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天の声よ、さようなら(1)
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卒業パーティの前にシャノンはミレーヌの両親と顔合わせをした。ミレーヌの母親が、ぐいぐいとシャノンに質問をしまくっていたので、ミレーヌは寿命が縮む思いだった。大切な友達だから、あまり変なことは言わないで、と。
シャノンから見たら、マーティンは熊のような人らしい。体が大きくて、怖そうに見えるけど、熊のぬいぐるみのように安心感を与えてくれる、と。
そしてその意見が一致して喜んでいたのは、もちろん母親。母親が父親に対する見解と一緒だ、ということで、熊でゴリラを伴侶とすることを誓った二人は、なぜかその話で盛り上がっていた。
挙句、さっさと結婚しちゃいなさいよ、と母親がマーティンに詰め寄るものだから、それはさすがに父親が止めていた。
卒業パーティを終えたら、婚約の儀を行うということで、母親は妥協したようだ。
誰かこの母親を止めて欲しい、とミレーヌは心から思っていた。
そして、無事に卒業パーティの日を迎える。
ミレーヌとエドガー、シャノンとマーティン、という組み合わせは警備にあたっていた騎士達も驚きを隠せなかった。
そのカップルが通るたびに、なぜかざわざわと騒がしくなる。
一つ目の騒がしさの原因は、マーティンの妹ミレーヌの件だ。
エドガーとマーティンの妹の婚約は、騎士団の誰もが知る話となっていたのだが、マーティンの妹、つまり団長の娘という言葉だけが先走りしてしまい、ミレーヌの容姿に少々誤解を与えていたらしい。
エドガーと共にいる女性があの団長の娘で、あのマーティンの妹なのか、と、すれ違う騎士たちが三度見するくらいに。
二つ目の驚きは、マーティンが卒業する女子学生をエスコートしていたということ。しかも相手は、一部では噂になっていたシャノン。第一皇子の婚約者候補にまであがった娘。
そして、その相手の第五騎士隊隊長のマーティンと言えば、団長に似た体格でまるでゴリラと言われている男。その二人が互いに幸せそうに微笑み合っている姿は、なんともまぁ初々しい。
そして、第五騎士隊副隊長のカーニーにとっての驚きは別なところにあった。
「アムラン。なぜ、そちら側にいる。今日は私と共に警備ではなかったのか」
「副隊長。残念ながら、私にはこちらの女性のエスコートという立派な役目がありますので」
とルネの手をとりながら言う。
「何を……。だがな、私は部下の幸せを喜べないような、心の狭い上官ではないのだ。おめでとう、アムランくん。そして君には黙っていたが、私にも彼女ができたのだ」
はははとカーニーは胸を張って笑う。
「だから今日も、こうやって心起きなく任務についている」
「そうでしたか。おめでとうございます、副隊長」
「それもこれも、ロビー隊長のおかげだがな」
どうやらロビーはあのときの約束をきちんと守ったらしい。
卒業というめでたい話と、いろんな人のたくさんの幸せな話。
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挙句、さっさと結婚しちゃいなさいよ、と母親がマーティンに詰め寄るものだから、それはさすがに父親が止めていた。
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誰かこの母親を止めて欲しい、とミレーヌは心から思っていた。
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