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1年生2学期
12月23日(木)晴れ 大山亜里沙との距離間その16
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授業的には最後となる木曜日。でも、僕が気にしているのは授業でも冬休みでもなく、昨日聞いたであろう松永からの報告だった。就寝してから学校に着くまで連絡がなかったから恐らく直接伝えてくれるのだろう。
そう思っていたけど、その報告の結果は意外な形で知ることになった。
「産賀くん。おはよう~ ねぇねぇ、あの話聞いた?」
「おはよう……あの話?」
「亜里沙と本田くん、別れたって話」
栗原さんからそう告げられて僕は一瞬止まってしまう。
「おっ、知らなかった感じ?」
「い、いつ別れたの……?」
「私も昨日聞いたばっかりだからいつかはわからないなぁ。でも、ここ最近はあんまり一緒にいるの見なかった気がする」
「そう……だったんだ」
「ちょっと残念だよねー 私も産賀くんも夏休みから色々やってきてたし、上手くいって欲しかったなー」
栗原さんにそう言われても僕は頷けなかった。残念さよりもそうなる兆候すら気付いていなかったことがショックだった。
そして、松永が登校してくると、すぐに僕の方へやって来て同じ結果を伝える。それに対して僕は栗原さんから既に聞いてたことやその栗原さんも別の人から聞いたことを教えた。
「なるほどね。というか、女子の方はもう知ってたんだなー 昨日の今日で別れたってわけじゃないんだろうけど……それならもっと早く聞いてあげればよかった」
「本田くん、それ以外は何か言ってた……?」
「いや、特には。まぁ、終わったことなら仕方ないし、俺たちは以前の通りに接していけばいいさ」
松永はあっさりとそう言う。いや、それが正しいのは間違いない。本田くんが先週から昼食の集まりに帰って来たけど、それより前に別れていたとしたらすぐに戻ることを悩んでいたのかもしれない。今後はそんなことを気にしないでいいように、僕たちはこの話を引きずらずにいつも通りにしておくべきだ。
ただ……二人が別れた事実は僕の中に複雑な思いを抱かせる。
『アタシは何回か男子と付き合うことになったんだケド……どれも長続きしなかったんだ』
『アタシが付き合った男子は……全員普段から仲のいい男子だった』
『たぶんこれからもずっと悩むんだろうなー……何が正解かわかんないから』
1ヶ月ほど前、まだ本田くんと付き合っていない時に大山さんから聞かされた話。それは大山さんが今ある不安を吐き出して、前に進むためだと思っていた。
だけど、それがもしも違う意図があったとしたら。僕が本田くんと大山さんから距離を置いていたのはその可能性を考えないようにするためでもあった。
「りょーちゃん?」
あの時、大山さんは僕なら他の人には絶対に言わないからと言ってた。でも、それを松永ないしこの件に関わる人に話せていたら。もしかしたら違う結果に繋がっていたのではないかと思ってしまう。
「りょーちゃん。言っておくけど、ここまで色々関わっても俺たちがどうこうって話じゃないからね」
「あ、ああ。もちろん」
「まぁ、これでクラさんも寂しがらずに済むってわけだ。良かったよかった!」
松永は元気を誘うようにそう言ってくれる。そうだ。僕の悪いところは、何でも気にし過ぎなところだ。過ぎてしまったことを振り返ってもその時に動けてないなら後悔しても仕方がない。
そう思いながらも僕はこうやって日記に記録する際に複雑な思いを反芻してしまっていた。
そう思っていたけど、その報告の結果は意外な形で知ることになった。
「産賀くん。おはよう~ ねぇねぇ、あの話聞いた?」
「おはよう……あの話?」
「亜里沙と本田くん、別れたって話」
栗原さんからそう告げられて僕は一瞬止まってしまう。
「おっ、知らなかった感じ?」
「い、いつ別れたの……?」
「私も昨日聞いたばっかりだからいつかはわからないなぁ。でも、ここ最近はあんまり一緒にいるの見なかった気がする」
「そう……だったんだ」
「ちょっと残念だよねー 私も産賀くんも夏休みから色々やってきてたし、上手くいって欲しかったなー」
栗原さんにそう言われても僕は頷けなかった。残念さよりもそうなる兆候すら気付いていなかったことがショックだった。
そして、松永が登校してくると、すぐに僕の方へやって来て同じ結果を伝える。それに対して僕は栗原さんから既に聞いてたことやその栗原さんも別の人から聞いたことを教えた。
「なるほどね。というか、女子の方はもう知ってたんだなー 昨日の今日で別れたってわけじゃないんだろうけど……それならもっと早く聞いてあげればよかった」
「本田くん、それ以外は何か言ってた……?」
「いや、特には。まぁ、終わったことなら仕方ないし、俺たちは以前の通りに接していけばいいさ」
松永はあっさりとそう言う。いや、それが正しいのは間違いない。本田くんが先週から昼食の集まりに帰って来たけど、それより前に別れていたとしたらすぐに戻ることを悩んでいたのかもしれない。今後はそんなことを気にしないでいいように、僕たちはこの話を引きずらずにいつも通りにしておくべきだ。
ただ……二人が別れた事実は僕の中に複雑な思いを抱かせる。
『アタシは何回か男子と付き合うことになったんだケド……どれも長続きしなかったんだ』
『アタシが付き合った男子は……全員普段から仲のいい男子だった』
『たぶんこれからもずっと悩むんだろうなー……何が正解かわかんないから』
1ヶ月ほど前、まだ本田くんと付き合っていない時に大山さんから聞かされた話。それは大山さんが今ある不安を吐き出して、前に進むためだと思っていた。
だけど、それがもしも違う意図があったとしたら。僕が本田くんと大山さんから距離を置いていたのはその可能性を考えないようにするためでもあった。
「りょーちゃん?」
あの時、大山さんは僕なら他の人には絶対に言わないからと言ってた。でも、それを松永ないしこの件に関わる人に話せていたら。もしかしたら違う結果に繋がっていたのではないかと思ってしまう。
「りょーちゃん。言っておくけど、ここまで色々関わっても俺たちがどうこうって話じゃないからね」
「あ、ああ。もちろん」
「まぁ、これでクラさんも寂しがらずに済むってわけだ。良かったよかった!」
松永は元気を誘うようにそう言ってくれる。そうだ。僕の悪いところは、何でも気にし過ぎなところだ。過ぎてしまったことを振り返ってもその時に動けてないなら後悔しても仕方がない。
そう思いながらも僕はこうやって日記に記録する際に複雑な思いを反芻してしまっていた。
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