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片思いフレンズ 序章
番外編 You stole my heart.
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今からだいたい4年半前、私にとって人生が大きく変わったのがちょうどこの頃だと思う。
小学校に入学した頃から両親の都合で転校ばかりしていた私は、友達ができた途端に転校なんてこともあった。だから転校先で仲のいい子なんていなかった。
最初は転校生だからってクラスの注目の的になっていたけど、人と話すことが苦手な私なんてスグに興味を失われた。
だから私は、少しでも注目してほしいから必死で勉強した。成績が良かったらきっとみんな私にまた話しかけてくれるに違いない。だから毎年返ってくる通知表は、3段階評価でオール3以外取ったことなかった。
小学6年生の時、もうすぐ卒業だという時に父親の仕事がやっと安定したらしく、もう引っ越さなくていいと言われた。
その時、私は父親に向かって喚き散らしてしまった。
遅すぎる。
中学校に行ったらいくらでも友達が出来るとなだめられたが、中学校に行ったって小学校の時から仲良いい子で固まるに決まってる。それに自分の性格ではカンタンに友達なんて出来っこない。
自分がどれだけ辛かったのかを喚き散らした挙句、私は勢いのまま家出してしまった。
駅前の広場に出てきたところで、私はそのことに後悔した。
帰りたくなったと思う。でも今家に帰ったって怒られる。しかし、これから行くあてなんてない。どうしよう。これからの事なんて考えてなかった。
私がボーッと立ち尽くしていると、肩に買い物袋をかけて近所のスーパーのチラシとにらめっこしながら歩いている男の子を見かけた。
見る限り歳は私と変わらないくらいなのに、なんだかお母さんみたい。
「今日はこんなもんでいいか……。冷蔵庫にあるものとかを考えると、今日の晩メシはチャーハンだな……」
「ぐうぅ~」
チャーハンなんて単語を聞いて思わずお腹が鳴った。
男の子が私の方を見てクスッと笑った。
恥ずかしい~。
でも、私はここで自分にある提案をしてみた。この子を頼ってみたらどうだろうか。
男の子と話すのは苦手だから一瞬ためらったけど、思い切って言ってみた。
「あの、私をあなたの家に泊めてくれませんか? お願いしますっ」
ちょっと間があった。急にそんなこと言われて戸惑わない人なんていないだろう。
男の子はしばらく迷ったような表情をすると、
「いいぜ。ついて来いよ」
あっけなくオーケーしてくれた。
その人の家は駅前の広場から10分ちょっとしたところにある坂の上のマンションだった。
「親は仕事で海外に行ってるんだ。だからここに住んでるのは俺1人。そんなに気を使わなくていいぞ」
それであんなお母さんみたいなことをしてたんだ……。
彼といるとなんだかとっても安心出来る。お父さんと一緒にいるみたい。
私はフカフカそうなソファに座った。
「あ、もうすぐ晩メシなんだけどなにが食べたい? 」
ご飯も彼が作るんだ。
「えっ? すいません、私のことは気にしないでください」
「そーゆーワケにはいかないだろ。こんなとこで餓死して欲しくないからな。好きなものなんでもいいぜ。レパートリーはけっこうあるから」
オール冷凍食品なのかな。そうだとしたらレパートリー豊富なんて言っちゃダメだと思うけど。
「じゃ、じゃあ……焼き飯……。焼き飯をお願いします」
「焼き飯か……。分かった、ちょっと時間かかるけどいいか? そのかわり泣くほど美味い焼き飯を作ってやる。チャーシューあったかな……」
彼は冷蔵庫の中身としばらくにらめっこして材料を取り出したかと思うと、テキパキとした動きで調理を始めた。
「テレビ付けるか? 時間かかるから暇になるぞ」
「あ……ハイ」
