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子供を祝福する
しおりを挟む僕の名前は詩音・ウィリアムズ 5歳になる立派な騎士だ!
騎士である僕の仕事は、パパという残念イケメンから可愛い妹の理音を守る事。
幼稚園が終われば、パパの手から妹を守る仕事に就く。友達からの遊びの誘いは嬉しいけれど、今の理音を見れるのは今しかないから、僕は友達にいつもごめんね!と謝っている。
そんな、理音を守る僕に、残念なイケメンパパが爆弾を投下したんだ。
「そろそろ、詩音も来年の準備を始めないとね。」
「来年?」
「いつまでも幼稚園生じゃないからね。小学校にいく準備のことだよ。」
小学校・・・。おやつの時間まで勉強するところに行く。
えっ、ちょっとまって。そしたら、この残念なパパに理音をほぼ預けるっていうことじゃないか!!! そんな!!僕の天使が、残念なパパの毒牙にかかっちゃう!!ただでさえママも毒牙にかかって、もう救えないのに、理音までそうなったら、僕はっ、僕は!!
早急に僕には仲間が必要だ。意思疎通が出来て、連携が出来る仲間が・・・。
どうやって仲間を増やすか考えながら、僕は数日考えた。
金曜日の幼稚園。先生たちが、父の日にお父さんの顔を描きましょうって画用紙を配った。パパの似顔絵なんて描きたくなくて、妹の理音の絵を描こうとしたら、隣の席のえみりちゃんが、話かけてきた。
「しおんくん。えみりね、日曜日誕生日なの。それでね、お誕生日会をやるから、詩音くんにもきてほしいんだけど、どうかな?」
「えみりちゃん、お誕生日なんだ。おめでとう。でも、日曜日は父の日だし、僕、理音のお世話があるからちょっと無理かな。ごめんね?」
僕はクレヨンを置いてえみりちゃんに向き直って頭を下げた。顔をあげたときはえみりちゃんの顔が真っ赤になっていて、ぶんぶんと手を横に振っていた。
「そっ、そうだよね!!理音ちゃんのお世話をしている詩音くんだもんね!こんなカッコイイお兄ちゃんがいて理音ちゃんが羨ましいな・・えみりも可愛い妹がほしいの。」
「そしたら、誕生日プレゼントにお願いしたらいいんじゃないかな?えみりちゃん可愛いから、きっと妹も可愛いと思うよ。」
にこって笑って言ったら、えみりちゃんの顔が真っ赤になって固まっちゃった。
僕は理音とパパの似顔絵を描いて、先生に見せた。すごい苦笑いされたけど、その絵を持ち帰った。
この絵を渡すときに僕は、いう事を決めた。
パパはいつもいるリビングにいなくて、珍しく書斎にいた。ドアの隙間からみる書斎にいるときのパパはいつものパパとは違う雰囲気で、ドキドキするんだけどな。リビングにきたときにお話しようか迷っていたら、パパから声をかけられた。
「詩音、おかえり。入っておいで。」
おいでおいでと手を振るパパは、いつものパパで僕は後ろ手に描いた絵を隠しながらパパの書斎にはいった。
パパは、よいしょって僕の体をもちあげながら、大きい机に座らせた。
「詩音が、じーっと書斎を見てるから、何かあったのかなって思ったんだけど、違ったかな?」
机に座る僕と、イスに座るパパ。視線がパパと近くてドキドキする。
「今日、絵を描いたんだ。」
僕は隠していた絵をパパに渡した。
「理音と、パパだね。よく描けてる。詩音は絵も上手なんだね。」
にっこり笑って、大きな手で、パパと同じ髪色の僕の頭を撫ぜる。大きく描いた理音、ちっちゃく描いたパパ。それでも、パパは怒らないでこうやって褒める。
「パパ、お願いがあるんだ。僕、来年から小学校でしょ?今みたく理音を守れる時間が無くなると思うんだ。だから、理音を守れる仲間がほしいの。」
「仲間...ね。それで?」
「出来たら双子がいい!!」
「詩音、それはどういう意味かな?理音とは別の双子の妹か弟がほしいっていうことかい?」
パパの問いかけにやっと僕のもやもやが晴れた!!そうか、妹か弟がいれば、理音はずっと弟か妹の目に晒されるから安心だよ!!
「うん!!そう!!父の日のお願いは、僕双子がいいの!!」
僕のお願いにパパが顔を背けて、肩が震えているけど、ダメなのかな...。どうしよう...。
パパの様子が気になって、ダメって言われるのが怖くて、いいこと思いついた!っていうキラキラしたものが萎んでいくのが怖かった。俯いて、脚をブラブラさせていたら、パパがとびっきりの笑顔で僕の頭をぐしゃぐしゃにしてきた。
「詩音、父の日に双子を連れてくることは出来ない。連れて来るには時間がかかるのと、神様のご意思が必要なんだ。わかるかい?」
「時間ってどのくらいかかるの?1日?」
「そうだなぁ~。早くて1年ぐらいかな。あとな、詩音。双子かも分からないんだ。そればっかりは約束できない。どうしても双子じゃなきゃ駄目なのかい?」
「だって双子だったら、理音を守るのが僕を含めて3人になるよ!守る数は多いほうがいいと僕は考えたの!どうしたら双子になるの?僕いい子にしてたら双子になる?」
「うーん、双子はパパにもわからないかなぁ~。双子じゃない、弟か妹は詩音はイヤ?」
双子じゃない弟か妹・・・・。理音のことを守れるのが双子じゃなくて1人ずつでも・・・
「僕、ひとりずつつの弟でもいいよ!!」
「それなら、詩音に出来るお仕事があるんだけど、どうかな?」
僕はパパが出したお仕事に乗り気になった!でも、ママにバレたらミッション失敗って言ってたから、初めてママに秘密を持った。
この日の夜から、僕はパパに言われるとおりに、理音を僕の部屋につれこんで一緒にすごした。
土曜日の朝も、パパの言いつけ通りにして、ママを起こさないように、パパのお手伝いをした。パパの傍にいれば、パパから理音も守れることに僕は気がついた。 敵から守るには、敵のそばにいればいいんだね!!
早く僕の弟がこないかな!!
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