産賀良助の普変なる日常

ちゃんきぃ

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1年生冬休み

1月5日(水)曇り 清水夢愛との冬散歩その2

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 冬休み12日目にして最終日。休みが終わる瞬間はいつも言っている気がするけど、冬休みも過ごしていればすぐに過ぎていったように感じる。
 夏休みのように大きな出来事はなかったし、ゆっくり過ごせてはいるけど、これだけ長く休んでしまうと物足りなくなってしまうのが人間の悪いところなのかもしれない。

 そんな今日は朝から清水先輩に連絡を貰って散歩へ行くことになる。僕としてはちょうどいいタイミングだ。

「あけましておめでとう、良助……おや? どうしたんだ、その荷物は?」

「あけましておめでとうございます。これは先日京都へ行った時のお土産です。つまらないものですが……」

 僕がお決まりの言葉を言いながら袋を差し出す。

「おお! 早速貰えるとは思わなかった。ありがとう。これは……」

「関西方面だけで売ってる宇治抹茶味のブラックサンダーです。清水先輩は……そもそも普通のやつ食べたことあります?」

「どうだったかな……普通は黒いのか?」

「黒いっていうかザクザクしたチョコです。ちなみに今の今まで考えてなかったんですがけど、抹茶味は大丈夫です……?」

「全然大丈夫だ。こう見えて私は何でも食べるからな」

 そう言われて僕は一安心する。甘い物ならだいたい喜ばれると思っていたけど、好き嫌いやアレルギーのことを考えていなかった。

「帰ってからありがたく食べさせて貰うよ。それじゃあ、歩いて行こうか。良助の冬休み中の話でも聞きながら」

「ぼ、僕のですか? 特に変わったことはしてないんですけど……」

「それでいいんだよ。私は良助がどんな風にしていたか知りたいんだから」

 清水先輩は何の気なしにそんなことを言うけど、僕は少々照れてしまう。

 これは何回も繰り返し思っていることだけど、僕と清水先輩は出会いから今の関係性に至るまで何もかも変わっている。いや、今でさえ単純な先輩・後輩の関係かと言われたらそうではない気がするし、それに適した言葉はどうにも思い付かない。

「へー 良かったじゃないか、京都の祖母が喜んでくれて」

 でも、そんな関係が新しい年になった今日も続いていることは僕にとっては嬉しいことだ。

「清水先輩はどうだったんですか? 冬休み中はどこか出かけたりしました?」

「私は……」

 だからこそ……

「遠くに出かけることはなかったな。こんな風に散歩するくらいだ」

「そうですか。それなら僕を呼んでくれても良かったのに」

「さすがに年末年始に呼びつけるのは私も遠慮するよ。今の話を聞けば良助は色々やることがあったみたいだしな」

 時々どこか寂し気な表情をする清水先輩が何を思っているのか少しだけ知りたくなってしまう。それはわざわざ僕から聞くことではないし、僕の勘違いしているだけの可能性もある。

「そういえば宿題はちゃんと終わりました?」

「……きょ、今日中には終わる……はず」

「それならいいですけど、帰ったらすぐ取り掛からないとダメですよ」

「そういうやんわりとしたお叱り、新年に小織からもLINEで言われた……」

 もしもその理由を聞ける時が来れば、僕は僕にできることをするし、聞けなかったとしても僕は変わらず清水先輩と接するようにしよう。清水先輩と歩きながらそんなことを勝手に思った。
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