この時間はニュースくらいしかやってなかった。でもキッチンから聞こえてくる音のおかげで、安心していた。
しばらくして出てきた焼き飯を食べてみると、すごく美味しかった。思わず涙が流れ始めた。彼にお母さんみたいなところを感じたからだろうか。
「お、おいおい。マジで泣くなよ」
「ゔ……ごめんなさい。あの……食べないんですか? 晩ごはん」
「え? いやいいんだ。焼き飯作った達成感で満腹かな。ところで、お前家の電話番号知ってるか? 」
家と聞いて、私はドキリとした。
「お前家出したんだろ? 多分。家に電話するから迎えに来てもらえって」
「で、でも……」
彼は呆れたように溜め息をもらした。
「お前の親のためにも帰ってやれって。それに……」
一瞬彼はためらったような動作を見せた。
「家に帰ったら家族が待ってるなんて、俺にとっちゃ羨ましいことなんだ。家に帰ってもずっと1人なんてことよりもずっと」
私はしばらく迷った。
でも、怒られてもいい。帰ることにした。
駅前の広場に両親が迎えに来ることになったらしく、私は彼にそこまで送ってもらった。
別れ際に彼が見せたその表情は、お父さんとお母さんが混ざったみたいなのを感じた。
その時私は確信した。私は、名前も知らない彼のことが好きになっていた。
そんな出来事からおよそ半年後、私は中学生になった。
クラスの雰囲気に馴染むことが出来ず、私は中学生になっても独りぼっちになってしまった。ゴールデンウィークを過ぎたあたりになっても、私の周りに友達なんていなかった。
そんな時、
「よっす。元気か? 」
「へ? 」
「いや、お前ってずっと1人だろ? それって寂しくないかなーって思ったからさ、話しかけてみた」
急に話しかけられたことにびっくりした。
でも、話しかけたその人の顔を見ると、私はそれが誰か分かった。
「あ、あなたは……あの時の……」
「あれ? お前って確かあの時の家出の……っ」
間違いない。あの時の彼だ。
名前も聞けなかったけど、もう一度会いたかった。そしてお礼を言いたかった。
「あの時は、ありがとうございますっ」
「いや、お礼なんて別にいい。俺はあの時やりたかったことをやっただけだ。むしろこっちが感謝してるくらい」
「あの……お名前は……」
私がそう言ったまさにその瞬間、彼の後ろから別の男の人が現れた。
「おいおいマスター、なにナンパしてんだよ。そーゆーことはまず俺に言えって。そしたら俺が最強のナンパ術を教えてやるのによ」
マスター……?
「お前の成功率0パーセントの妄想ナンパ術なんて知りたくもねえっての。次いでにナンパもしてねー」
男の人はケラケラと笑った。
「ささ、ナンパの続きをどうぞマスター」
「ナンパじゃねえって……。俺の名前をきいてたんだっけ? 俺は……」
「マスターだ。こいつの名前はマスター」
横から割って入ってきたその人は、彼のほっぺたをつねりながらそう言った。
「お、おいっ。変なあだ名を教えるな。だいたいなんだよマスターって。なにが由来でそうなったんだ」
「まあまあ、気にすんなって。こいつの名前はマスターだ。戸籍では違うけど、マスターで覚えてくれりゃいい」
彼は半分諦めたような顔をした。
「お前が俺の呼ばれ方まで決めるなよ」
「クスッ。フフフフフっ」
思わず笑っちゃったっ。
「あの時はありがとう。マスターさんっ。これからもよろしく」
その日以来、マスターさんは毎日私に話しかけてくれた。どれも内容はなんでもないような雑談だったけど、私にとってその時間が1番の宝になっていた。
私は彼との思い出を胸にギュッと抱きしめた。
今日はマスターさんとショッピングする日。
そしてそこで、長い間ずっと変わらなかった私の思いを伝えるつもりでいる。
いったいどんな反応をしてくれるんだろう? 考えただけで緊張する。
