あの~、ちょっといいですか?

佐土原いづる

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それぞれの戦い編

エンシの戦い、その1

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ハイウェルさんと一緒に豪華な馬車に乗って城に向かっている。うーん、どう考えても扱いが良すぎると思うんだよなぁ。さっき話をしてみてもすごい良い人みたいだったし、何を考えてるんだろう。

「あの~、ちょっといいですか?」

「うん? どうした」

「そもそも災いをもたらす者というのは、どういう災いをもたらすんでしょうか?」

「私にも詳しいことはわからない。だが、今までこの国を裏で支えてきた占い師が言うには、世界を滅ぼしかねない危険な存在ということらしい。」

「はぁ。もっとこう、具体的にわからなかったんでしょうか? ここに特徴があるーとかわかれば、こんなに人を殺さなくたって、、」

「うむ。確かにそうなのだが、今は災いをもたらす者の反応がかなり弱いらしい。今のままであれば問題は無いそうなのだが、占いではその者がいずれこの世界の脅威となるらしいのだ。」

なるほど、少しだがもやもやしていることに納得がいった。本当に俺がそうなのだとしたら、俺の中にすごい力が眠っているというアツい展開なんだけど、その前に死ぬんじゃなぁ。

「はぁ。アーヤ、、」つい弱音を吐いてしまう。周りは敵しかいない、何の力も持たない俺が暴れたってぷちっと潰されて終わりだ。1人の時と同じくらいツライ、、

気を紛らわすために外を眺める。思った異世界ライフと違うんですが、神よ・・・

その後は知らない街で一泊して、城に到着したのだが、特に何も起こらなかった。相変わらず俺の待遇は良く、食べ物、寝床、どれも今までで一番豪華だった。ハイウェルさんが言うには、死ぬ前の晩餐ということらしい。

道中死体をちらほら見かけた、これが暴動というやつなのだろうか、俺のせいでたくさんの人が死んでしまったのだろう、、俺が災いをもたらす者では無いという可能性はなくは無いが、この時の俺は自分がそうであると思い込んでいた。

城に到着。ハイウェルさんの後に続き、国王の前に立たされる。周りは帝国兵で囲まれている、余計な動きをしたら一瞬で矢の雨を浴びることになるだろう。

「国王、災いをもたらす者と思しき男を連れてまいりました。」ハイウェルさんがひざまづく

「ほう、お前が災いをもたらす者か。お前のせいでこの世界は危険に晒され、お前を探すために多くの民、我が兵の命を失った。その罪は万死に値する、せめて一人でも多くの民の憎しみを背負って死んでくれ。」

冷たいで済まされるのだろうか、今まで見たことのない目で見られながら、日本では考えられない言葉を受ける。ここまで絶対的な悪になるなんて、俺は今世界の敵だ。

「まだ、この者が災いをもたらす者か決まったわけではありません。この後占い師に確認させ、もし違う場合は釈放します。」

「ふん、どっちでも構わん。災いをもたらす者が一人だということなど誰も知るまい。この者を処刑すれば、少しは民の憎しみが減るだろう。牢に入れておけ」

「・・・っ! は!」ハイウェルさんが了承する

『こいっつ!!!』国王を睨みつける

「ははは! いくらあがこうがお前の死は決定事項だ、せいぜい震えて眠るがいい!」奴が俺を嘲り笑う

「さぁ、行くぞ」ハイウェルさんに言われ謁見室を出る

・・・・あいつだけは絶対に許さん!人をゴミだと思ってやがる。何とかしてもう1度会って、刺し違えてでも殺してやる! 

「お前の気持ちは良く分かる。だが、ここは落ち着いて欲しい。今から占い師に会う、お前にとってとても大事な話だ。」ハイウェルさんが俺の雰囲気を察したのか、小声で話しかけてきた。

『何を言ってんだ! 適当な事をぬかしたクソ占い師が! 会ったらただじゃ置かねぇ、手の1本でも持って行ってやるぞ!!』占い師も国王同様、人をゴミと思ってるような顔をしたじじいに違いない! 

人生初の殺意に震えが止まらない。こんな状況でもまんまと無抵抗でついていく自分の弱さが嫌になる・・・

どうやら占い師の部屋に着いたらしい、ハイウェルさんが立ち止まる

「ここからは占い師の部屋だ。国王の側近以上の人間にしか入れん。お前たちは下がれ。」後ろから付いてきていた兵士を下げさせる。

ガチャ

扉を開くと、なるほど占い師っぽい部屋だ。独特な雰囲気、山積みの本、よく分からない道具が散らかっている。さぁ、顔を見せろ!

「リンネ様、大変お待たせ致しました。救世主を連れて参りました。」

「お待ちしておりました。救世主さま。」

???

目の前のとんでも美女が俺に笑顔でそう言った

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