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1 初恋と思い出
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高校生の頃の記憶に深く根付いている風景がある。
家に帰りたくなくて放課後退室ギリギリまでいた図書室で、いつも聞こえて来る歌があった。
風が本のページをいたずらして、風の行方に視線を向けた時、ふいに流れ込んで来た声。下手くそな音に紛れて聞こえて来る彼の歌は、とても心地の良いものではなかったけど、声質なのだろうか、静稀の中の何かを動かすには十分なものだった。
興味を覚えたら気になるもので、その声が同学年4人で結成しているバンドのものだと知る。静稀は進学に特化した特待生クラスにいたから、彼らとのクラスとは階が違う。接点なんてひとつもない彼らを知るのは、廊下を歩いて行く姿、登下校をしている姿、何らかの行事の時に遠くにいるなと確認するくらいのものだ。
でも忘れられない風景。彼の笑った顔、ツーブロックにした髪の上側の緩くウエーブ掛かった金髪の、風に動く柔らかそうな動き、背中に背負った大きなギターケース。それから少し癖のあるハスキーな歌声。
不思議なもので、毎日、一緒にいたクラスメイトの顔よりも、話したこともない彼の顔が、声が、静稀の中に居座っている。
それはもう遠い思い出に過ぎないのに。
◇◇◇
「ねえ、静稀(しずき)、バイト終わり、時間ある? ごはん食べに行かない?」
カフェのバイトは大学に入ってすぐに始めた。白シャツに黒いパンツ、黒いサロンエプロン。ごく一般的なカフェで、メインは深い焙煎にこだわった珈琲と、珈琲に合う軽食とドルチェ。朝8時に開店して14時まで、19時から深夜2時まではお酒が提供されるバーになる。
「ごめんね、今日は夜のバイトにも入るから。もし良かったらまた飲みに来て?」
静稀は大学の空き時間に、カフェメインの時間帯のバイトに入っているけど、20歳を過ぎてから、夜間の人手が足りない時は借り出されている。
「えーそうなの? 静稀、働きすぎだよぉ」
カウンターに座って珈琲を飲むこのお客は常連で、明らかに静稀目当てで通っている。お店の方針でお客と外で会うことを禁じられている。下手なトラブルを避ける為であるのは静稀も承知していて、こういったお誘いを受けるたびに断り続けているから、断り方も学んでいるが、いい加減にしてくれと思うのが本心だ。
「もう夏休みだからね、いろいろイベントがあるから、夜の方も忙しいみたいだよ」
夜間のバイトに出るのは本当だ。そういう日は断る文句に困らない。あとは別のバイトがあるとか、課題が終わらないとか、いろいろ文句は考えてある。でもシツコイ客はいるので、そういう客はブラックリストに挙げられていて、そういう相手が来た時、静稀は裏方に回る手はずになっていた。
「また言い寄られていたね」
厨房に入れば店長に言われる。
「良い男はつらいわね」
年上の仕事仲間の女性にからかわれる。それには苦笑で返した。
静稀の方は、自分が良い男だとは思えていない。静稀の自己判断は、ただ何もない、だ。
高校の頃にも付き合った女性がいた。最近まで付き合っていた女性もいる。告白されるのも相手で、振るのも相手だ。何を考えているのかわからない、本当に好きだと思っていてくれるの? が、どちらともの言い分だった。だから静稀の自己判定は、彼女らを楽しませる、喜ばせる、幸せにする。そういうスキルのない、何も持ち合わせていない、中身のない男だと思っている。
◇◇◇
昼の仕事を終え、夜間勤務もあるから、すぐにアパートに帰って仮眠を取る。
1Rの狭い部屋だけど、トイレと浴室は別だ。
中学の頃に両親が離婚をして、高校の頃は母親と団地に住んでいたけど、高校を卒業という節目で母親が再婚をした。大学からは一人暮らし。大学の費用も払ってもらった。でも仕送りは遠慮した。本当に困ったら連絡するという形を取らせてもらっている。だからバイトを掛け持ちして稼いでいる。平日の夜は週2で家庭教師のバイト。そちらの方が収入が良い。たまに夕飯も用意してもらえるから、生活費の節約にもなっている。
昼間に働いていたから、夜間のバイトは10時まで。
最寄り駅に近いけど裏通りにあるこの店は、ライブハウスとスタジオが近いせいもあって、若者が多く集う店だ。壁際にギターケースが置かれていることが多くて、それを見るたび、彼の顔を思い出す。それもきっと美化されている。風が吹く教室の廊下、温かな日差しの中で、笑っている彼の姿。ただその一場面が繰り返されている。
