産賀良助の普変なる日常

ちゃんきぃ

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3年生夏休み

7月27日(木)晴れのち曇り 岸本路子との夏創作Ⅲ

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 夏休み6日目のスイカの日。
 熱中症警戒に関するニュースが連日報道されているけど、この日は午後から天気が不安定になっていった。

 そんな今日も今日とて塾の集中講義へ行って、3回分の講義を受ける。
 その間のお昼ご飯については一旦外出しても良いけれど、僕は来る前にコンビニへ寄ってから来ているので、適当な空き教室で食べていた。

「…………」

 もちろん、その際は路ちゃんも一緒に食べているけど……この集中講義が始まって以来、路ちゃんはずっと教科書を見ながら昼食を取っている。
 話しかければ言葉を返してくれるけど、食べる時まで勉強するのは……良く言えば勉強熱心だ。

「……路ちゃん、お昼くらい休んでもいいんじゃない?」

 けれどもさすがにやり過ぎたと思ったので、僕は決心してそう言うことにした。

「えっ? でも、ちょっと見てるくらいだから……」

「それでも休んだ方がいいと思う。それに……僕もゆっくり話したいし」

「……ごめんなさい。わたし、せっかく良助くんと食べてるのに」

 卑怯だと思いながらもそこまで言わないと路ちゃんが納得してくれなさそうなのでそう言う。
 いや、ちょっと寂しさを感じるのは本心でもあるんだけど。

「その……やっぱりこの前のテストの点数のこと、気にしてる?」

「……うん。ちょっと勉強量を増やしただけでどうにかできるわけじゃないのはわかっているのだけど、何だか焦っちゃって」

「まだ夏休みも始まったばかりなんだから焦らなくていいと思うよ。正直、僕はこの数日かなり勉強詰めでお腹いっぱいなくらいだし」

「それでも……良助くんと同じ場所を目指すならもっと頑張らないと」

「……ねぇ、路ちゃん。昨日、清水先輩に会ったって話したじゃない? その時に少し前から出てた話があるんだけど……清水先輩が僕の勉強を見てあげるって言ってたんだ」

「そう……なんだ」

「ああ、いや。まだ見てもらうのが確定したわけじゃないんだけど……清水先輩、教えるのが上手かどうかは別として頭はいいんだ。だから……教えてもらうのもいいかなと考えてた」

「それは……良助くんの自由にしていいと思う」

「いや、僕が言いたいのは……路ちゃんも一緒に教えてもらうのはどうかなと思って」

「えっ……」

「逆に路ちゃんが一緒に勉強しないのなら、僕は清水先輩の申し出は断ろうと思ってる」

 突然のことに路ちゃんは困惑してしまったけど、今の路ちゃんの悩みを解決できるかもしれない手段だと僕は考えた。
 ただ……少し危ないことを言っている自覚もあった。

「……ごめんなさい。少しだけ考えさせて欲しい」

「う、うん。急に言ってごめん」

「全然大丈夫。むしろ……わたしに選ばせてくれるんだから」

 そうしているうちにお昼休憩は終わってしまった。
 悪くない提案をしたつもりだけど、結局は路ちゃんに判断を委ねてしまったから逃げの一手だったかもしれない。
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