5 / 12
第一章 長い夜の終わり
ツヴィエルン会談 <Zvierun Askept>
しおりを挟む
獣王国の兵士らには永遠に感じられた時間も、実際のところは2分に及ばなかった。それは、獣王国側が動いたわけではなく、彼女たちのほうに迅速に行動する必要があったからだ。
15人の"立っていられた"者たちは、別にボーっとしていたわけではない。むしろその逆で、何が起きても対処できるよう、常に神経をとがらせ、周囲に目を配り、警戒を怠らないようにしていた。
しかし――
全員の息を呑む音が静かに木霊する。
気づけば、彼らは暖かい部屋の中にいて、行儀よく椅子に座っていた。
慌てて周りを見ても、他の仲間の姿は見当たらない。いるのは、意識を保っていた者たちだけである。これにはさすがの彼らも狼狽した。仲間の安否ももちろんだし、何より、移動したという記憶がないのが不気味だった。一瞬で転移させられたのならまだいい。もし今が、あの時から何十年も経っていて、自分たちの故郷がすでに滅ぼされていたのだとしたら。あの三人によって、全てを失っていたのだとしたら。
誰かが「嫌だ」と口にした。虫の羽音のようなか細い声は、音一つない部屋に存外大きく響いた。負の感情は総じて伝播するのが早い。あるいは顔を伏せ、あるいは天を仰ぎ、とうとう泣き出すものが現れた。胸ポケットから写真を取り出し、それを見て静かに涙を流した。写真のないものは、両手を組んで大切な人を想い描いた。
だが、この葬式のような状態を大隊長が放っておけるはずがなく。
彼は、たった一言、端的に言った。
「落ち着け」
――それは、彼らの心を真っ赤に塗り直すのに十分であった。こんな状況でどうして落ち着いていられるだろうか。そもそも、落ち着いたところで何ができるだろうか。理解したくない。冷静でいたくない。いっそ狂ってしまいたい。もし、それすら許されないならば――
目を血に染めて睨みつけてくる兵士たちに対し、大隊長は反論の隙を与えぬよう、突貫して言った。
「まず、我々の移動は一瞬でなされている。貸与された『不変刻時計』の時間が連続しているから、これは確実だ。他の兵たちの無事も補佐官が探知した。獣王国のほうも、少なくとも今現在は攻撃を受けていない。妻の無事を確認できる手段があるからな。で、この部屋を見るに相手は話し合いを持とうとしている。という訳でとりあえず大人しくしていろ。今するべきは、この後どう動くかを考えることだ」
悲惨なことに、半分はブラフであった。なにがあっても止まることなく、変わらずに時を刻む『不変刻時計』は彼の創作だし、補佐官からは「他の者の安否は不明」という報告を受けていた。
(話し合いになるかは分からんしな)
彼らは長机の長一辺に並ばされていた。中央に大隊長、その左隣に補佐官が座り、あとは概ね兵士の階級順か年齢順である。そして、大隊長の正面に二脚、少し離れて一脚のイスがあり、机の上に羽ペンが置かれているのを見れば、この場で何らかの合意を図るであろうことが予測できた。
その後10分と経たず、この会談――開かれた場所の名をとって、後に『ツヴィエルン会談』と呼ばれる――は開始された。
近くで見れば、三人はやはり"人"、それも人間の形をとっていた。全身真っ黒で何も分からなかった一人も、どうやら可愛らしい顔の少女であったらしい。まあ、生物的には絶対に"人"ではないのだが。
「では、私たちから挨拶しますね」
三人は椅子から立ち上がると、まるで自分の宝物を披露するように自らの名を名乗った。
「ライザと言います。偉大なる主によって創造され、『魔女』の称号を賜りました」
「私はルナ。同じく『魔女』」
「ミ、ミカエラです。私は主ではなく、この『魔女』のお二方によって創られました。今日は会談の司会を務めさせていただきます」
(なるほど、ミカエラ殿の席が離れていたのは身分差か)
大隊長が一人でうんうん頷いていると、彼女らは小さな紙を手渡してきた。その表面には文字が印刷されている。それを見た彼は、目の前の少女たちが余計恐ろしくなった。これほど小さく印刷できる技術があるのだ。技術とは概して軍事的要求から発生するから、彼女らは精密な軍用機械を作れるということに他ならない。