「なあ、静稀さんって大学文系だろ? 歌詞、書けねえの?」
カウンターで飲んでいる常連客が静稀に話しかけて来た。彼は近くのライブハウスに出演しているバンドのベーシストで、タカシと呼ばれている。バンドの作詞作曲も担当しているらしい。今日は小さなメモ帳を開いて、ずっと何か悩んでいる様子を見せていた。
「俺は無理だな。元々、音楽を聴く習慣がないからね」
「えー好きなアーティストとかもねえの?」
そんなに驚くことかな? と思いながらも、静稀はうっすらと笑んだ表情を保った。
「趣味が読書だからね、読書をしながら音楽を聴くのは難しいかな。ああ、でも学生の頃、軽音部なのかな、遠くから聞こえてくる歌があって、その歌詞を覚えてしまって、気になって調べたことはあったよ」
そう言いながら過去を思い出し、小さく笑った。
笑う静稀が珍しかったのか、タカシはぽかんとして静稀を見ている。静稀はそれを見て冷静を装う。
「焼肉が食べたいっていう内容の時があって、それはさすがにネット情報にはなくてね、オリジナルなのかなって思ったことがあった」
「それ、俺、知ってるよ」
タカシは、静稀の笑いの意味がわかったと、同調して笑っている。
「焼肉の歌だろ? 同じライブハウスで出てたバンドの曲だ。聞いたことあるよ。焼肉の部位を並べていく歌なんて珍しいからさ、笑い取る感じ? バンドの色としては珍しいだろ? たぶん同じヤツだと思うな」
タカシは普通に返して来たけど、静稀の心の中は穏やかではない。とたんに早鐘を打つ鼓動をどう隠せば良いのかと、カウンター内の客に見えない位置で、手を強く握った。
「あーでも最近解散したかもしれねえな。なんかバンド内で喧嘩してもめてたはずだから、もう聴けねえかもな」
「……そうなんだ。残念だな。あれは面白かったなって記憶にあるから、もう一度、聴いてみたかったよ」
持ち上げられて、落とされた。そんな気分を味わう。
「なんだ、バンドに興味あるなら、ライブハウス来てみれば良いのに。あいつらも別のバンド組んで、ステージに立ってるかもしれねえよ?」
「ああ、そうだね、それも良いかもしれないね」
静稀は心ここにあらずで返事をしていた。
遠い昔の面影の欠片を、目の前に提示されただけで動揺する自分の心がわからない。
ただの一度も話したことがない。視線を合わせたことすらない。
ただの残像に過ぎないのに。
家に帰りたくなくて放課後退室ギリギリまでいた図書室で、いつも聞こえて来る歌があった。
風が本のページをいたずらして、風の行方に視線を向けた時、ふいに流れ込んで来た声。下手くそな音に紛れて聞こえて来る彼の歌は、とても心地の良いものではなかったけど、声質なのだろうか、静稀の中の何かを動かすには十分なものだった。
興味を覚えたら気になるもので、その声が同学年4人で結成しているバンドのものだと知る。静稀は進学に特化した特待生クラスにいたから、彼らとのクラスとは階が違う。接点なんてひとつもない彼らを知るのは、廊下を歩いて行く姿、登下校をしている姿、何らかの行事の時に遠くにいるなと確認するくらいのものだ。
でも忘れられない風景。彼の笑った顔、ツーブロックにした髪の上側の緩くウエーブ掛かった金髪の、風に動く柔らかそうな動き、背中に背負った大きなギターケース。それから少し癖のあるハスキーな歌声。
不思議なもので、毎日、一緒にいたクラスメイトの顔よりも、話したこともない彼の顔が、声が、静稀の中に居座っている。
それはもう遠い思い出に過ぎないのに。
◇◇◇
「ねえ、静稀(しずき)、バイト終わり、時間ある? ごはん食べに行かない?」
カフェのバイトは大学に入ってすぐに始めた。白シャツに黒いパンツ、黒いサロンエプロン。ごく一般的なカフェで、メインは深い焙煎にこだわった珈琲と、珈琲に合う軽食とドルチェ。朝8時に開店して14時まで、19時から深夜2時まではお酒が提供されるバーになる。
「ごめんね、今日は夜のバイトにも入るから。もし良かったらまた飲みに来て?」
静稀は大学の空き時間に、カフェメインの時間帯のバイトに入っているけど、20歳を過ぎてから、夜間の人手が足りない時は借り出されている。
「えーそうなの? 静稀、働きすぎだよぉ」
カウンターに座って珈琲を飲むこのお客は常連で、明らかに静稀目当てで通っている。お店の方針でお客と外で会うことを禁じられている。下手なトラブルを避ける為であるのは静稀も承知していて、こういったお誘いを受けるたびに断り続けているから、断り方も学んでいるが、いい加減にしてくれと思うのが本心だ。
