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1年生2学期
11月30日(火)曇りのち雨 グループ名は難しい
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11月最終日。テスト週間になったことで部活は停止されたので放課後に部活はなかったけど、僕は学校に居残ることになる。テスト前恒例になりつつある岸本さんからのテスト勉強のお誘いがあったからだ。
今日は図書室へ集まることになったので僕が向かうと、岸本さんと一緒に花園さんも待っていた。
「二人ともお疲れ」
「産賀くんも。テストの度に教えて貰って申し訳ないけど、こうやって誰かと勉強してる方がわからないところもできている気がするから」
「全然構わないよ。昨日教科書を貸して貰ったお返しということで」
「それならわたしはもっと前に色々して貰ったお返しをしてないから、今度またお返しを……」
「無限ループになりそうなのでそこまでにして貰っていいですか? ちなみに華凛は貸し借りは関係なしに遠慮なく二人へ教えを乞います」
何故か誇らしげに花園さんは言う。教えられる側の態度とは思えないけど、これくらい遠慮がない方がむしろ気持ちいいのかもしれない。
「もちろん、花園さんの方もできる限り協力するよ。それじゃあ……」
「ちょ、ちょっと待って。中に入る前に二人へ言いたいことがあるの」
岸本さんは何かありげな空気を出しながら僕と花園さんを呼び止める。この大事を言いそうな雰囲気の時の岸本さんは恐らく拍子抜けする感じのことを言う。
「実は……三人のグループを作ってみようと思っているのだけど」
「なるほど」
「そういう話だと思っていました」
「えっ? 二人とも何で予想が当たったみたいな顔をしているの……? わたしがそんなにグループを作りたそうな空気出てた……?」
それは花園さんの方も察していたようだ。でも、内容までは予想できないからこれはまた意外な提案だった。
「グループってLINEのだよね。別にいいけど……この三人で共有すべきことってある?」
「ほら、こうやってテスト勉強したりする時とか、たまに遊びに行ったりする時とか……」
「別にミチちゃんが間を取ってくれるので問題ないかと。作ったらそれほど使わなくて後悔するタイプのグループだと思います」
「それは……やっぱりそうだよね。ごめん、変なこと言って……」
想像以上にテンションが下がってしまった岸本さんを見て、僕と花園さんは「しまった」という表情をする。
花園さんがどう思っているかわからないけど、僕はLINEのグループというものが少々苦手というか、使い道がわからないと思っている。確かに複数人への連絡は便利だと思うけど、一度入ると何だか抜け出しづらいし、全く関係のない話でいちいち通知が来るのが億劫なのだ。
だから、むやみやたらに増やさない方がいいと思うけど……この場においてそれは空気が読めていなかった。たぶん、岸本さんは特別話したいことがあるうんぬんではなく、一つの機能として使ってみたかったんだ。
「いえ、やっぱり作ってもいいと思います。華凛も今後二人同時に連絡を寄越さなければならないようなシチュエーションがある気がしてきました」
「僕もそう思う! 今後もテスト勉強で集まる時があれば便利だし」
「……本当に作ってもいい?」
僕と花園さんは必死に頷く。それを見た岸本さんはスマホを操作し始めた。
「これで……二人を招待したから」
「うん。入れたよ」
「華凛も問題なく」
「ありがとう。それとついでに二人も連絡先を交換しておいたらいいと思うのだけれど」
「あー……そうだね。じゃあ、花園さんにメッセージ送るよ」
「ブロックします」
「ええっ!?」
「冗談です。まぁ、リョウスケに関しては特に連絡することはありませんが」
そんな僕と花園さんのやり取りを見て、岸本さんは嬉しそうに笑った。
そこで僕が気付いた……というよりは勝手に予想したことにはなるけど、岸本さんは僕と花園さんに繋がって欲しかったのではないかと思った。僕個人としては花園さんとも友達になっているつもりで、恐らく花園さんもそう思ってくれているだろうけど、昨日の通り連絡先は知らない仲でもあった。
それが岸本さんからすると、少しだけ気になってしまう距離間だったのかもしれない。もちろん、交換したところで僕と花園さんが急にもっと仲良くなることはないけど、そういう安心感が欲しいのは何となくわかる。
「長引かせてごめんね。ここからは切り替えていくから」
「はい。ですが、この1年生グループ(仮)のままだと格好が付かないと思うのですが」
「じゃあ、どういうグループ名がいい? 三人の要素を合わせるとなると……」
