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花見の思い出は命懸け
MMMの花見計画
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「ん? なんだマスター、今年も同じクラスなのかよ。あれ? アイツも同じクラスなのか。どうせマスターは俺と同じクラスで気分が沈んでるんだろ? 大体の予想は付く」
そう背後から話しかけてきたのは西田である。
青い火の玉が周囲を飛んでいそうなくらい不気味なオーラを発している気がするのは、やつれまくった顔のせいだろうか、それともさっきのネガティブ発言からだろうか。
まぁ、ぶっちゃけると西田の発言には一切の間違いがないのは言うまでもない。いったいこいつと何年同じクラスに入らされるんだ。
「あっ! マスターと同じクラスじゃん! よろしくね! マスター! 」
背後から肩にしがみついてきた望月は、耳元で話すにはボリュームを間違えすぎている声でそう言ってきた。
どうせこうなることは去年と同じような感じだろ。クラス割りをある程度操作してんだろうな、天界人は。
俺は1番それを実行してそうな立花の名前を探した。
案の定その名前は、校長曰く我が校で1番勉強しているクラス、7組に所属していた。
もう大学出てるんだからそんなクラスに入らなくてもいいだろうに。
早瀬は……9組だな。校内でも7組程じゃないが優秀なクラスらしい。去年と大して変わってない。
さて、俺はさっきの言葉を一体何回言ったのやら。夏休みに行った場所が親戚の家だけってくらい暇な奴がいたら数えてみてくれ。無駄な時間を過ごしたってクレーム出したって俺は知ったこっちゃないからな。
「へぇ、私は9組か……。あ、私生徒会のお手伝いするって約束だった。じゃあまた後でね、みんな」
早瀬は忙しそうに生徒会室へ走っていった。
「あ、マスターさん。おはよう。クラスどうだった? 私まだ見れてないけど……」
そう後ろから話しかけてきたのは三好である。外見はいつも通りの三つ編みダサ丸メガネだ。
あの時みたいにオシャレしたらこいつも相当美人なのに、もったいない。
「ん? 三好はたしか5組のはずだぞ」
「ホントだ。あれ……。マスターさんも5組? 」
「おお。これで4年くらい連続で同じクラスだな。今年もよろしく」
その言葉に、三好は宴会の席で酔いまくった迷惑な上司みたいに顔を真っ赤にした。
オロオロとどうすれば良いかわからず周りにSOSを発しているが、誰もそれに応じるわけがなかった。
そして水をぶっかけたら一瞬で水蒸気になるくらい赤くなった顔で俺に向き直った。
「マスターさん、3年連続で、だよ……」
そう言った三好は、その場から逃げ去るようにスったかたーっと教室に向かって走っていった。
「マスター、今の誰? 」
「……誰? 今の」
望月はともかくなんで立花までそれを聞いてくるんだよ。
「中学からの同級生だ。それ以外の要素を期待されてもない」
三好に告白されていたしかもそれを断ったなんてこいつらに言ったら拷問されるなんて、カップラーメンにお湯を注いでから50分経った麺の状態を見るよりもわかりやすい見え透いた結果が待っていることくらい俺でも分かるぞ。
立花にだって、未来から来た俺の話をするために三好の話をしたくらいであの日のことは一切喋ってない。
「ふーん」
「そう」
なんだそのどうでも良さそうなリアクションは。お前らが聞いてきたんだろ。
「あの子が……」
立花はそう呟くと、目線で三好の背中を追っているように見えた。
その目は久しぶりにあった元カノか元カレを見るような、複雑で単純な日本語じゃ言い表せないような光を放っていた。
「じゃあ、あの子も参加資格あるよね! お花見の」
望月がドヤ顔でそう言った。
「お花見? なんだそりゃ。そんな話聞いてないぞ」
「ありゃ? 言ってなかったっけ? ごめーん」