「もう夏休みだからね、いろいろイベントがあるから、夜の方も忙しいみたいだよ」
夜間のバイトに出るのは本当だ。そういう日は断る文句に困らない。あとは別のバイトがあるとか、課題が終わらないとか、いろいろ文句は考えてある。でもシツコイ客はいるので、そういう客はブラックリストに挙げられていて、そういう相手が来た時、静稀は裏方に回る手はずになっていた。
「また言い寄られていたね」
厨房に入れば店長に言われる。
「良い男はつらいわね」
年上の仕事仲間の女性にからかわれる。それには苦笑で返した。
静稀の方は、自分が良い男だとは思えていない。静稀の自己判断は、ただ何もない、だ。
高校の頃にも付き合った女性がいた。最近まで付き合っていた女性もいる。告白されるのも相手で、振るのも相手だ。何を考えているのかわからない、本当に好きだと思っていてくれるの? が、どちらともの言い分だった。だから静稀の自己判定は、彼女らを楽しませる、喜ばせる、幸せにする。そういうスキルのない、何も持ち合わせていない、中身のない男だと思っている。
◇◇◇
昼の仕事を終え、夜間勤務もあるから、すぐにアパートに帰って仮眠を取る。
1Rの狭い部屋だけど、トイレと浴室は別だ。
中学の頃に両親が離婚をして、高校の頃は母親と団地に住んでいたけど、高校を卒業という節目で母親が再婚をした。大学からは一人暮らし。大学の費用も払ってもらった。でも仕送りは遠慮した。本当に困ったら連絡するという形を取らせてもらっている。だからバイトを掛け持ちして稼いでいる。平日の夜は週2で家庭教師のバイト。そちらの方が収入が良い。たまに夕飯も用意してもらえるから、生活費の節約にもなっている。
昼間に働いていたから、夜間のバイトは10時まで。
最寄り駅に近いけど裏通りにあるこの店は、ライブハウスとスタジオが近いせいもあって、若者が多く集う店だ。壁際にギターケースが置かれていることが多くて、それを見るたび、彼の顔を思い出す。それもきっと美化されている。風が吹く教室の廊下、温かな日差しの中で、笑っている彼の姿。ただその一場面が繰り返されている。
「なあ、静稀さんって大学文系だろ? 歌詞、書けねえの?」
カウンターで飲んでいる常連客が静稀に話しかけて来た。彼は近くのライブハウスに出演しているバンドのベーシストで、タカシと呼ばれている。バンドの作詞作曲も担当しているらしい。今日は小さなメモ帳を開いて、ずっと何か悩んでいる様子を見せていた。
「俺は無理だな。元々、音楽を聴く習慣がないからね」
「えー好きなアーティストとかもねえの?」
そんなに驚くことかな? と思いながらも、静稀はうっすらと笑んだ表情を保った。
「趣味が読書だからね、読書をしながら音楽を聴くのは難しいかな。ああ、でも学生の頃、軽音部なのかな、遠くから聞こえてくる歌があって、その歌詞を覚えてしまって、気になって調べたことはあったよ」
そう言いながら過去を思い出し、小さく笑った。
笑う静稀が珍しかったのか、タカシはぽかんとして静稀を見ている。静稀はそれを見て冷静を装う。
「焼肉が食べたいっていう内容の時があって、それはさすがにネット情報にはなくてね、オリジナルなのかなって思ったことがあった」
「それ、俺、知ってるよ」
タカシは、静稀の笑いの意味がわかったと、同調して笑っている。
「焼肉の歌だろ? 同じライブハウスで出てたバンドの曲だ。聞いたことあるよ。焼肉の部位を並べていく歌なんて珍しいからさ、笑い取る感じ? バンドの色としては珍しいだろ? たぶん同じヤツだと思うな」
タカシは普通に返して来たけど、静稀の心の中は穏やかではない。とたんに早鐘を打つ鼓動をどう隠せば良いのかと、カウンター内の客に見えない位置で、手を強く握った。
「あーでも最近解散したかもしれねえな。なんかバンド内で喧嘩してもめてたはずだから、もう聴けねえかもな」
「……そうなんだ。残念だな。あれは面白かったなって記憶にあるから、もう一度、聴いてみたかったよ」
持ち上げられて、落とされた。そんな気分を味わう。
「なんだ、バンドに興味あるなら、ライブハウス来てみれば良いのに。あいつらも別のバンド組んで、ステージに立ってるかもしれねえよ?」
「ああ、そうだね、それも良いかもしれないね」
静稀は心ここにあらずで返事をしていた。
遠い昔の面影の欠片を、目の前に提示されただけで動揺する自分の心がわからない。
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