産賀良助の普変なる日常

ちゃんきぃ

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1年生2学期

12月22日(水)晴れ 大山亜里沙との距離間その15

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 週の折り返しというよりは冬休みより残り3日となる水曜日。この日も授業は滞りなく進み、僕は何の問題もなく1日を終えられそうだった。

「うぶクン、今日もノート写させて貰ってもいい?」

 大山さんが僕のところに来るまでは。先週と同じく5時間目の休み時間にやって来た目的は現社のノートを写すことだけど、その役目はもう本田くんに引き継いだはずだ。

「ありがと! そういえばさ、うぶクンは一昨日のM-1見た? アタシ的には敗者復活戦の……」

 だけど、それについて言及することは僕にはできない。それは大山さんだけじゃなくて本田くんも同じ状況で、先週からまた僕ら三人と昼食を取り始めているけど、詳しい話は誰も聞けていない。
 
 これが単に学校では一緒にいるのを控えているのだとしたら、何も言わないでおくべきだ。二人がいつも話題に話題に挙げられることに疲れてしまった可能性もある。
 
 でも、そうじゃないのだとしたら……

「うぶクン? 聞いてる?」

「あっ……ごめん。何の話だっけ?」

「うぶクン的にはどのコンビが一番面白かったって質問」

「うーん……一番って言われると難しい。というか、大山さんってそんなにお笑い好きだったんだ」

「いや、アタシも人並みだよ? こういうグランプリ系は絶対見るし、ハマったら動画見たりするけど、アイドル的に応援している人と比べたら全然」

「あー、確かに推しって感じで応援する人もいるね」

 こうやって話している分には以前の大山さんと全く変わっている部分はない。いや、そもそも僕は本田くんと付き合い始めた期間の大山さんがどんな感じなのか知らないから変化なんてわかるはずもなかった。



 放課後。今日のモヤモヤも松永に相談すべきかどうか悩んでいると、心を読まれたかのように松永が僕の席までやって来た。

「ど、どうした、松永」

「えっ? ちょっと話そうと思ったんだけど、何そんな驚いてんの?」

「いや……俺も松永に話そうと思ってたから」

「やだ、両想いじゃん」

 照れる仕草をする松永を見て一瞬だけ何故こいつに相談しようと考えたんだと思ってしまった。

「そんな嫌な顔しないでよ。今日もりょーちゃんのとこに大山ちゃんが来てたって話しようと思ったんだから」

「……すまん、松永。両想いだったかもしれん」

「おお? 珍しい返し……って、まぁ、先週も気にしてたりょーちゃんなら何となく考えてそうとは思った」

「図星だから何も言えない。でも、それで話ってなんだ?」

「一応、相談も兼ねてるんだけどさ。今日の夜辺りにぽんちゃんに事情を聞いてみようと思うんだ。本人も話すタイミングがあるのかもしれないけど、今のままだと雰囲気的に微妙だし、何もなかったらなかったで安心できるからこっちからアプローチしてみてもいいかなって」

 僕は大山さんからモヤモヤを感じ取っていたけど、松永も本田くんと話す中で何か感じ取っていたようだ。
 そして、相談も兼ねるということは松永もまだ迷っていることになる。僕は少しだけ考えてから喋りだす。

「もう少し待ってみてもいいって言ったら冬休みになっちゃうし、僕も気になるところだから聞いて欲しいとは思うけど……」

「俺だけに任せるとは言いづらい?」

「そう。かといって、二人で聞くのもおかしい気はするから……」

「だったら任せておきなさいな。まー、ぽんちゃんとの付き合いは俺の方がほんのちょっとだけ長いし、それでどうこうなったりはしないよ。なんて言いつつ、りょーちゃんに聞いてるんだから世話ないけど」

「いや、聞いてくれて良かったよ」

 そんな話を終えて松永は部活へ行くのを見送ると、僕は妙に安心していた。聞きづらいことを松永に任せてしまうのは申し訳ないけど、これでモヤモヤが晴れることになる。

 そう思って日記を書く今の時間になったけど、松永から特に連絡は来ていない。結果を知るのは明日になりそうだ。
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