しかし、彼はもっと恐ろしいものを見つけてしまった。
「異世界には名刺なるものがあるらしいので、用意してみました」
「待って、いや、お待ちください。ここに書いてあるのは、その、失礼を承知でお伺いしますが、本当のことなのでしょうか」
「名刺に嘘を記す文化はあまり聞きませんね」
その答えに彼は勢いよく立ち上がると、高価な椅子が倒れるのも気にせず、小刻みに震える声で精一杯叫んだ。
「全員起立、最敬礼!」
軍隊所属の兵士たちは、脊髄反射的にその命令に従う。最敬礼とは、獣王に対してのみ取る敬礼で、全ての武器を外して床に置き、片膝をつき、顔を伏せるというものである。その名が示す通り、獣王国で最も敬意の高い敬礼であった。
だが、命令に従ってから、彼らは疑問に思う。そもそも、獣王以外に対する最敬礼は重罪なはずなのだが。
その疑問も、次の一瞬には解消される。
「『創始者』たるお三方に対する無礼、深く謝罪申し上げます」
彼女らはファーストネームしか名乗らなかったが、名刺には全てが載っていた。
――Li'sa Ruun Kria'tus Sierra Fe Sejél
――Luna Ruun Kolla'pseon Tetra Fe Sejél
――Mikaela Giaster Ruun Serva Fe Ylion
―――――
結局その後は、当然のことながら会談が成立しなかった。
この世界は身分差がとてもはっきりしており、そしてまた重要である。その身分が何によって示されるかと言うと、それが名前、正確には名前の長さ(個数)である。平民なら一つか二つ。下級貴族は三つ。上級貴族は四つ。王族や教会の教皇などは五つの名を持っている。召喚された勇者や聖女は例外だが、基本的に名が長いほど身分は高い。だが、それらと一線を画して高い身分を表すのが、六つ名であった。
六つ名が示すのは、その持ち主が神に近しい人物であるということ、即ち世界を管理する『創始者』かその眷属であるということだ。要するに兵士たちは、あまりに強大な存在を前に、完全に恐縮して怯え腐ってしまったのである。
ルナとライザは、唯一まともな状態である大隊長と補佐官から、何とか情報を得ることに成功した。
二人によれば、
1.今回の遠征は獣王の意志ではない
2.王太子の命令でここに来た
3.獣王は体調が芳しくなく、危篤という噂もある
4.この土地に侵入してはいけない、という契約は聞いたことがない
とのことであった。
「ルナの考えは?」
「ありえない」
「私もそう思うわ。いくら何でもね。ミカエラもそう思うでしょう?」
「そう、ですね。少なくとも獣王陛下が危篤というのは信じられません」
彼女らの会話に、大隊長は無礼と思いながらも情報を追加した。
「危篤かどうかは分からないのですが、以前からあまりよろしくないようで、そろそろ譲位なさるのではと言われております」
「譲位」
「獣王は代わってるの?」
「え? ええ。今の陛下は268代目でありますが」
場に奇妙な静寂が満ちる。大隊長は自分の知る事実を伝えただけなのだが、それに対し、三人ともが口を開けて固まっているのである。そうして動き出したかと思うと、今度は眉間にしわを寄せたり、額を指でたたいたり、腕を組んで唸ったり、挙句三人で相談をし始めた。
「謎だわ」
「確か、そういう方ではなかったように記憶しているのですが」
「確かめるべき。事実なら主にも報告が必要」
ルナの提案はすぐさまライザに賛成された。もちろん、ミカエラにも異論はない。
「そうね。ねえ大隊長さん」
「はっ。何でございましょう」
「私たちを獣王国まで案内してくれるかしら。大丈夫、獣王に用があるだけよ」
「でしたらば可能です。ですが、不躾とは存じますが、一つだけお願いしたい儀がございます」
彼は三人の雰囲気を必死に感じ取る。さっきから跪いたままで話しているのだ。彼女らが怒っているかそうでないか、彼女らの纏う空気から判断しなければならない。
幸運なことに、下位者から圧倒的上位者への要望にも、気分を悪くしている様子はなかった。
「何かしら」
「移動は昼間にしていただきたいのです。夜は我々にとって非常に厳しい時間でございますれば」
それは、ここに来る途中で十二分に思い知ったことだった。夜、この辺りは酷く冷え込む上、ドラゴンが飛び回る最悪の土地となる。そのような中を移動するなど、自殺行為に等しい。というか、自殺行為そのものである。
「夜は活動できないということ?」
「はい」
彼の要望に対し、ライザは30秒ほど頭を悩ませた後、不承不承といった様子で頷いた。
その後、会談の記録――なんと、羽ペンが勝手に動いて会話内容を記録していた――を相互で確認し、漏れや偽述、隠蔽が無いことを確かめ、お開きとなった。太陽はまさに、地平線の下へ沈もうとしていた。
この頃には他の兵士たちも意識を取り戻しており、また、最初に離れ離れにされた者たちとの合流も果たされた。補佐官が会談で決まったことを説明すると、彼らは大きく息を吐いた。少なくとも今日一日、この快適な城でゆっくり休めるのである。明日の朝には、元気の回復した体で、故郷へと帰ることができる。
歓喜して、お互いに手を握ったり抱き合ったりしていると、そこに先程の三人が入ってきた。彼らは一斉に跪く。
「皆さんお疲れのようですね」
そういうと、ライザはどこからともなく木の枝を取り出し、それを摘まんで軽く振った。瞬間、兵士たちの体を金や緑の光が包み込む。その光に、彼らは確かな暖かさを感じていた。
「回復魔法です。これで体調も良くなるでしょう」
そのまま、兵士たちの感謝の言葉に軽く手を振って応えると、ルナとミカエラとともにバルコニーへ出た。
15人の"立っていられた"者たちは、別にボーっとしていたわけではない。むしろその逆で、何が起きても対処できるよう、常に神経をとがらせ、周囲に目を配り、警戒を怠らないようにしていた。
しかし――
全員の息を呑む音が静かに木霊する。
気づけば、彼らは暖かい部屋の中にいて、行儀よく椅子に座っていた。
慌てて周りを見ても、他の仲間の姿は見当たらない。いるのは、意識を保っていた者たちだけである。これにはさすがの彼らも狼狽した。仲間の安否ももちろんだし、何より、移動したという記憶がないのが不気味だった。一瞬で転移させられたのならまだいい。もし今が、あの時から何十年も経っていて、自分たちの故郷がすでに滅ぼされていたのだとしたら。あの三人によって、全てを失っていたのだとしたら。
誰かが「嫌だ」と口にした。虫の羽音のようなか細い声は、音一つない部屋に存外大きく響いた。負の感情は総じて伝播するのが早い。あるいは顔を伏せ、あるいは天を仰ぎ、とうとう泣き出すものが現れた。胸ポケットから写真を取り出し、それを見て静かに涙を流した。写真のないものは、両手を組んで大切な人を想い描いた。
だが、この葬式のような状態を大隊長が放っておけるはずがなく。
彼は、たった一言、端的に言った。
「落ち着け」
――それは、彼らの心を真っ赤に塗り直すのに十分であった。こんな状況でどうして落ち着いていられるだろうか。そもそも、落ち着いたところで何ができるだろうか。理解したくない。冷静でいたくない。いっそ狂ってしまいたい。もし、それすら許されないならば――
目を血に染めて睨みつけてくる兵士たちに対し、大隊長は反論の隙を与えぬよう、突貫して言った。
「まず、我々の移動は一瞬でなされている。貸与された『不変刻時計』の時間が連続しているから、これは確実だ。他の兵たちの無事も補佐官が探知した。獣王国のほうも、少なくとも今現在は攻撃を受けていない。妻の無事を確認できる手段があるからな。で、この部屋を見るに相手は話し合いを持とうとしている。という訳でとりあえず大人しくしていろ。今するべきは、この後どう動くかを考えることだ」
悲惨なことに、半分はブラフであった。なにがあっても止まることなく、変わらずに時を刻む『不変刻時計』は彼の創作だし、補佐官からは「他の者の安否は不明」という報告を受けていた。
