よわむしエレンの物語 あらくれ王子

ハルキ4×3

文字の大きさ
4 / 5

第4話

しおりを挟む
目を覚ました時はここは見覚えのある部屋の中、
あの廃墟の部屋の中だった。
「…」と見回すとそこで背を向けたボロの椅子に座っているセオーがいた
それに気づきエレンはすぐに彼にゆっくりと近づいたら。
「待て、俺はもう何もしねえよ」と振り返らず言った。
「どうして、そのまま逃げなかった?、なんで僕を一緒の部屋に…」
その言葉に対して、セオーは少し顔をこちらに向けて言った。
「理由は必要か?、単なる気まぐれだ…」
セオーは立ち上がってちぎったパンをエレンに渡した。
「食いな、何も食べてないだろ」
エレンはそれに応えるようにそのパンを食べた。
「…ありがとう」とエレンはお礼を言った。
「おいチビ助、お前のその感じでは俺を捕まえられないだろうが
なんで追いかけてきたんだ?」と質問をしたが。
「うーん、僕の部隊の隊長の命令のことしか考えてなかったから
深く考えてなかったかも」と言った
セオーは「はぁ」と少し呆れながら声が出てしまった。
「お前はよくわからん奴だな…」
それに対してハハっと笑うエレン。
それに釣られてかセオーも少し苦笑いした。
「そうだセオー、僕からも1つ聞いていい?」
とエレンは質問をこちらも返した。
「あのね…セオーって今わかった事なんだけど、
君は“いい人”なんだとわかったんだ」
「いい人?」と少し戸惑ったように言葉が漏れた。
「うん、理由を言うと難しいし、ただなんとなくそう思ったんだ
でも違うとは言いたくないんだ」とエレンは言った
それに対してセオーはこう答えた
「変なことを言うなよ」しかしエレンはさらに返した。
「だったらなんでそのまま僕を置き去りにしなかったの?
本当に“悪い人”なら置き去りどころかその場で仕留めていると思うよ、
気まぐれって言ってたけどそうじゃないんでしょ」
流石に面倒になったのかセオーは答えた。
「あーもう、そうだよ置き去りは流石にアレだったから連れ込んだって事だよ!」
「あっやっぱり」とエレンは笑顔になった。
そんな顔を見て流石のセオーも何も言えなかった。
するとエレンは三度セオーに質問をした、3回も言われるから相手も
もういいだろって表情になった。
「セオーはどうして荒くれ者みたいな生活してるの?、君の仲間と一緒に
何か人のために役立つことすればいいのに」とエレンは言った。
するとセオーの表情はスッと険しくなりこう言った。
「お前、これが何かわかるか」と首にかかっている首飾りを見せてきた。
「?、この首飾り何かの紋章が書かれている…」
「これはクエイス王国の王家の紋章だ」
このことにエレンはハッと驚いた表情になった。
「まさか君は…」
「そうだ俺はその王家の者だった…」と答えた。
「…どうしてそんな身分の人がこんな事に?」
「話を聞くか?」と聞いてきたのでエレンはうなづいた。
彼は自分の身について語り始めた。
「クエイス王国はこの辺から向こうに実際にあった王国
俺はその国の王子だった、国はその時までは平和だったが
“あの女”が来てから変わった」
続けてセオーは語った。
「その女は王国の預言者として雇われた奴だった、あらゆる予測を当て
様々な危機を回避させて国王である親父の信頼を買ったがこれが
間違いだった」
「間違い?」と疑問を含ませエレンは言った。
「あの女は親父とお袋を完全な傀儡にして、怪しげな予言を理由に
国民を弾圧させたんだ、その結果民衆は反乱を起こし2人とも処刑され
その後は内乱が続きクエイス王国は崩壊した」
自身の故郷の出来事を語り終えた後セオーはさらにこう言った。
「俺はいつか、俺の国を再建するそして…あの女を必ず討つ!
そのために俺は生きてるんだ!」
エレンはその信念のような言葉に少しすごいと思いながらも、復讐のような
言葉にはそれは間違いと言いたいが言えなかった。
故郷をその預言者に滅ぼされたからその感情は当たり前だろうと思った。
「その預言者を討つと言う事にはどうも言えないけど、セオーは国を
再建することは応援するよ、だっていい人だし」
と言うエレンの言葉にセオーは苦言を言った。
「またそれかよ、俺はそんなんじゃねえよ」
「いいや、だってついてきてる仲間が2人いるからね」
「いい奴ってねは、あいつらに言えよ、ラグとドンカツはいつでも
俺を支えてくれたからな」
とこっそりとあの2人を褒めるセオーに対してエレンは言った
「あ、やっぱりいい人」
満面の笑顔でそう言うからセオーは流石に何も言い返せなくなった。
するとドアが開き2人が現れた。
「兄貴!スープができましたぞ!」
「あ!チビ助起きたか、おめえも一緒に食うか⁉︎」と誘ってくれたので。
「うん!一緒にご飯だね』と喜んで一緒のテーブルで食事をして
今日の日を終えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...