どんな返事が返ってきても、私は今日お別れする時には絶対に笑顔でいようと思う。満面の笑みにはなれないかもしれないけど、精一杯の笑顔でマスターさんの返事にこたえたい。
成功するといいな。
オーケーしてくれたらいいな。
付き合ってくれたら……すっごくいいな。
小学校に入学した頃から両親の都合で転校ばかりしていた私は、友達ができた途端に転校なんてこともあった。だから転校先で仲のいい子なんていなかった。
最初は転校生だからってクラスの注目の的になっていたけど、人と話すことが苦手な私なんてスグに興味を失われた。
だから私は、少しでも注目してほしいから必死で勉強した。成績が良かったらきっとみんな私にまた話しかけてくれるに違いない。だから毎年返ってくる通知表は、3段階評価でオール3以外取ったことなかった。
小学6年生の時、もうすぐ卒業だという時に父親の仕事がやっと安定したらしく、もう引っ越さなくていいと言われた。
その時、私は父親に向かって喚き散らしてしまった。
遅すぎる。
中学校に行ったらいくらでも友達が出来るとなだめられたが、中学校に行ったって小学校の時から仲良いい子で固まるに決まってる。それに自分の性格ではカンタンに友達なんて出来っこない。
自分がどれだけ辛かったのかを喚き散らした挙句、私は勢いのまま家出してしまった。
駅前の広場に出てきたところで、私はそのことに後悔した。
帰りたくなったと思う。でも今家に帰ったって怒られる。しかし、これから行くあてなんてない。どうしよう。これからの事なんて考えてなかった。
私がボーッと立ち尽くしていると、肩に買い物袋をかけて近所のスーパーのチラシとにらめっこしながら歩いている男の子を見かけた。
見る限り歳は私と変わらないくらいなのに、なんだかお母さんみたい。
「今日はこんなもんでいいか……。冷蔵庫にあるものとかを考えると、今日の晩メシはチャーハンだな……」
「ぐうぅ~」
チャーハンなんて単語を聞いて思わずお腹が鳴った。
男の子が私の方を見てクスッと笑った。
恥ずかしい~。
でも、私はここで自分にある提案をしてみた。この子を頼ってみたらどうだろうか。
男の子と話すのは苦手だから一瞬ためらったけど、思い切って言ってみた。
「あの、私をあなたの家に泊めてくれませんか? お願いしますっ」
ちょっと間があった。急にそんなこと言われて戸惑わない人なんていないだろう。
男の子はしばらく迷ったような表情をすると、
「いいぜ。ついて来いよ」
あっけなくオーケーしてくれた。
その人の家は駅前の広場から10分ちょっとしたところにある坂の上のマンションだった。
「親は仕事で海外に行ってるんだ。だからここに住んでるのは俺1人。そんなに気を使わなくていいぞ」
それであんなお母さんみたいなことをしてたんだ……。
彼といるとなんだかとっても安心出来る。お父さんと一緒にいるみたい。
私はフカフカそうなソファに座った。
「あ、もうすぐ晩メシなんだけどなにが食べたい? 」
ご飯も彼が作るんだ。
「えっ? すいません、私のことは気にしないでください」
「そーゆーワケにはいかないだろ。こんなとこで餓死して欲しくないからな。好きなものなんでもいいぜ。レパートリーはけっこうあるから」
オール冷凍食品なのかな。そうだとしたらレパートリー豊富なんて言っちゃダメだと思うけど。
「じゃ、じゃあ……焼き飯……。焼き飯をお願いします」
「焼き飯か……。分かった、ちょっと時間かかるけどいいか? そのかわり泣くほど美味い焼き飯を作ってやる。チャーシューあったかな……」
彼は冷蔵庫の中身としばらくにらめっこして材料を取り出したかと思うと、テキパキとした動きで調理を始めた。
「テレビ付けるか? 時間かかるから暇になるぞ」
「あ……ハイ」
この時間はニュースくらいしかやってなかった。でもキッチンから聞こえてくる音のおかげで、安心していた。
しばらくして出てきた焼き飯を食べてみると、すごく美味しかった。思わず涙が流れ始めた。彼にお母さんみたいなところを感じたからだろうか。
