93 / 100
不測の事態への対処で仕事の出来は変わるってもんですよね? 93
しおりを挟む
第一章 八九話
「ええ、ほんの上空7000Mほどです」
男の問い掛けに答え、改めて青い顔色をした男と対峙する。
僕とミネルヴァが侵入者もろとも転移した先は、グランヴィアの上空7000メートル。地面代わりに簡易結界を張り巡らせ、落下を防ぎつつ男から5m程の距離を取った後....
「ぐっ.....」
地上から強制的に同行させた男が、うめき声を上げて膝をつく。流石にこの環境に即座に適応するのは難しいようだ。簡易結界を応用して“周辺環境を調節”している僕達と違って、“突然”この環境下に放り込まれた男が“意識を保っている”だけでも驚きに値する。
足下に広がる雲と、切れ間から広がる大地、更に遠くを見渡せば....この世界も丸い事が見て取れる地平線と水平線....極端に薄い大気と氷点下を楽に下回る気温....地図上では全く同じ地点でありながら、人間にとっては生命活動に著しい負荷を与える高度....それが標高7000mの世界だ。
「くくく、偉そうな事を言っている場合ではないな....“状態回復”」
詠唱した瞬間、男の足元に魔法陣が浮かび上がり、魔力が、男の体を淡く光る円柱状に包み込む....光が消えるとそこには完全に回復した男の姿があった。
「ふう、無茶をする男だな。もし私が君と同じスキルを持っていても、とてもこんな使い方はせんが....まぁ、それよりも、どうするのかね? まさか周りが静かになったくらいで私が諦めるとは思っておるまい?」
「まさか....そんなに物分かりの良い人物には見えませんね。ただ...これは聞いておきましょうか....あなた方は何者で、“神獣核”をどうするつもりなんです?」
ダメもとで一応探りを入れる。当然、答えなど返っては来ないと思っていたが....
「....我らの目的はただ一つだ。身勝手な神と獣から世界を取り戻す」
どうにも要領を得ない答えだ。が、それでもとても聞き流していいとは思えないセリフが耳朶を打つ....
「....僕は元々この世界の行く末に興味などありませんが....本気ですか?」
「それを君に説いてどうなるというのだ? 大人しくコアを渡すか?」
男は少し不機嫌そうに言い放ち、男の周囲に魔力が収束し始める....それと同時に、大きく間合いを取った男は、両手を胸の前にかざし、更に魔力を収束していく。
「あなた方の事情は知りませんが....それこそグランヴィアの民や、僕達には関係ない事の筈です。それでも....自分達の都合で、無理やり奪おうというのですか?」
「なんとでも言うがいい。どの道我らが失敗すれば人間は滅ぶのだからな!」
「!?!......どういう意味です?」
「ふん! それを聞いても意味などないと言った筈だ、君にはコアと共に我らの駒なってもらおう。なに、そう悲観することもないさ、働きに応じてそれなりの見返りも用意するからな! “空間雷纏束”」
男の詠唱と同時に、僕とミネルヴァの周囲を半球型に“電撃”が疾る!! ヤバい!...と思ったが次の瞬間には男の背後の方向約30mに転移していた。
{緊急回避を行いました。敵の攻撃は“範囲内の空間に電撃を満たす”魔法です! 認識下での回避はほぼ不可能の為、魔力の収束予兆に合わせて回避するしかありません!!}
{外では風魔法を主体に戦っていた筈なのに....面倒なやつだな! ミネルヴァ、合図したらヤツの....}
危うく黒こげ....いや捕らえると言っていたから、とりあえず死ぬ程の出力では無いのだろうが....ミネルヴァが居なければ、確実に意識はもっていかれただろう。男は電撃の跡に僕がいないのを見て、すぐこちらに気づいたようだ。
「どうした? さっきの手際はまぐれか?」
「そうですね....詳しい話は“後で”伺う事にしましょうか....」
{ミネルヴァ!}
{了解! 結界解除!}
「!!」
ミネルヴァにヤツ周辺の“足場の結界解除”を実行させる! 突然足場が無くなれば多少の隙を見せると考えて準備をしていたのだが....男はそのまま雲の中に落下してしまった?!
{ミネルヴァ! 大規模索敵魔法でヤツを捉えて再度結界で拘束しろ!}
{!!“大規模索敵魔法”}
まさか“超越者級”とまで言われる魔法使いが....そのまま落下するとは思わないが....突然の事態に一瞬“思考の到達速度”が遅れる....つまり....
「....どうにも君は“柔軟性”に欠けるな? 私がいつまでも“敵”の作った足場を使っているとでも?」
【ズガン!!】
「なっ!」
突然の“金属音”と全身に走る衝撃! 状況が把握出来ないがどうやら攻撃をくらってしまった!
「ガハッ!!」
{主殿!! すぐに“修復魔法”を}
ミネルヴァが慌てて魔法を発動しようとするのを、辛うじて身振りで抑え、“あちらこちら”から煙を上げる体をサルダンに向けて警戒する!
{ミネルヴァ! 恐らくヤツは“物理的幻覚”を見せる魔法と“空中機動”の魔法を両方同時に使ってる筈だ! 今は僕の回復より〔索敵魔法〕を常時展開してヤツを補足し続けろ!}
{ラ...了解! 超音波探索視界を発動します!}
その瞬間、“ブン”という作動音と共に、左目に掛けたモノクルに“輪郭だけのサルダン”が映し出される。更に映し出された輪郭は細かくブレながら次々とサルダンの動きを“予測変換表示”していく。
「....どうだね? 随分と香ばしく仕上がったようだが....私と一緒に来る気になったかね?」
男は足元の空間に“電気のスパーク”を走らせて、浮遊しながらこちらの様子を眺めている。その表情ときたら....どうにもこうにも不愉快な男だ。
「....どうにも就労環境に不安を覚えますね....とんだ“ブラック企業”に勧誘されてしまったと後悔しているところですよ!」
「ククククッ! なる程! 言い得て妙だな! 確かに否定は出来んが....我等が誘いを断るなら、この場で君は“永遠の休業”になるだけだよ」
どうにも勝ち誇っている顔が鼻につく....普段の流儀じゃないが一発殴ってやらないと気が済まない!
{ミネルヴァ! ヤツが足場を確保してる魔法がどういう物か分かるか? さっきのヤツの動きを考えたらどうも単発の大砲は当たってくれそうにない。動きを止めるにはどうしたらいいと思う?}
{....魔法構文の解析を完了! ヤツは発電した電気を、“超高電圧に昇圧”して足元の空気に流しています! その結果発生するローレンツ力を利用して“超電導推進”を行っているようです!}
{....非常識な奴だな! だがそれなら.....}
ダメージが深いフリをしながら時間を稼いで、ミネルヴァと反撃の準備を念話で打ち合わせる。
「.....仕方ありませんね....“パワハラ上司”は気に入りませんが、現状を無視する訳にもいかないようですね....」
さあココが正念場だな.....
「ええ、ほんの上空7000Mほどです」
男の問い掛けに答え、改めて青い顔色をした男と対峙する。
僕とミネルヴァが侵入者もろとも転移した先は、グランヴィアの上空7000メートル。地面代わりに簡易結界を張り巡らせ、落下を防ぎつつ男から5m程の距離を取った後....
「ぐっ.....」
地上から強制的に同行させた男が、うめき声を上げて膝をつく。流石にこの環境に即座に適応するのは難しいようだ。簡易結界を応用して“周辺環境を調節”している僕達と違って、“突然”この環境下に放り込まれた男が“意識を保っている”だけでも驚きに値する。
足下に広がる雲と、切れ間から広がる大地、更に遠くを見渡せば....この世界も丸い事が見て取れる地平線と水平線....極端に薄い大気と氷点下を楽に下回る気温....地図上では全く同じ地点でありながら、人間にとっては生命活動に著しい負荷を与える高度....それが標高7000mの世界だ。
「くくく、偉そうな事を言っている場合ではないな....“状態回復”」
詠唱した瞬間、男の足元に魔法陣が浮かび上がり、魔力が、男の体を淡く光る円柱状に包み込む....光が消えるとそこには完全に回復した男の姿があった。
「ふう、無茶をする男だな。もし私が君と同じスキルを持っていても、とてもこんな使い方はせんが....まぁ、それよりも、どうするのかね? まさか周りが静かになったくらいで私が諦めるとは思っておるまい?」
「まさか....そんなに物分かりの良い人物には見えませんね。ただ...これは聞いておきましょうか....あなた方は何者で、“神獣核”をどうするつもりなんです?」
ダメもとで一応探りを入れる。当然、答えなど返っては来ないと思っていたが....
「....我らの目的はただ一つだ。身勝手な神と獣から世界を取り戻す」
どうにも要領を得ない答えだ。が、それでもとても聞き流していいとは思えないセリフが耳朶を打つ....