望月は両手をパチっと合わせ、舌をペロッと出して謝った。
謝罪の気持ちが見えない。
「それで? 花見って、いつ誰呼んでどこでやるつもりなんだ? 参加資格がどーのこーのとか言ってたけど」
「んーと、どこでやるかとかいつやるかとかは決めてないけど、参加資格はマスターと仲のいい人! 」
なんじゃそりゃ、俺と仲のいい人が参加できる花見って。
なにか良からぬことではないだろうが企んでることは分かった。
「なんで俺と仲のいいヤツらしか参加出来ないんだ? まぁ、見知らぬオッサンとか隣のババアが来ても困るだけではあるが」
望月はチッチッチっと舌を鳴らして、俺の文字通り目の前で人差し指をブンブン振った。
振りすぎである。
「マスター、私たちMMMがなんのために存在してるか……忘れてない? 」
最近のテレビに影響されすぎだこりゃ。35億とか言い出すんじゃないだろうな。
望月は太陽が地球に落ちてきたんじゃないかと思うくらいのコントラストを間違えた明るさの笑顔で言った。
「マスター、あなたを幸せにするためなんだからね! 」
MMMっての名前を聞くこと自体久しぶりな気がするが、ニュートンがリンゴ落ちたのを見た時以上に嬉しさと喜びに満ち溢れたその表情を見ると、いつの日か忘れていた安心感を思い出させる。
懐かしさと言うべきだろうか……? みんなにあって今の俺にない安心感だ。
「いつどこでやるかとか決めてないんだったら話にならねえな」
望月はガックリとうなだれた。
「うぅ……そうだよね……」
「そういうわけだ、西田。今週の土曜にいい感じの花見できる場所あるか執事さんに確認しといてくれ。細かいことは俺が決める」
望月はそれを聞いて、閃光手榴弾みたいな輝きを放つ笑顔を見せた。
「いいのッ? やったーーッ! 」
さっきからずっと異様などんよりオーラを放っていた西田は、望月たちもこの花見に参加すると察したのか、スグに執事さんに連絡を取り始めた。
「マスター、とっておきの場所を見つけた。土曜だっけ? その日に俺ん家集合な」
こーゆーことはホントテキパキ動くよな、こいつ。
扱いやすくて便利なんて言ったら怒られるから心の中で言ってやろう。
めっちゃチョロい。
「現地集合で良くないか? 場所を教えてくれよ」
西田はマザーテレサが牛乳を2パック分ぶっかけるくらいウザイドヤ顔を見せた。
硫酸が手元になくて良かったと心底思う。
「へっへーん! なにせとっておきなんだからな。当日まで楽しみにしてくれってことだ」
西田家特有の謎サプライズ精神が発動したらしい。
こういうのマジで好きなんだな。
「ったく……。分かった、何時頃に集合すりゃいい? 」
「ンーと……。ちょっとまて、電話して聞いてみる」
それくらいさっきの電話で聞いて欲しいものである。
西田はテキトーな生返事の連発をしてだるそーに電話を切った。
「9時半に集合だってよ」
俺たちはその後、くだらん会話を長々とした後に睡眠薬という名の入学式をやっとこさ終えた。
「ちょっと防衛対象さん! あなた入学式中ずーっと寝てたでしょ! 」
バレてたか。
俺たちは早瀬の家で花見について話していた。そこへ生徒会の仕事を終えた工藤たちが放った第一声がそれである。
「寝てちゃだめれすよ~。新入生に失礼ですから~」
マシュマロを潰す直前みたいなふんわりした声で言ってきたのは白鳥である。
その表情は苦笑しまくりだ。
「ンなことはどーでもいいんだよ。それより……」
「どーでもよくない! 」
工藤から間髪入れずにツッコミが入った。
白鳥とコンビ組んで芸人にでもなればいいだろう。ライブで空き缶投げられるくらいにはなれるぞ。
俺は花見について、生徒会コンビに洗いざらい話した。
「ふえぇ~。楽しそうれすね~」
白鳥は手を合わせてそう言った。
ここまでは予想通りである。
「花見ね……。私も行くわ」
ふへへ……計画通り……。……?
ちょっとまて、そんなあっさりと行くって言ったのか? ホントか?
