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蜜月
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「こんなの無理! 死んじゃう!」
次の日の朝、すっかり体を清められた状態で目覚めたミコトだったが、体が痺れて動けず、酒で頭痛を伴うという最悪な状態だった。
「わるかったな、だがミコトが望んだのだろう? 愛のあるセックスだったか?」
「そんなの最初だけだろ? いくら何でもヤリすぎだろっ? そりゃあヤリたいって言ったの俺だけど……でも限度があるだろ?」
「わかったが、嫉妬させたおまえが悪いのだろう? 俺から逃げて、別の黒竜となどと聞かされたら気が狂う。黒竜はどの竜よりも独占欲が強いんだ」
「それは! ツィが俺を捨てたせいだろ? 俺のこと、好きでもない態度だったじゃないか! それにあれは、別にそういうんじゃないし……」
「そういうのとは?」
人用の頭痛薬をミコトの口に入れ、口移しで水を飲ませる。ツヴァイの甲斐甲斐しさはミコトにも発揮されている。
「ありがと、ってだから、あれはカレンの卵を産ませる為に協力したアイが可哀想だから相手をしてやっただけで、他意はないし。……そんなこと言うけどさ、俺の体、こんなんにしたの、ツィだろ? ……つらいの、わからないのか? ずっとひとりにされて、体だけ疼くの、もう嫌だって……」
ツヴァイがキスをする。呼吸を奪うようなキスだが、誤魔化すつもりが見え見えだ。
「ん、んんんんん、もう、こんな時ばっかり! ホント、次はねえからな」
「わかった、これから一緒に暮らすんだろ? 体が疼いたらすぐに抱いてやる。だから浮気はするな、他の竜に触れるな、話しもするな」
「は? 厳しすぎねえ?」
ミコトは飽きれる。最初の出会いからヤルだけの相手だった。話はするけどミコトがほとんど話していて、ツヴァイは興味もなさげだった。それなのにこの態度の違いは何だとミコトは思う。
「シャルとカレンは許してやる。だが他はいらないだろ? 違うか?」
「あーもう、極端だって! そんなんだと早く飽きるんじゃねえの?」
ミコトが憤慨すると、ツヴァイは甘い表情で頬を撫でて来る。
「おまえは飽きるのか?」
熱いまなざしで見られて、ミコトはテレてそっぽを向く。そっぽを向くと、許さないとツヴァイの手が頬に置かれ、引き寄せられて唇を撫でられた。
「……飽きねえけどさ」
「だったら良い」
唇を寄せられて、観念したミコトは薄く唇を開く。それを合図にしたように、ツヴァイの舌が唇を割って中に入って来る。ずるいと思う。動けないくらい抱かれて、甘やかされて、なのにまだ甘やかそうとするツヴァイの愛は底なしだ。だけどミコトは満たされている。隙間だらけで穴あきだった心が、底なしに愛されてやっと満たされていることに気づいた。
次の日の朝、すっかり体を清められた状態で目覚めたミコトだったが、体が痺れて動けず、酒で頭痛を伴うという最悪な状態だった。
「わるかったな、だがミコトが望んだのだろう? 愛のあるセックスだったか?」
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「わかったが、嫉妬させたおまえが悪いのだろう? 俺から逃げて、別の黒竜となどと聞かされたら気が狂う。黒竜はどの竜よりも独占欲が強いんだ」
「それは! ツィが俺を捨てたせいだろ? 俺のこと、好きでもない態度だったじゃないか! それにあれは、別にそういうんじゃないし……」
「そういうのとは?」
人用の頭痛薬をミコトの口に入れ、口移しで水を飲ませる。ツヴァイの甲斐甲斐しさはミコトにも発揮されている。
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ツヴァイがキスをする。呼吸を奪うようなキスだが、誤魔化すつもりが見え見えだ。
「ん、んんんんん、もう、こんな時ばっかり! ホント、次はねえからな」
「わかった、これから一緒に暮らすんだろ? 体が疼いたらすぐに抱いてやる。だから浮気はするな、他の竜に触れるな、話しもするな」
「は? 厳しすぎねえ?」
ミコトは飽きれる。最初の出会いからヤルだけの相手だった。話はするけどミコトがほとんど話していて、ツヴァイは興味もなさげだった。それなのにこの態度の違いは何だとミコトは思う。
「シャルとカレンは許してやる。だが他はいらないだろ? 違うか?」
「あーもう、極端だって! そんなんだと早く飽きるんじゃねえの?」
ミコトが憤慨すると、ツヴァイは甘い表情で頬を撫でて来る。
「おまえは飽きるのか?」
熱いまなざしで見られて、ミコトはテレてそっぽを向く。そっぽを向くと、許さないとツヴァイの手が頬に置かれ、引き寄せられて唇を撫でられた。
「……飽きねえけどさ」
「だったら良い」
唇を寄せられて、観念したミコトは薄く唇を開く。それを合図にしたように、ツヴァイの舌が唇を割って中に入って来る。ずるいと思う。動けないくらい抱かれて、甘やかされて、なのにまだ甘やかそうとするツヴァイの愛は底なしだ。だけどミコトは満たされている。隙間だらけで穴あきだった心が、底なしに愛されてやっと満たされていることに気づいた。
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