「....僕は元々この世界の行く末に興味などありませんが....本気ですか?」
「それを君に説いてどうなるというのだ? 大人しくコアを渡すか?」
男は少し不機嫌そうに言い放ち、男の周囲に魔力が収束し始める....それと同時に、大きく間合いを取った男は、両手を胸の前にかざし、更に魔力を収束していく。
「あなた方の事情は知りませんが....それこそグランヴィアの民や、僕達には関係ない事の筈です。それでも....自分達の都合で、無理やり奪おうというのですか?」
「なんとでも言うがいい。どの道我らが失敗すれば人間は滅ぶのだからな!」
「!?!......どういう意味です?」
「ふん! それを聞いても意味などないと言った筈だ、君にはコアと共に我らの駒なってもらおう。なに、そう悲観することもないさ、働きに応じてそれなりの見返りも用意するからな! “空間雷纏束”」
男の詠唱と同時に、僕とミネルヴァの周囲を半球型に“電撃”が疾る!! ヤバい!...と思ったが次の瞬間には男の背後の方向約30mに転移していた。
{緊急回避を行いました。敵の攻撃は“範囲内の空間に電撃を満たす”魔法です! 認識下での回避はほぼ不可能の為、魔力の収束予兆に合わせて回避するしかありません!!}
{外では風魔法を主体に戦っていた筈なのに....面倒なやつだな! ミネルヴァ、合図したらヤツの....}
危うく黒こげ....いや捕らえると言っていたから、とりあえず死ぬ程の出力では無いのだろうが....ミネルヴァが居なければ、確実に意識はもっていかれただろう。男は電撃の跡に僕がいないのを見て、すぐこちらに気づいたようだ。
「どうした? さっきの手際はまぐれか?」
「そうですね....詳しい話は“後で”伺う事にしましょうか....」
{ミネルヴァ!}
{了解! 結界解除!}
「!!」
ミネルヴァにヤツ周辺の“足場の結界解除”を実行させる! 突然足場が無くなれば多少の隙を見せると考えて準備をしていたのだが....男はそのまま雲の中に落下してしまった?!
{ミネルヴァ! 大規模索敵魔法でヤツを捉えて再度結界で拘束しろ!}
{!!“大規模索敵魔法”}
まさか“超越者級”とまで言われる魔法使いが....そのまま落下するとは思わないが....突然の事態に一瞬“思考の到達速度”が遅れる....つまり....
「....どうにも君は“柔軟性”に欠けるな? 私がいつまでも“敵”の作った足場を使っているとでも?」
【ズガン!!】
「なっ!」
突然の“金属音”と全身に走る衝撃! 状況が把握出来ないがどうやら攻撃をくらってしまった!
「ガハッ!!」
{主殿!! すぐに“修復魔法”を}
ミネルヴァが慌てて魔法を発動しようとするのを、辛うじて身振りで抑え、“あちらこちら”から煙を上げる体をサルダンに向けて警戒する!
{ミネルヴァ! 恐らくヤツは“物理的幻覚”を見せる魔法と“空中機動”の魔法を両方同時に使ってる筈だ! 今は僕の回復より〔索敵魔法〕を常時展開してヤツを補足し続けろ!}
{ラ...了解! 超音波探索視界を発動します!}
その瞬間、“ブン”という作動音と共に、左目に掛けたモノクルに“輪郭だけのサルダン”が映し出される。更に映し出された輪郭は細かくブレながら次々とサルダンの動きを“予測変換表示”していく。
「....どうだね? 随分と香ばしく仕上がったようだが....私と一緒に来る気になったかね?」
男は足元の空間に“電気のスパーク”を走らせて、浮遊しながらこちらの様子を眺めている。その表情ときたら....どうにもこうにも不愉快な男だ。
「....どうにも就労環境に不安を覚えますね....とんだ“ブラック企業”に勧誘されてしまったと後悔しているところですよ!」
「ククククッ! なる程! 言い得て妙だな! 確かに否定は出来んが....我等が誘いを断るなら、この場で君は“永遠の休業”になるだけだよ」
どうにも勝ち誇っている顔が鼻につく....普段の流儀じゃないが一発殴ってやらないと気が済まない!
{ミネルヴァ! ヤツが足場を確保してる魔法がどういう物か分かるか? さっきのヤツの動きを考えたらどうも単発の大砲は当たってくれそうにない。動きを止めるにはどうしたらいいと思う?}
{....魔法構文の解析を完了! ヤツは発電した電気を、“超高電圧に昇圧”して足元の空気に流しています! その結果発生するローレンツ力を利用して“超電導推進”を行っているようです!}
{....非常識な奴だな! だがそれなら.....}
ダメージが深いフリをしながら時間を稼いで、ミネルヴァと反撃の準備を念話で打ち合わせる。
「.....仕方ありませんね....“パワハラ上司”は気に入りませんが、現状を無視する訳にもいかないようですね....」
さあココが正念場だな.....
0
あなたにおすすめの小説
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる