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聖女(10)*
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「ニール……、きて……」
待ちきれず彼の耳元で囁くと、ぐっと入り口に彼の先端が入り込んだ。
「あっ……」
前の男と別れて以降、そこに異物を受け入れたのは会社の指定する人間ドックを受診したときのみ。こちらの世界にきてからは、一度もない。
みちみちと襞を擦り上げながら、熱い肉棒が入り込んでくる。
「痛むか?」
緊張で心臓はバクバクと音を立てており、口もだらしなく開けていた。その表情が痛みをこらえているように見えたのだろう。
「大丈夫」
「お前は……、初めてではないんだな」
彼の瞳に嫉妬の炎が揺らめいた。
「だけど、こんなに感じたのは初めて……」
何かしらの初めてを口にしなければならないと思った。だが、それは間違いではなかったようだ。彼の目元が和らぐ。
「そうか……」
唇を重ねる。
だが、ぐぐぐっと彼が腰を押し進めるたびに、下腹部にはなんとも表現しがたい圧迫感が生まれ始める。
「ん、んんぅっ……ん、んっ……」
口を塞がれたため、唸ることしかできない。
その異変にニールも感じ取ったのだろう。名残惜しそうに唇を離すと耳元で囁く。
「根元まで入った……」
「……!!」
まさしく彼の先端は、アズサの未踏の地へと到達していた。
「やはり、痛むのか?」
不安気に眉間に皺を深く刻んでいる様子を見ると、心からそう思っているのだろう。
だが、違う。そこは未踏の地だったのだ。ファンタジーな彼の息子がそこに足を踏み入れた。
「ちがっ……。あっ……」
ニールが力強く抱きしめてきた。隙間なくびっちりと繋がっているはずなのに、それでも彼の先端がさらに奥へ進もうとしているように感じるから不思議だった。
「こんなの……、初めて……で……ん、んっ……」
ピクっと埋もれている杭が反応した。
「初めて? 何が、だ?」
「そんな、奥……。あぁっ……、深いの……」
「そうか……、アズサは奥がいいのか?」
抱き寄せていたアズサの身体から離れたニールは、彼女の腰を掴み直した。
「あぁっ……」
「俺は初めてだからな。教えてもらわないと、わからない……」
獲物を狩る獣のように瞳をギラギラと輝かせている。
「動いたほうがいいのか? それともこのままか?」
わざとアズサを煽るような質問をしてくる。
(童貞のくせに……)
そのすべてがアズサの心の安定剤のようなものだった。
だが、彼も辛そうに口の端をひくひくと震わせている。動きたいのか、イきたいのか。
「動きたいのは……、あなたじゃないの? 動く許可を、与えてもいいけれど?」
すべてを彼に牛耳られるのは面白くない。
「さすが寛大な聖女様だ。愚かな俺に、動く許可を与えてくださった……」
ニールはゆるゆると腰を引いた。抜け落ちるくらいぎりぎりまで引くと、ゆるゆると奥へと進む。そのゆるゆるとした動きが、逆にじれったく感じる。
「あぁああ……。アズサの中は蕩けそうなほど、気持ちがいい」
彼は最奥を突いたまま、うっとりとした表情でアズサを見下ろしている。
「アズサは、先ほどから自分で腰を動かしているように見えるが……。やはり、俺のものでは不満なのか?」
「ち、ちがっ……」
「何が、違う? はっきり言ってもらわないとわからないな。何しろ、初めてなものでな」
さきほどから彼は、初めてを逆手に取ってくる。
(童貞のくせに……)
彼の思い通りになるのは悔しい。だけど、激しく突いてもらいたい。
「あなたには、動く許可を与えたの……。それをきちんと行使しなさい」
「だから、ほら……。こうして、動いている」
また、ゆるゆると腰を振る。
「初めてだからわからないようね……。動くというのは、そんな気の抜けた動きのことじゃないの。もっと、激しく……」
「そうか……。激しく、動いていいのか……」
気合を入れるかのように、彼は長く息を吐いた。アズサの腰を掴み直すと、いきなりズンと奥を突く。
「あっ……」
激しくと自分から口にしたアズサではあるが、それがこんなに感じるものだとは思わなかった。
待ちきれず彼の耳元で囁くと、ぐっと入り口に彼の先端が入り込んだ。
「あっ……」
前の男と別れて以降、そこに異物を受け入れたのは会社の指定する人間ドックを受診したときのみ。こちらの世界にきてからは、一度もない。
みちみちと襞を擦り上げながら、熱い肉棒が入り込んでくる。
「痛むか?」
緊張で心臓はバクバクと音を立てており、口もだらしなく開けていた。その表情が痛みをこらえているように見えたのだろう。
「大丈夫」
「お前は……、初めてではないんだな」
彼の瞳に嫉妬の炎が揺らめいた。
「だけど、こんなに感じたのは初めて……」
何かしらの初めてを口にしなければならないと思った。だが、それは間違いではなかったようだ。彼の目元が和らぐ。
「そうか……」
唇を重ねる。
だが、ぐぐぐっと彼が腰を押し進めるたびに、下腹部にはなんとも表現しがたい圧迫感が生まれ始める。
「ん、んんぅっ……ん、んっ……」
口を塞がれたため、唸ることしかできない。
その異変にニールも感じ取ったのだろう。名残惜しそうに唇を離すと耳元で囁く。
「根元まで入った……」
「……!!」
まさしく彼の先端は、アズサの未踏の地へと到達していた。
「やはり、痛むのか?」
不安気に眉間に皺を深く刻んでいる様子を見ると、心からそう思っているのだろう。
だが、違う。そこは未踏の地だったのだ。ファンタジーな彼の息子がそこに足を踏み入れた。
「ちがっ……。あっ……」
ニールが力強く抱きしめてきた。隙間なくびっちりと繋がっているはずなのに、それでも彼の先端がさらに奥へ進もうとしているように感じるから不思議だった。
「こんなの……、初めて……で……ん、んっ……」
ピクっと埋もれている杭が反応した。
「初めて? 何が、だ?」
「そんな、奥……。あぁっ……、深いの……」
「そうか……、アズサは奥がいいのか?」
抱き寄せていたアズサの身体から離れたニールは、彼女の腰を掴み直した。
「あぁっ……」
「俺は初めてだからな。教えてもらわないと、わからない……」
獲物を狩る獣のように瞳をギラギラと輝かせている。
「動いたほうがいいのか? それともこのままか?」
わざとアズサを煽るような質問をしてくる。
(童貞のくせに……)
そのすべてがアズサの心の安定剤のようなものだった。
だが、彼も辛そうに口の端をひくひくと震わせている。動きたいのか、イきたいのか。
「動きたいのは……、あなたじゃないの? 動く許可を、与えてもいいけれど?」
すべてを彼に牛耳られるのは面白くない。
「さすが寛大な聖女様だ。愚かな俺に、動く許可を与えてくださった……」
ニールはゆるゆると腰を引いた。抜け落ちるくらいぎりぎりまで引くと、ゆるゆると奥へと進む。そのゆるゆるとした動きが、逆にじれったく感じる。
「あぁああ……。アズサの中は蕩けそうなほど、気持ちがいい」
彼は最奥を突いたまま、うっとりとした表情でアズサを見下ろしている。
「アズサは、先ほどから自分で腰を動かしているように見えるが……。やはり、俺のものでは不満なのか?」
「ち、ちがっ……」
「何が、違う? はっきり言ってもらわないとわからないな。何しろ、初めてなものでな」
さきほどから彼は、初めてを逆手に取ってくる。
(童貞のくせに……)
彼の思い通りになるのは悔しい。だけど、激しく突いてもらいたい。
「あなたには、動く許可を与えたの……。それをきちんと行使しなさい」
「だから、ほら……。こうして、動いている」
また、ゆるゆると腰を振る。
「初めてだからわからないようね……。動くというのは、そんな気の抜けた動きのことじゃないの。もっと、激しく……」
「そうか……。激しく、動いていいのか……」
気合を入れるかのように、彼は長く息を吐いた。アズサの腰を掴み直すと、いきなりズンと奥を突く。
「あっ……」
激しくと自分から口にしたアズサではあるが、それがこんなに感じるものだとは思わなかった。
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