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第三章(7)
呆然と見つめるランドルフと彼の護衛たちに気づいたシアは、慌てて取り繕う。
「申し訳ありません。大事なお話をされていたのに」
「いや……驚いただけですから。シア嬢は、子どもだけでなく鳥にも好かれているのですね」
ランドルフの言葉に「申し訳ありません……」と赤面しながら、シアは答えた。
「ええ、シアは伝書鳩も手懐けておりますから。必要であれば、王都への連絡はすぐにできますよ」
相手はこの国の王太子だ。彼だって、王都とのやりとりはすぐにできる手段を持ち合わせているだろうに、そう言ったボブはけん制のつもりなのだろうか。
「必要となったときには、お願いします」
ランドルフは目を細めて答えた。
ウミネコはバサササッと飛び立っていく。そんな鳥を見送るシアだが、また誰かに見られているような感じがして振り返る。
やはり、ジェイラスだ。彼は慌てて視線を逸らした。
「では、次の場所へご案内いたします」
そうやってボブはモンクトン商会関係の市場や店舗などを、包み隠さずランドルフに案内した。
そのままモンクトンの屋敷へと向かう。ここで、晩餐という流れだ。
シアは、ほっと息をついた。なんとか必要な視察をすべて終えた。
「お疲れ様、シア。今日は本当にありがとう。私も晩餐会の準備に専念できたわ。商会の魔石の宣伝の場だから。いい感じにセッティングができたと思うのよね」
くすっと微笑んだコリンナは肩をすくめ、言葉を続ける。
「だから、失礼なことはないとは思うのだけれど……それでも不安よね……」
ランドルフ相手に不安になるのは、コリンナも同じだという事実にシアは安堵した。
「コリンナなら大丈夫ですよ。昨日と今日、私を励ましてくれたじゃないですか」
「そうね。ほんと、当事者になってシアの気持ちがよくわかったわ」
おどけた口調でほんの少し舌先を出すコリンナは、どこか憎めない。
「まま~」
シアが戻ったのを聞きつけたのか、ヘリオスが走ってきてひしっと抱きついてきた。
「リオは今日もお利口にしていたかしら?」
「リオ、おりこうよ。おうち、かえるよ」
いつもであればもっとシェリーと遊びたいと言うのに、ここ数日はシアにべったりのヘリオスだ。
「わかったわ、帰りましょう。だけどママ、この姿では帰れないから、お着替えが終わるまで待っていてね」
さすがにコリンナから借りたドレス姿のまま、外を出歩きたくない。このままでは変に目立ってしまう。
「コリンナ、ありがとう。これ、洗濯して返すわね」
「そうね。だけど、私は思ったの。そのドレス、シアには似合うけれど、私には似合わないの。だから今日、私が無理言って仕事を引き受けてくれた分、もらってくれない? あ、もちろん今日の仕事は契約外になるから、いつもの給金にも上乗せするわ」
「え?」
コリンナの突然の提案に、シアは目を丸くする。
「もしかして、シア。今日の王太子殿下の視察同行の件、仕事だとは思っていなかった?」
「あ、はい。そうですね」
「もう、しっかりしてちょうだい。シアは学校で教師をしているけれども、モンクトン商会の人間なのよ。商会に対してプラスの働きをしたのだから、きちんと報酬をもらう必要があるでしょう?」
まだ呆けているシアの肩をぽんぽんと叩いたコリンナだが、シアの着替えを手伝うようにと、使用人たちに指示を出していた。
着慣れぬドレスは一人で脱ぎ着ができないから、手伝ってもらえるのであれば助かる。
着替えを済ませたシアは、コリンナからドレスを受け取って帰ろうとするが、やはりヘリオスは不機嫌なままだった。
「申し訳ありません。大事なお話をされていたのに」
「いや……驚いただけですから。シア嬢は、子どもだけでなく鳥にも好かれているのですね」
ランドルフの言葉に「申し訳ありません……」と赤面しながら、シアは答えた。
「ええ、シアは伝書鳩も手懐けておりますから。必要であれば、王都への連絡はすぐにできますよ」
相手はこの国の王太子だ。彼だって、王都とのやりとりはすぐにできる手段を持ち合わせているだろうに、そう言ったボブはけん制のつもりなのだろうか。
「必要となったときには、お願いします」
ランドルフは目を細めて答えた。
ウミネコはバサササッと飛び立っていく。そんな鳥を見送るシアだが、また誰かに見られているような感じがして振り返る。
やはり、ジェイラスだ。彼は慌てて視線を逸らした。
「では、次の場所へご案内いたします」
そうやってボブはモンクトン商会関係の市場や店舗などを、包み隠さずランドルフに案内した。
そのままモンクトンの屋敷へと向かう。ここで、晩餐という流れだ。
シアは、ほっと息をついた。なんとか必要な視察をすべて終えた。
「お疲れ様、シア。今日は本当にありがとう。私も晩餐会の準備に専念できたわ。商会の魔石の宣伝の場だから。いい感じにセッティングができたと思うのよね」
くすっと微笑んだコリンナは肩をすくめ、言葉を続ける。
「だから、失礼なことはないとは思うのだけれど……それでも不安よね……」
ランドルフ相手に不安になるのは、コリンナも同じだという事実にシアは安堵した。
「コリンナなら大丈夫ですよ。昨日と今日、私を励ましてくれたじゃないですか」
「そうね。ほんと、当事者になってシアの気持ちがよくわかったわ」
おどけた口調でほんの少し舌先を出すコリンナは、どこか憎めない。
「まま~」
シアが戻ったのを聞きつけたのか、ヘリオスが走ってきてひしっと抱きついてきた。
「リオは今日もお利口にしていたかしら?」
「リオ、おりこうよ。おうち、かえるよ」
いつもであればもっとシェリーと遊びたいと言うのに、ここ数日はシアにべったりのヘリオスだ。
「わかったわ、帰りましょう。だけどママ、この姿では帰れないから、お着替えが終わるまで待っていてね」
さすがにコリンナから借りたドレス姿のまま、外を出歩きたくない。このままでは変に目立ってしまう。
「コリンナ、ありがとう。これ、洗濯して返すわね」
「そうね。だけど、私は思ったの。そのドレス、シアには似合うけれど、私には似合わないの。だから今日、私が無理言って仕事を引き受けてくれた分、もらってくれない? あ、もちろん今日の仕事は契約外になるから、いつもの給金にも上乗せするわ」
「え?」
コリンナの突然の提案に、シアは目を丸くする。
「もしかして、シア。今日の王太子殿下の視察同行の件、仕事だとは思っていなかった?」
「あ、はい。そうですね」
「もう、しっかりしてちょうだい。シアは学校で教師をしているけれども、モンクトン商会の人間なのよ。商会に対してプラスの働きをしたのだから、きちんと報酬をもらう必要があるでしょう?」
まだ呆けているシアの肩をぽんぽんと叩いたコリンナだが、シアの着替えを手伝うようにと、使用人たちに指示を出していた。
着慣れぬドレスは一人で脱ぎ着ができないから、手伝ってもらえるのであれば助かる。
着替えを済ませたシアは、コリンナからドレスを受け取って帰ろうとするが、やはりヘリオスは不機嫌なままだった。
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