俺の予想外丸出しな顔をみて、工藤はやれやれと溜め息をついた。
「防衛対象さん、あなたを幸せにすることが私たちの目的なの。それさえ無ければ行くわけないわよそんなの」
「でも、来てくれるんだよね! ヤッター! 」
望月が工藤の肩をガシッと抱いて言った。
工藤の顔はさくらんぼみたいな真っ赤色である。
「言っとくけど、仕方なくなんだからね! しょうがなくよ! 」
そう背後から話しかけてきたのは西田である。
青い火の玉が周囲を飛んでいそうなくらい不気味なオーラを発している気がするのは、やつれまくった顔のせいだろうか、それともさっきのネガティブ発言からだろうか。
まぁ、ぶっちゃけると西田の発言には一切の間違いがないのは言うまでもない。いったいこいつと何年同じクラスに入らされるんだ。
「あっ! マスターと同じクラスじゃん! よろしくね! マスター! 」
背後から肩にしがみついてきた望月は、耳元で話すにはボリュームを間違えすぎている声でそう言ってきた。
どうせこうなることは去年と同じような感じだろ。クラス割りをある程度操作してんだろうな、天界人は。
俺は1番それを実行してそうな立花の名前を探した。
案の定その名前は、校長曰く我が校で1番勉強しているクラス、7組に所属していた。
もう大学出てるんだからそんなクラスに入らなくてもいいだろうに。
早瀬は……9組だな。校内でも7組程じゃないが優秀なクラスらしい。去年と大して変わってない。
さて、俺はさっきの言葉を一体何回言ったのやら。夏休みに行った場所が親戚の家だけってくらい暇な奴がいたら数えてみてくれ。無駄な時間を過ごしたってクレーム出したって俺は知ったこっちゃないからな。
「へぇ、私は9組か……。あ、私生徒会のお手伝いするって約束だった。じゃあまた後でね、みんな」
早瀬は忙しそうに生徒会室へ走っていった。
「あ、マスターさん。おはよう。クラスどうだった? 私まだ見れてないけど……」
そう後ろから話しかけてきたのは三好である。外見はいつも通りの三つ編みダサ丸メガネだ。
あの時みたいにオシャレしたらこいつも相当美人なのに、もったいない。
「ん? 三好はたしか5組のはずだぞ」
「ホントだ。あれ……。マスターさんも5組? 」
「おお。これで4年くらい連続で同じクラスだな。今年もよろしく」
その言葉に、三好は宴会の席で酔いまくった迷惑な上司みたいに顔を真っ赤にした。
オロオロとどうすれば良いかわからず周りにSOSを発しているが、誰もそれに応じるわけがなかった。
そして水をぶっかけたら一瞬で水蒸気になるくらい赤くなった顔で俺に向き直った。
「マスターさん、3年連続で、だよ……」
そう言った三好は、その場から逃げ去るようにスったかたーっと教室に向かって走っていった。
「マスター、今の誰? 」
「……誰? 今の」
望月はともかくなんで立花までそれを聞いてくるんだよ。
「中学からの同級生だ。それ以外の要素を期待されてもない」
三好に告白されていたしかもそれを断ったなんてこいつらに言ったら拷問されるなんて、カップラーメンにお湯を注いでから50分経った麺の状態を見るよりもわかりやすい見え透いた結果が待っていることくらい俺でも分かるぞ。
立花にだって、未来から来た俺の話をするために三好の話をしたくらいであの日のことは一切喋ってない。
「ふーん」
「そう」
なんだそのどうでも良さそうなリアクションは。お前らが聞いてきたんだろ。
「あの子が……」
立花はそう呟くと、目線で三好の背中を追っているように見えた。
その目は久しぶりにあった元カノか元カレを見るような、複雑で単純な日本語じゃ言い表せないような光を放っていた。
「じゃあ、あの子も参加資格あるよね! お花見の」
望月がドヤ顔でそう言った。
「お花見? なんだそりゃ。そんな話聞いてないぞ」
「ありゃ? 言ってなかったっけ? ごめーん」
望月は両手をパチっと合わせ、舌をペロッと出して謝った。
謝罪の気持ちが見えない。
「それで? 花見って、いつ誰呼んでどこでやるつもりなんだ? 参加資格がどーのこーのとか言ってたけど」
