産賀良助の普変なる日常

ちゃんきぃ

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1年生3学期

1月20日(木)雪 大山亜里沙の再誕その3

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 今週はたどり着くまで長かった気がする木曜日。その原因はたぶん久しぶりにがっつり授業を受けているからだと思う。まだまだ冬休みボケは抜けきっていないようだ。

(……りょ、りょーちゃん)

 それは隣の席の松永も同じようで授業中に何度か僕へ視線を送って眠ないように何とかして欲しそうにしてくる。しかし、この前から2番目の席だと声を出して喋りかけるわけにはいかない。

 僕は松永へほっぺたをつねるようにジェスチャーを送る。

(……にらめっこ?)

(……違うわ!)

 そのようなやり取りをしていれば多少は眠気も飛んでいくけど、授業内容が微妙に入ってこないからあまり良くない方法である。

 そんな時、僕は後ろから背中をつつかれる。それに反応して首だけ後ろへ振り向くと、大山さんが楽し気な顔で僕を見ていた。

「……二人してチキンレースでもしてるの? ふふっ」

「いや、そういうわけじゃ……」

「じゃあ……ジェスチャーゲーム?」

 これ以上話すと不味いかもしれないと思った僕は首を大きく振って前を向く。しかし、その一瞬が命取りだった。

「……ZZZ」

(ま、松永ー!? たった数秒のうちに何で!?)

 それから先生が板書をしているうちに僕がわき腹に一突きしたことで松永は何とか起きる。バレなかったから良かったものの、僕としては無駄に疲れることになった。

「ホント二人して何やってんの、ふふっ」

 その授業が終わりの休み時間に入ると、僕と松永へ大山さんはそう言った。

「まさかりょーちゃんが俺を裏切って大山ちゃんの方に行くとは……」

「いや、あんな速攻で寝るお前の方が悪い。というか、一人で寝ないよう何とかしろ」

「せっかくりょーちゃんが隣なんだから頼ろうと思ってね」

「そんなことで頼られたくはない」

 今までの学校生活で松永が隣じゃなかったのは凄く平和だったのかもしれない。授業中までこんなに絡んでくるとは思わなかった。

「でもでも、二人がじゃれあってるの見るの新鮮かも?」

「えっ? そう?」

「いや、幼馴染で仲が良いのは知ってたケド、二人だけであんな風にわちゃわちゃしてるのは案外見てなかったから」

 大山さんに言われて思い返してみると、確かに大山さんを含めた場に限って言えば、もっと大人数でいることが多かったから松永と今日みたいなやり取りをしていることは少なかったかもしれない。

「じゃあ、今度は大山ちゃんもりょーちゃんが寝ないように後ろからちょっかいかけていいよ?」

「マジ? 何しようかなー」

「なんでやる気なの!? それに眠かったのは僕じゃないし!」

 ただ、性格的には松永に近いところがある大山さんまで加わってしまうと、僕はまともに授業を受けられなくなってしまう。周りに喋れる人がいない席は寂しいとは思うけど、勝手知ったる人がい過ぎるのも考え物だと思った。
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