「お、おいおい。マジで泣くなよ」
「ゔ……ごめんなさい。あの……食べないんですか? 晩ごはん」
「え? いやいいんだ。焼き飯作った達成感で満腹かな。ところで、お前家の電話番号知ってるか? 」
家と聞いて、私はドキリとした。
「お前家出したんだろ? 多分。家に電話するから迎えに来てもらえって」
「で、でも……」
彼は呆れたように溜め息をもらした。
「お前の親のためにも帰ってやれって。それに……」
一瞬彼はためらったような動作を見せた。
「家に帰ったら家族が待ってるなんて、俺にとっちゃ羨ましいことなんだ。家に帰ってもずっと1人なんてことよりもずっと」
私はしばらく迷った。
でも、怒られてもいい。帰ることにした。
駅前の広場に両親が迎えに来ることになったらしく、私は彼にそこまで送ってもらった。
別れ際に彼が見せたその表情は、お父さんとお母さんが混ざったみたいなのを感じた。
その時私は確信した。私は、名前も知らない彼のことが好きになっていた。
そんな出来事からおよそ半年後、私は中学生になった。
クラスの雰囲気に馴染むことが出来ず、私は中学生になっても独りぼっちになってしまった。ゴールデンウィークを過ぎたあたりになっても、私の周りに友達なんていなかった。
そんな時、
「よっす。元気か? 」
「へ? 」
「いや、お前ってずっと1人だろ? それって寂しくないかなーって思ったからさ、話しかけてみた」
急に話しかけられたことにびっくりした。
でも、話しかけたその人の顔を見ると、私はそれが誰か分かった。
「あ、あなたは……あの時の……」
「あれ? お前って確かあの時の家出の……っ」
間違いない。あの時の彼だ。
名前も聞けなかったけど、もう一度会いたかった。そしてお礼を言いたかった。
「あの時は、ありがとうございますっ」
「いや、お礼なんて別にいい。俺はあの時やりたかったことをやっただけだ。むしろこっちが感謝してるくらい」
「あの……お名前は……」
私がそう言ったまさにその瞬間、彼の後ろから別の男の人が現れた。
「おいおいマスター、なにナンパしてんだよ。そーゆーことはまず俺に言えって。そしたら俺が最強のナンパ術を教えてやるのによ」
マスター……?
「お前の成功率0パーセントの妄想ナンパ術なんて知りたくもねえっての。次いでにナンパもしてねー」
男の人はケラケラと笑った。
「ささ、ナンパの続きをどうぞマスター」
「ナンパじゃねえって……。俺の名前をきいてたんだっけ? 俺は……」
「マスターだ。こいつの名前はマスター」
横から割って入ってきたその人は、彼のほっぺたをつねりながらそう言った。
「お、おいっ。変なあだ名を教えるな。だいたいなんだよマスターって。なにが由来でそうなったんだ」
「まあまあ、気にすんなって。こいつの名前はマスターだ。戸籍では違うけど、マスターで覚えてくれりゃいい」
彼は半分諦めたような顔をした。
「お前が俺の呼ばれ方まで決めるなよ」
「クスッ。フフフフフっ」
思わず笑っちゃったっ。
「あの時はありがとう。マスターさんっ。これからもよろしく」
その日以来、マスターさんは毎日私に話しかけてくれた。どれも内容はなんでもないような雑談だったけど、私にとってその時間が1番の宝になっていた。
私は彼との思い出を胸にギュッと抱きしめた。
今日はマスターさんとショッピングする日。
そしてそこで、長い間ずっと変わらなかった私の思いを伝えるつもりでいる。
いったいどんな反応をしてくれるんだろう? 考えただけで緊張する。
どんな返事が返ってきても、私は今日お別れする時には絶対に笑顔でいようと思う。満面の笑みにはなれないかもしれないけど、精一杯の笑顔でマスターさんの返事にこたえたい。
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