「んーと、どこでやるかとかいつやるかとかは決めてないけど、参加資格はマスターと仲のいい人! 」
なんじゃそりゃ、俺と仲のいい人が参加できる花見って。
なにか良からぬことではないだろうが企んでることは分かった。
「なんで俺と仲のいいヤツらしか参加出来ないんだ? まぁ、見知らぬオッサンとか隣のババアが来ても困るだけではあるが」
望月はチッチッチっと舌を鳴らして、俺の文字通り目の前で人差し指をブンブン振った。
振りすぎである。
「マスター、私たちMMMがなんのために存在してるか……忘れてない? 」
最近のテレビに影響されすぎだこりゃ。35億とか言い出すんじゃないだろうな。
望月は太陽が地球に落ちてきたんじゃないかと思うくらいのコントラストを間違えた明るさの笑顔で言った。
「マスター、あなたを幸せにするためなんだからね! 」
MMMっての名前を聞くこと自体久しぶりな気がするが、ニュートンがリンゴ落ちたのを見た時以上に嬉しさと喜びに満ち溢れたその表情を見ると、いつの日か忘れていた安心感を思い出させる。
懐かしさと言うべきだろうか……? みんなにあって今の俺にない安心感だ。
「いつどこでやるかとか決めてないんだったら話にならねえな」
望月はガックリとうなだれた。
「うぅ……そうだよね……」
「そういうわけだ、西田。今週の土曜にいい感じの花見できる場所あるか執事さんに確認しといてくれ。細かいことは俺が決める」
望月はそれを聞いて、閃光手榴弾みたいな輝きを放つ笑顔を見せた。
「いいのッ? やったーーッ! 」
さっきからずっと異様などんよりオーラを放っていた西田は、望月たちもこの花見に参加すると察したのか、スグに執事さんに連絡を取り始めた。
「マスター、とっておきの場所を見つけた。土曜だっけ? その日に俺ん家集合な」
こーゆーことはホントテキパキ動くよな、こいつ。
扱いやすくて便利なんて言ったら怒られるから心の中で言ってやろう。
めっちゃチョロい。
「現地集合で良くないか? 場所を教えてくれよ」
西田はマザーテレサが牛乳を2パック分ぶっかけるくらいウザイドヤ顔を見せた。
硫酸が手元になくて良かったと心底思う。
「へっへーん! なにせとっておきなんだからな。当日まで楽しみにしてくれってことだ」
西田家特有の謎サプライズ精神が発動したらしい。
こういうのマジで好きなんだな。
「ったく……。分かった、何時頃に集合すりゃいい? 」
「ンーと……。ちょっとまて、電話して聞いてみる」
それくらいさっきの電話で聞いて欲しいものである。
西田はテキトーな生返事の連発をしてだるそーに電話を切った。
「9時半に集合だってよ」
俺たちはその後、くだらん会話を長々とした後に睡眠薬という名の入学式をやっとこさ終えた。
「ちょっと防衛対象さん! あなた入学式中ずーっと寝てたでしょ! 」
バレてたか。
俺たちは早瀬の家で花見について話していた。そこへ生徒会の仕事を終えた工藤たちが放った第一声がそれである。
「寝てちゃだめれすよ~。新入生に失礼ですから~」
マシュマロを潰す直前みたいなふんわりした声で言ってきたのは白鳥である。
その表情は苦笑しまくりだ。
「ンなことはどーでもいいんだよ。それより……」
「どーでもよくない! 」
工藤から間髪入れずにツッコミが入った。
白鳥とコンビ組んで芸人にでもなればいいだろう。ライブで空き缶投げられるくらいにはなれるぞ。
俺は花見について、生徒会コンビに洗いざらい話した。
「ふえぇ~。楽しそうれすね~」
白鳥は手を合わせてそう言った。
ここまでは予想通りである。
「花見ね……。私も行くわ」
ふへへ……計画通り……。……?
ちょっとまて、そんなあっさりと行くって言ったのか? ホントか?
俺の予想外丸出しな顔をみて、工藤はやれやれと溜め息をついた。
「防衛対象さん、あなたを幸せにすることが私たちの目的なの。それさえ無ければ行くわけないわよそんなの」
「でも、来てくれるんだよね! ヤッター! 」
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