(話し合いになるかは分からんしな)
彼らは長机の長一辺に並ばされていた。中央に大隊長、その左隣に補佐官が座り、あとは概ね兵士の階級順か年齢順である。そして、大隊長の正面に二脚、少し離れて一脚のイスがあり、机の上に羽ペンが置かれているのを見れば、この場で何らかの合意を図るであろうことが予測できた。
その後10分と経たず、この会談――開かれた場所の名をとって、後に『ツヴィエルン会談』と呼ばれる――は開始された。
近くで見れば、三人はやはり"人"、それも人間の形をとっていた。全身真っ黒で何も分からなかった一人も、どうやら可愛らしい顔の少女であったらしい。まあ、生物的には絶対に"人"ではないのだが。
「では、私たちから挨拶しますね」
三人は椅子から立ち上がると、まるで自分の宝物を披露するように自らの名を名乗った。
「ライザと言います。偉大なる主によって創造され、『魔女』の称号を賜りました」
「私はルナ。同じく『魔女』」
「ミ、ミカエラです。私は主ではなく、この『魔女』のお二方によって創られました。今日は会談の司会を務めさせていただきます」
(なるほど、ミカエラ殿の席が離れていたのは身分差か)
大隊長が一人でうんうん頷いていると、彼女らは小さな紙を手渡してきた。その表面には文字が印刷されている。それを見た彼は、目の前の少女たちが余計恐ろしくなった。これほど小さく印刷できる技術があるのだ。技術とは概して軍事的要求から発生するから、彼女らは精密な軍用機械を作れるということに他ならない。
しかし、彼はもっと恐ろしいものを見つけてしまった。
「異世界には名刺なるものがあるらしいので、用意してみました」
「待って、いや、お待ちください。ここに書いてあるのは、その、失礼を承知でお伺いしますが、本当のことなのでしょうか」
「名刺に嘘を記す文化はあまり聞きませんね」
その答えに彼は勢いよく立ち上がると、高価な椅子が倒れるのも気にせず、小刻みに震える声で精一杯叫んだ。
「全員起立、最敬礼!」
軍隊所属の兵士たちは、脊髄反射的にその命令に従う。最敬礼とは、獣王に対してのみ取る敬礼で、全ての武器を外して床に置き、片膝をつき、顔を伏せるというものである。その名が示す通り、獣王国で最も敬意の高い敬礼であった。
だが、命令に従ってから、彼らは疑問に思う。そもそも、獣王以外に対する最敬礼は重罪なはずなのだが。
その疑問も、次の一瞬には解消される。
「『創始者』たるお三方に対する無礼、深く謝罪申し上げます」
彼女らはファーストネームしか名乗らなかったが、名刺には全てが載っていた。
――Li'sa Ruun Kria'tus Sierra Fe Sejél
――Luna Ruun Kolla'pseon Tetra Fe Sejél
――Mikaela Giaster Ruun Serva Fe Ylion
―――――
結局その後は、当然のことながら会談が成立しなかった。
この世界は身分差がとてもはっきりしており、そしてまた重要である。その身分が何によって示されるかと言うと、それが名前、正確には名前の長さ(個数)である。平民なら一つか二つ。下級貴族は三つ。上級貴族は四つ。王族や教会の教皇などは五つの名を持っている。召喚された勇者や聖女は例外だが、基本的に名が長いほど身分は高い。だが、それらと一線を画して高い身分を表すのが、六つ名であった。
六つ名が示すのは、その持ち主が神に近しい人物であるということ、即ち世界を管理する『創始者』かその眷属であるということだ。要するに兵士たちは、あまりに強大な存在を前に、完全に恐縮して怯え腐ってしまったのである。
ルナとライザは、唯一まともな状態である大隊長と補佐官から、何とか情報を得ることに成功した。
二人によれば、
1.今回の遠征は獣王の意志ではない
2.王太子の命令でここに来た
3.獣王は体調が芳しくなく、危篤という噂もある
4.この土地に侵入してはいけない、という契約は聞いたことがない
とのことであった。
「ルナの考えは?」
「ありえない」
「私もそう思うわ。いくら何でもね。ミカエラもそう思うでしょう?」
「そう、ですね。少なくとも獣王陛下が危篤というのは信じられません」
彼女らの会話に、大隊長は無礼と思いながらも情報を追加した。
「危篤かどうかは分からないのですが、以前からあまりよろしくないようで、そろそろ譲位なさるのではと言われております」
「譲位」
「獣王は代わってるの?」
「え? ええ。今の陛下は268代目でありますが」
場に奇妙な静寂が満ちる。大隊長は自分の知る事実を伝えただけなのだが、それに対し、三人ともが口を開けて固まっているのである。そうして動き出したかと思うと、今度は眉間にしわを寄せたり、額を指でたたいたり、腕を組んで唸ったり、挙句三人で相談をし始めた。
「謎だわ」
「確か、そういう方ではなかったように記憶しているのですが」
「確かめるべき。事実なら主にも報告が必要」
ルナの提案はすぐさまライザに賛成された。もちろん、ミカエラにも異論はない。
「そうね。ねえ大隊長さん」
「はっ。何でございましょう」
「私たちを獣王国まで案内してくれるかしら。大丈夫、獣王に用があるだけよ」
「でしたらば可能です。ですが、不躾とは存じますが、一つだけお願いしたい儀がございます」
彼は三人の雰囲気を必死に感じ取る。さっきから跪いたままで話しているのだ。彼女らが怒っているかそうでないか、彼女らの纏う空気から判断しなければならない。
幸運なことに、下位者から圧倒的上位者への要望にも、気分を悪くしている様子はなかった。
「何かしら」
「移動は昼間にしていただきたいのです。夜は我々にとって非常に厳しい時間でございますれば」
それは、ここに来る途中で十二分に思い知ったことだった。夜、この辺りは酷く冷え込む上、ドラゴンが飛び回る最悪の土地となる。そのような中を移動するなど、自殺行為に等しい。というか、自殺行為そのものである。
「夜は活動できないということ?」
「はい」
彼の要望に対し、ライザは30秒ほど頭を悩ませた後、不承不承といった様子で頷いた。
その後、会談の記録――なんと、羽ペンが勝手に動いて会話内容を記録していた――を相互で確認し、漏れや偽述、隠蔽が無いことを確かめ、お開きとなった。太陽はまさに、地平線の下へ沈もうとしていた。
この頃には他の兵士たちも意識を取り戻しており、また、最初に離れ離れにされた者たちとの合流も果たされた。補佐官が会談で決まったことを説明すると、彼らは大きく息を吐いた。少なくとも今日一日、この快適な城でゆっくり休めるのである。明日の朝には、元気の回復した体で、故郷へと帰ることができる。
歓喜して、お互いに手を握ったり抱き合ったりしていると、そこに先程の三人が入ってきた。彼らは一斉に跪く。
「皆さんお疲れのようですね」
そういうと、ライザはどこからともなく木の枝を取り出し、それを摘まんで軽く振った。瞬間、兵士たちの体を金や緑の光が包み込む。その光に、彼らは確かな暖かさを感じていた。
「回復魔法です。これで体調も良くなるでしょう」
そのまま、兵士たちの感謝の言葉に軽く手を振って応えると、ルナとミカエラとともにバルコニーへ出た。
0
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
無能と追放された俺、死にかけて覚醒した古代秘術を極めて最強になる
仲山悠仁
ファンタジー
魔力がすべての世界で、“無能”と烙印を押された少年アレックスは、
成人儀式の日に家族と村から追放されてしまう。
守る者も帰る場所もなく、魔物が徘徊する森へ一人放り出された彼は、
そこで――同じように孤独を抱えた少女と出会う。
フレア。
彼女もまた、居場所を失い、ひとりで生きてきた者だった。
二人の出会いは偶然か、それとも運命か。
無能と呼ばれた少年が秘めていた“本当の力”、
そして世界を蝕む“黒い霧”の謎が、静かに動き始める。
孤独だった二人が、共に歩き出す始まりの物語。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる