手はあそこの酒場に来ている客です。名前は、愛称がレイということくらいしか知りません」
しかもその愛称も、身体を重ねてから教えてもらった。
「行きずりに該当するかしないかの判定が難しいラインだな」
ガレットは顎に右手を当てる。
(え、そんな判定があるの?)
シャンテルはアニトラに助けを求めるが、彼女は笑いながらパンをちぎり、口の中へと放り込んでいる。
「はぁ……」
そこでようやくローガンが息を吐き、ゆっくりとお茶を飲む。
「シャンの朝帰りじゃなくて深夜帰りにも驚いたけれど。相手が、名前も知らないような酒場の客っていうのも驚きだよね」
そこでローガンはカップを置いた。
「でも、団長。相手の男は本気ですよ、それ」
「ああ、それは私も思っていたところだ」
「しかも、嫉妬深そうな感じもする。普通、そこまでやる? 処女相手に」
ガレットとローガンが盛り上がり始めている。
(さっきから、処女処女うるさい)
心の中で二人に文句を言う。
「あー、そう言えば」
口元でパンを止めて、シャンテルは天井を見上げた。彼女が視線を上方向にずらすのは、なにかを思い出している時の仕草だ。
「責任は取る、と言われたような」
「なんとなくわかるけど。なんの責任、って聞きたいくらいだよね」
ローガンは呆れており、目を細くしてシャンテルを睨みつけている。
「え、やっぱり責任を取る、ってそういう意味? それ以外の意味を考えたいんだけど」
驚いたシャンテルが声をあげる。
「そういう意味じゃなかったらどういう意味だよ。そのレイって男、確実にシャンのことを狙ってたでしょ。確信犯だよね。なに、まんまと食われちゃってるのさ」
「ローガンの言っていることも、あながち間違いではないだろうな。相手が君の潜入先の酒場のやや常連客というのであれば、彼は君を知っていたということだ。何度か目にするうちに、君に惚れたという可能性は充分に考えられる」
「私に、惚れる? そんな要素、どこにありますかね?」
「あら、やだ。自覚がないって恐ろしいわ」
3
あなたにおすすめの小説
勘違い妻は騎士隊長に愛される。
更紗
恋愛
政略結婚後、退屈な毎日を送っていたレオノーラの前に現れた、旦那様の元カノ。
ああ なるほど、身分違いの恋で引き裂かれたから別れてくれと。よっしゃそんなら離婚して人生軌道修正いたしましょう!とばかりに勢い込んで旦那様に離縁を勧めてみたところ――
あれ?何か怒ってる?
私が一体何をした…っ!?なお話。
有り難い事に書籍化の運びとなりました。これもひとえに読んで下さった方々のお蔭です。本当に有難うございます。
※本編完結後、脇役キャラの外伝を連載しています。本編自体は終わっているので、その都度完結表示になっております。ご了承下さい。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
氷のメイドが辞職を伝えたらご主人様が何度も一緒にお出かけするようになりました
まさかの
恋愛
「結婚しようかと思います」
あまり表情に出ない氷のメイドとして噂されるサラサの一言が家族団欒としていた空気をぶち壊した。
ただそれは田舎に戻って結婚相手を探すというだけのことだった。
それに安心した伯爵の奥様が伯爵家の一人息子のオックスが成人するまでの一年間は残ってほしいという頼みを受け、いつものようにオックスのお世話をするサラサ。
するとどうしてかオックスは真面目に勉強を始め、社会勉強と評してサラサと一緒に何度もお出かけをするようになった。
好みの宝石を聞かれたり、ドレスを着せられたり、さらには何度も自分の好きな料理を食べさせてもらったりしながらも、あくまでも社会勉強と言い続けるオックス。
二人の甘酸っぱい日々と夫婦になるまでの物語。
狼隊長さんは、私のやわはだのトリコになりました。
汐瀬うに
恋愛
目が覚めたら、そこは獣人たちの国だった。
元看護師の百合は、この世界では珍しい“ヒト”として、狐の婆さんが仕切る風呂屋で働くことになる。
与えられた仕事は、獣人のお客を湯に通し、その体を洗ってもてなすこと。
本来ならこの先にあるはずの行為まで求められてもおかしくないのに、百合の素肌で背中を撫でられた獣人たちは、皆ふわふわの毛皮を揺らして眠りに落ちてしまうのだった。
人間の肌は、獣人にとって子犬の毛並みのようなもの――そう気づいた時には、百合は「眠りを売る“やわはだ嬢”」として静かな人気者になっていた。
そんな百合の元へある日、一つの依頼が舞い込む。
「眠れない狼隊長を、あんたの手で眠らせてやってほしい」
戦場の静けさに怯え、目を閉じれば仲間の最期がよみがえる狼隊長ライガ。
誰よりも強くあろうとする男の震えに触れた百合は、自分もまた失った人を忘れられずにいることを思い出す。
やわらかな人肌と、眠れない心。
静けさを怖がるふたりが、湯気の向こうで少しずつ寄り添っていく、獣人×ヒトの異世界恋愛譚。
[こちらは以前あげていた「やわはだの、お風呂やさん」の改稿ver.になります]
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。