なんてことを考えてみたけど、単に岸本さんがグループを作りたかったと考える方が正解なんだろう。この日の勉強が終わった帰り道でも楽しそうにグループ名を考えていた。ちなみに最終的には「ハナミチwithU」という僕が外部参加したみたいなグループ名になった。
今日は図書室へ集まることになったので僕が向かうと、岸本さんと一緒に花園さんも待っていた。
「二人ともお疲れ」
「産賀くんも。テストの度に教えて貰って申し訳ないけど、こうやって誰かと勉強してる方がわからないところもできている気がするから」
「全然構わないよ。昨日教科書を貸して貰ったお返しということで」
「それならわたしはもっと前に色々して貰ったお返しをしてないから、今度またお返しを……」
「無限ループになりそうなのでそこまでにして貰っていいですか? ちなみに華凛は貸し借りは関係なしに遠慮なく二人へ教えを乞います」
何故か誇らしげに花園さんは言う。教えられる側の態度とは思えないけど、これくらい遠慮がない方がむしろ気持ちいいのかもしれない。
「もちろん、花園さんの方もできる限り協力するよ。それじゃあ……」
「ちょ、ちょっと待って。中に入る前に二人へ言いたいことがあるの」
岸本さんは何かありげな空気を出しながら僕と花園さんを呼び止める。この大事を言いそうな雰囲気の時の岸本さんは恐らく拍子抜けする感じのことを言う。
「実は……三人のグループを作ってみようと思っているのだけど」
「なるほど」
「そういう話だと思っていました」
「えっ? 二人とも何で予想が当たったみたいな顔をしているの……? わたしがそんなにグループを作りたそうな空気出てた……?」
それは花園さんの方も察していたようだ。でも、内容までは予想できないからこれはまた意外な提案だった。
「グループってLINEのだよね。別にいいけど……この三人で共有すべきことってある?」
「ほら、こうやってテスト勉強したりする時とか、たまに遊びに行ったりする時とか……」
「別にミチちゃんが間を取ってくれるので問題ないかと。作ったらそれほど使わなくて後悔するタイプのグループだと思います」
「それは……やっぱりそうだよね。ごめん、変なこと言って……」
想像以上にテンションが下がってしまった岸本さんを見て、僕と花園さんは「しまった」という表情をする。
花園さんがどう思っているかわからないけど、僕はLINEのグループというものが少々苦手というか、使い道がわからないと思っている。確かに複数人への連絡は便利だと思うけど、一度入ると何だか抜け出しづらいし、全く関係のない話でいちいち通知が来るのが億劫なのだ。
だから、むやみやたらに増やさない方がいいと思うけど……この場においてそれは空気が読めていなかった。たぶん、岸本さんは特別話したいことがあるうんぬんではなく、一つの機能として使ってみたかったんだ。
「いえ、やっぱり作ってもいいと思います。華凛も今後二人同時に連絡を寄越さなければならないようなシチュエーションがある気がしてきました」
「僕もそう思う! 今後もテスト勉強で集まる時があれば便利だし」
「……本当に作ってもいい?」
僕と花園さんは必死に頷く。それを見た岸本さんはスマホを操作し始めた。
「これで……二人を招待したから」
「うん。入れたよ」
「華凛も問題なく」
「ありがとう。それとついでに二人も連絡先を交換しておいたらいいと思うのだけれど」
「あー……そうだね。じゃあ、花園さんにメッセージ送るよ」
「ブロックします」
「ええっ!?」
「冗談です。まぁ、リョウスケに関しては特に連絡することはありませんが」
そんな僕と花園さんのやり取りを見て、岸本さんは嬉しそうに笑った。
そこで僕が気付いた……というよりは勝手に予想したことにはなるけど、岸本さんは僕と花園さんに繋がって欲しかったのではないかと思った。僕個人としては花園さんとも友達になっているつもりで、恐らく花園さんもそう思ってくれているだろうけど、昨日の通り連絡先は知らない仲でもあった。
それが岸本さんからすると、少しだけ気になってしまう距離間だったのかもしれない。もちろん、交換したところで僕と花園さんが急にもっと仲良くなることはないけど、そういう安心感が欲しいのは何となくわかる。
「長引かせてごめんね。ここからは切り替えていくから」
「はい。ですが、この1年生グループ(仮)のままだと格好が付かないと思うのですが」
「じゃあ、どういうグループ名がいい? 三人の要素を合わせるとなると……」
なんてことを考えてみたけど、単に岸本さんがグループを作りたかったと考える方が正解なんだろう。この日の勉強が終わった帰り道でも楽しそうにグループ名を考えていた。ちなみに最終的には「ハナミチwithU」という僕が外部参加したみたいなグループ名になった。
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