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1章
6 可愛いしかない
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真新しい衣服に着替えたニアは、膝をついた場所に再度、座っていた。
「おいで」
部屋の中に声を掛けると、すぐに立ち上がったニアが歩いて来て志津木の前に立った。志津木は身長175センチ。ニアの方が高い。ガタイもニアの方が良い。肩幅が違うのかと観察しながら、ニアの黒くて重そうな首輪を外した。外しながらニアの顔を確認したのは、首輪を外す意味が獣人には自由に映る為だ。初対面だ。ニアが何を思い、どう行動するのか分からない。ただ戦闘経験のある志津木だから、武器を持たないニアに負ける気が無く、そこはクリスが安心してニアを置き去りにした理由でもある。
「なるべく軽くて見た目の良い、負担の少ないものにしたけど、アレルギーもあるしね、痒かったり、痛かったりしたら教えるんだよ」
首輪というよりはチョーカーだ。覚悟を決める為にハイブランドを用意した。仕事柄、要人のパーティーへ連れて行く事も考えられる。細い革が二重に巻き、シルバーの輪が付いている。そこにタグを付けるのだが、志津木はタグ用の鎖も用意していた。
「よく似合うよ」
ポンポンと鎖骨あたりを叩いて、笑んで見せる。自分専用の獣人、主従関係、なるほど、少し気が大きくなる気持ちも分かる。背中に傷を付けたいとは思わないが。
「座って」
ソファよりもキッチンのテーブルに付かせた志津木は、様子を見ながら座るニアの前に、用意しておいた食事を温め直し、置いた。
「食べよう?」
向かいの席に座った志津木は、自分だけのものだった部屋が、ニアの存在だけでこうも変わるのかと認識する。友人が飲みに来るから、キッチンのテーブルは四人用だ。でも家族を想定した事はない。家族関係になるのが志津木の理想だ。実際に弟がいる。高校を出てから会っていないが、連絡がないのは元気な証拠だと思っている。
「好き嫌いはある? 何が好き?」
問いかけに答えない所か、箸を持とうともしない。じっと手元を見られて、ああ、と思う。席を立ってフォークとスプーンを用意した。箸を使うのはアジア人特有で、大陸にいたというニアには馴染みがないだろう。
「ありがとうございます」
おずおずと礼を言われ、志津木はキュンとする。正直可愛い。自分の選んだ服を着て、行動の全てを志津木に委ね、しかも見た目がタイプと来れば、とりあえず内面を知らない今は可愛いしか思えない。人ではこうは行かない。獣人であればこそなんだろうと噛み締める。背に埋め込まれたチップには人を襲えない暗示機能がある。他にも幾つか掛けられている。興奮を抑えるとか人に逆らわないとか。完全な抑制にはならないらしいが、多少は抑制されているのだと思うと、この従順さが本来のニアではないと思うのだが、チップを外す事はないので、これがニアだと認識すれば良いのか、判断に困る。
「おいで」
部屋の中に声を掛けると、すぐに立ち上がったニアが歩いて来て志津木の前に立った。志津木は身長175センチ。ニアの方が高い。ガタイもニアの方が良い。肩幅が違うのかと観察しながら、ニアの黒くて重そうな首輪を外した。外しながらニアの顔を確認したのは、首輪を外す意味が獣人には自由に映る為だ。初対面だ。ニアが何を思い、どう行動するのか分からない。ただ戦闘経験のある志津木だから、武器を持たないニアに負ける気が無く、そこはクリスが安心してニアを置き去りにした理由でもある。
「なるべく軽くて見た目の良い、負担の少ないものにしたけど、アレルギーもあるしね、痒かったり、痛かったりしたら教えるんだよ」
首輪というよりはチョーカーだ。覚悟を決める為にハイブランドを用意した。仕事柄、要人のパーティーへ連れて行く事も考えられる。細い革が二重に巻き、シルバーの輪が付いている。そこにタグを付けるのだが、志津木はタグ用の鎖も用意していた。
「よく似合うよ」
ポンポンと鎖骨あたりを叩いて、笑んで見せる。自分専用の獣人、主従関係、なるほど、少し気が大きくなる気持ちも分かる。背中に傷を付けたいとは思わないが。
「座って」
ソファよりもキッチンのテーブルに付かせた志津木は、様子を見ながら座るニアの前に、用意しておいた食事を温め直し、置いた。
「食べよう?」
向かいの席に座った志津木は、自分だけのものだった部屋が、ニアの存在だけでこうも変わるのかと認識する。友人が飲みに来るから、キッチンのテーブルは四人用だ。でも家族を想定した事はない。家族関係になるのが志津木の理想だ。実際に弟がいる。高校を出てから会っていないが、連絡がないのは元気な証拠だと思っている。
「好き嫌いはある? 何が好き?」
問いかけに答えない所か、箸を持とうともしない。じっと手元を見られて、ああ、と思う。席を立ってフォークとスプーンを用意した。箸を使うのはアジア人特有で、大陸にいたというニアには馴染みがないだろう。
「ありがとうございます」
おずおずと礼を言われ、志津木はキュンとする。正直可愛い。自分の選んだ服を着て、行動の全てを志津木に委ね、しかも見た目がタイプと来れば、とりあえず内面を知らない今は可愛いしか思えない。人ではこうは行かない。獣人であればこそなんだろうと噛み締める。背に埋め込まれたチップには人を襲えない暗示機能がある。他にも幾つか掛けられている。興奮を抑えるとか人に逆らわないとか。完全な抑制にはならないらしいが、多少は抑制されているのだと思うと、この従順さが本来のニアではないと思うのだが、チップを外す事はないので、これがニアだと認識すれば良いのか、判断に困る。
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