たったの3歳

ぱっつんぱつお

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いつものお決まり

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「あきらさんまた明日お願いします! 三上さんもお疲れさまでーす。」


「はーい、おつかれー、すばる君も夜道気を付けてね~!」
「昴くん、また月曜よろー!」



「あきらさん、俺も一応男ですよ……!?」と20歳の女子に向かって言葉を放つのは、17歳高校生男子。

 ごく一般的な大学に通う女子、あきらと三上の二人、それと進学校に通う男子高校生すばるは、同じバイト先であった。

 たまたま3人の最寄り駅が同じで、栄えた駅でコンビニは数多くあれど、たまたま3人共同じコンビニで働いた偶然の出会い。
 更にあきらと三上は同じ大学の同じ学年だった。
 そこから二人は仲良くなった。

 あきらは上京し一人暮らしだったが、三上と昴は地元で実家暮らし。
 一人暮らしのあきらは生活費の為のバイトだったが、三上と昴は社会経験とお小遣い稼ぎだった。

 3人の他にも学生は多く働いていて、あきらと三上と同じ大学に通う子もあと4人程居た。
 オーナーさんが優しい人だと有名で、先輩から後輩へと情報は受け継がれていき、従業員の数やシフトの面で苦労したことが無い。
 駅近で、400メートル程歩けば昴の通う高校があり、そのふたつ先の駅にはあきら達が通う大学があり、駅からすぐ角を曲がると病院もある為、売上の心配もなかった。

 昴は進学校で特別な事情がない限りアルバイトは禁止だったが、昴は頭が出来過ぎて、授業の内容だけで全て覚えられた。
(因みに男友達に呼ばれているあだ名は出木杉くんである)

 爽やかで愛想も良く、顔の作りも良かった昴だが、女性には一切興味がなかった。
 それよりも新しい知識を求めていた。
 授業の復習など要らぬ昴は、映画や音楽や、本、漫画、ゲームなども勉強の一貫として親に与えられていた。
 勿論、それが許されるのもテストがいつも満点だったからだ。
 それに母親が幼少の頃貧乏だった為、色々な体験が出来なかったからと言うのもある。
 色々な事が初めてだった昴の母親は美しい容姿も相まって、アルバイト先に偶然来店した脳外科医の父と結婚したのだ。

 つまり、金もあれば、勉強も出来て、様々な知識を持っていて、顔も良い。
 昴自身、女性に興味はなかったが、大変にモテた。
 それに父と母はラブラブで、円満すぎるぐらいだ。
 天は何物も彼に与えていた。
 その為『俺に足り無いのは社会経験だと思います』と、特別な事情でアルバイトが許されたのだ。


 昴は未成年である為、午後10時に勤務が終わる。
 あきらと三上は夜勤と交代の12時までだった。


「ごめーん、まだ発注時間掛かりそうなんだけど大丈夫??」と、20代パートの女性。
 本業は音楽系のYouTuberらしいが身バレ防止の為、アカウントは誰にも教えていない。


「はーい! 全然混んでないんで大丈夫でーす!」
「ピークタイム過ぎたんで暫く大丈夫だと思いまーす!」


 昴が帰った後に始まるのは、いつも同じ話題だ。


「ねー、ぜったい昴くん、あきのこと好きだって~。」
「いやー、いやいやいや、男子高校生からしてみれば私らなんてババァっしょ。」
「え、つら。 流石にそれつら。」
「でしょー?」
「ま、酒飲めちゃう年齢だしー?? でもでも、あきだけ、"あきら" って名前で呼んでんじゃん!?」
「う~ん、周りに可愛いJKいっぱい居るでしょ……、そこで私選ぶとか無くない? JKだよJK!華のJK!もう二度と来ない!」
「つらつらつらー! 制服もう着れねー!」


 と、こうやっていつも否定するあきら。
 しかしあきら自身、何となく『そうなのかも…』と思う瞬間もあるが、実際、高校生からしてみれば大学生なんてババァだし、爽やかイケメンで金持ちでとにかくモテて、それに歳上の自分より頭が良い人が、ババァなんて好きになるはずも無い、そもそも対象外だろう。
 歳上好きと言う線も無くはないが、「どんな女性が好みか」と昴が入りたての頃、パート主婦達が聞いていたが、女性に一切興味がないと言う。
「勿論将来は家庭を持ちたいと思うが、今は勉強が楽しくて仕方が無い。」
 そうハッキリ言ったのだ。
 それでもあきらが『そうなんじゃないか』と思ってしまうのは、昴の愛想が良いからだ。
 女の子を勘違いさせるのが得意な男なのだ。


「え、てかさ、そもそも私が高校生と付き合うとかヤバくない? 犯罪じゃない?」
「何なのあき、合意ナシに性行為犯す気なのw 真摯に付き合うなら問題ないっしょ。」
「いやーー、いやいやいや、いくらイケメンでも高校生はないっしょ~~」


  テレテレテレン、テレテレテン♪


「「いらっしゃいませー!!」」



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