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それぞれの戦い編
エンシの決意
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「俺は、みんなの期待に応えることができるんですか?」
「うーん・・・」ハイウェルさんが口を開く
「確かに私は君が国を救うことを期待している。でも正直信じられないのが本音だ。体つきもたくましいわけではないし、戦ったこともないんだろう?見てればわかる」
「はい、俺はとても平和なところから来ました。人が殺しあうところなんて見たこともなくて、今でもどこかで夢なんじゃないかって思ってます。」
「そうか。確かに今の君じゃとてもじゃないがこの国を救うことは無理だ、もしかすると力が目覚めてもダメかもしれない。でも、今の私はリンネ様を信じている。彼女は昔から代々この国を導いてきた家系のお方、この国が今までやってこれたのはリンネ様を含む占い師のおかげだ。彼女が、救世主が国を救うと言い、君を救世主だと言った。私は君を選んだリンネ様を信じている。」
「そんなにすごい人なんですね、リンネ様って」
「あぁ、私も初めて会ったときは半信半疑だったよ。でも彼女の人柄、占いが国を導いていく様を近くで見ていて確信に変わった。彼女は本物だ。」
「頭がついていかないですよ・・・俺はついこの間まで、朝テキトーに起きて、身の危険を一切感じずに働いて、帰って寝る。これしかやってなかった男です。国の事なんて考えたこと無い、国のトップが変わるって言われて、国を動かしていく人が変わるって言われて、ふ~んとしか思わない。そんな人間ですよ、、」
「君は羨ましいほど良い国から来たようだ。この国は人同士の争いは少ない方だ。たまたま君が来た時にこんな事が起きてしまっているが。それ以外にも野獣の恐怖がある、人口もなかなか増えないのが現実だ。そういえば、これを返すのを忘れていた。」
ハイウェルさんがスマホを渡してくれた
「いいんですか? 返して」
「あぁ、この国に使える人間はいない。君もわかってたんだろう?」
「実は、そうです」この人はなんでもお見通しだ
「君の世界はここより進んだ文明を持っている。それも平和だからこそ。この世界には必要とならないものだ。」
「それは旅をしていて思いました。でも、この世界の人々は生きる力がとても強いと思います。みんなが必死に生きてて、幸せそうに見えました」
「君から見るとそうかもしれないな。こっちのみんなも自分が生きるので精一杯なのは変わらないよ、ただこの国の人々はこの国が良くなることを期待しているんだよ。君の世界は満たされているのではないのか?」
「その通りです。よくわかりますね」
「君を見ていればなんとなく分かる。君の様々な仕草、言葉。今の君は、君が来た世界でできているからね」
「話を戻そう。君は自分に自信が無いと言っていたが、私にとってそれはあまり問題ではないのだよ」
「何故です? 俺が世界を救えなかったら、みなさんが命を危険に晒してまで俺にやってくれることが全部無駄になるんですよ?」
「そうなるな。でも今の君はこの国をなんとかしようと思ってくれている」
「え?」
「先ほども話したが、君はこの国には全く関係の無い人間だった。平和な世界にいて、多少気苦労はあるにしても、争いが無い、危険が無い世界で生きていた。でも、いきなりこんな所に突然飛ばされて、なんとか生きるためにここまで旅をしてきて、救世主だ、この国を救えと言われて。君はこの国を救うための自信が無いと言ってくれている。それがどんなにありがたい事か、わかるかね?」
「そう言われてみれば、、確かに」
「私が君に望むことは1つ。君の力を、この国の為に使おうとしてくれること。それだけだ」
「負けても構わないと?」
「負けろとは言わないが、負けてしまっても真実を知る人間が君を責めることはない。それ以上を望むのは、この世界に来たばかりの君に申し訳ないよ」
「うーん、、」
「その点において、国王が自分の力でなんとかしようとしている事は悪いことではないんだ。ただ、やり方が著しく間違っている。別に、救世主が国を救ったからといって、王の座が奪われることは無いだろうに。」
「たったこれだけの期間でも、君にはこの世界で大切だと思える人ができたんだろう? 私が言ってしまうのは良くないかもしれないが、あまり深く考えすぎず、その人を守るために力を使ってくれれば良いさ」
「わかりました。引っかかってたものが少し取れた気がします。俺がこの世界に来た意味があるというのなら、誰かのために使いたいと思います」
「そうしてくれると助かる。その前にこの城から脱出しないとな、君を行かせるためであれば私は命を落としても構わないと思っている。その代わり、リンネ様を頼みたい。あの方はまだこの国に、そして君を導くためにも必要な方だ。彼女も君と一緒に脱出してもらう。」
「わかりました!」
「じゃあ、私はこれで失礼するよ。当日は安心してくれて良い、必ず想い人のもとに連れて行こう」
ハイウェルさんが出て行った。
『そんな事言われて、逃げれるわけねぇじゃん!』
勝負の時が始まる
「うーん・・・」ハイウェルさんが口を開く
「確かに私は君が国を救うことを期待している。でも正直信じられないのが本音だ。体つきもたくましいわけではないし、戦ったこともないんだろう?見てればわかる」
「はい、俺はとても平和なところから来ました。人が殺しあうところなんて見たこともなくて、今でもどこかで夢なんじゃないかって思ってます。」
「そうか。確かに今の君じゃとてもじゃないがこの国を救うことは無理だ、もしかすると力が目覚めてもダメかもしれない。でも、今の私はリンネ様を信じている。彼女は昔から代々この国を導いてきた家系のお方、この国が今までやってこれたのはリンネ様を含む占い師のおかげだ。彼女が、救世主が国を救うと言い、君を救世主だと言った。私は君を選んだリンネ様を信じている。」
「そんなにすごい人なんですね、リンネ様って」
「あぁ、私も初めて会ったときは半信半疑だったよ。でも彼女の人柄、占いが国を導いていく様を近くで見ていて確信に変わった。彼女は本物だ。」
「頭がついていかないですよ・・・俺はついこの間まで、朝テキトーに起きて、身の危険を一切感じずに働いて、帰って寝る。これしかやってなかった男です。国の事なんて考えたこと無い、国のトップが変わるって言われて、国を動かしていく人が変わるって言われて、ふ~んとしか思わない。そんな人間ですよ、、」
「君は羨ましいほど良い国から来たようだ。この国は人同士の争いは少ない方だ。たまたま君が来た時にこんな事が起きてしまっているが。それ以外にも野獣の恐怖がある、人口もなかなか増えないのが現実だ。そういえば、これを返すのを忘れていた。」
ハイウェルさんがスマホを渡してくれた
「いいんですか? 返して」
「あぁ、この国に使える人間はいない。君もわかってたんだろう?」
「実は、そうです」この人はなんでもお見通しだ
「君の世界はここより進んだ文明を持っている。それも平和だからこそ。この世界には必要とならないものだ。」
「それは旅をしていて思いました。でも、この世界の人々は生きる力がとても強いと思います。みんなが必死に生きてて、幸せそうに見えました」
「君から見るとそうかもしれないな。こっちのみんなも自分が生きるので精一杯なのは変わらないよ、ただこの国の人々はこの国が良くなることを期待しているんだよ。君の世界は満たされているのではないのか?」
「その通りです。よくわかりますね」
「君を見ていればなんとなく分かる。君の様々な仕草、言葉。今の君は、君が来た世界でできているからね」
「話を戻そう。君は自分に自信が無いと言っていたが、私にとってそれはあまり問題ではないのだよ」
「何故です? 俺が世界を救えなかったら、みなさんが命を危険に晒してまで俺にやってくれることが全部無駄になるんですよ?」
「そうなるな。でも今の君はこの国をなんとかしようと思ってくれている」
「え?」
「先ほども話したが、君はこの国には全く関係の無い人間だった。平和な世界にいて、多少気苦労はあるにしても、争いが無い、危険が無い世界で生きていた。でも、いきなりこんな所に突然飛ばされて、なんとか生きるためにここまで旅をしてきて、救世主だ、この国を救えと言われて。君はこの国を救うための自信が無いと言ってくれている。それがどんなにありがたい事か、わかるかね?」
「そう言われてみれば、、確かに」
「私が君に望むことは1つ。君の力を、この国の為に使おうとしてくれること。それだけだ」
「負けても構わないと?」
「負けろとは言わないが、負けてしまっても真実を知る人間が君を責めることはない。それ以上を望むのは、この世界に来たばかりの君に申し訳ないよ」
「うーん、、」
「その点において、国王が自分の力でなんとかしようとしている事は悪いことではないんだ。ただ、やり方が著しく間違っている。別に、救世主が国を救ったからといって、王の座が奪われることは無いだろうに。」
「たったこれだけの期間でも、君にはこの世界で大切だと思える人ができたんだろう? 私が言ってしまうのは良くないかもしれないが、あまり深く考えすぎず、その人を守るために力を使ってくれれば良いさ」
「わかりました。引っかかってたものが少し取れた気がします。俺がこの世界に来た意味があるというのなら、誰かのために使いたいと思います」
「そうしてくれると助かる。その前にこの城から脱出しないとな、君を行かせるためであれば私は命を落としても構わないと思っている。その代わり、リンネ様を頼みたい。あの方はまだこの国に、そして君を導くためにも必要な方だ。彼女も君と一緒に脱出してもらう。」
「わかりました!」
「じゃあ、私はこれで失礼するよ。当日は安心してくれて良い、必ず想い人のもとに連れて行こう」
ハイウェルさんが出て行った。
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勝負の時が始まる
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