よわむしエレンの物語　水の魔剣士

ハルキ4×3

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その2

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あの夜の出来事から少し経った、騎士学校は昼を迎えて生徒たちはそれぞれ休みをとっていた。
学校の中庭の裏口からあのエレン・サミュエルが走って出てきた。
その途中だった、裏口の木にナイフを投げて練習する生徒が彼に挨拶をした。
「あっやっほー、エレン」
「あ、ルーシー」
エレンは少し疲れながらも笑顔で返す。
それに対してルーシーはサバサバとした態度で彼に言う。
「何？どうしたの、そんなに急いで？」
「お昼を買いにね…」
「お昼？学食があるのに？」
と疑問に思うルーシーに対してエレンは言った。
「学食はまずくて食べられないってドルッグスがね…」
「ハァ‼︎、ドルッグスにパシられてんのあんた⁉︎」
と驚いた表情をするルーシー。
「やめときなよ‼︎、全くあいつと来たら、こんな弱い子をパシリにするなんて」
と怒るルーシーにエレンは
「普段からされているので慣れっこだよ…それにしないと何されるか…じゃあ」
とルーシーの話を聞かずに彼は町まで走って行った。
「あっエレン‼︎、もう…」と困った顔をするがすぐにナイフ投げの練習を再開した。
それとは別に中庭でワイワイと遊んだり本を読み合っている上下級生を校舎の窓から
眺める教師がいた。
彼はフッド、この学校の教師でもあり騎士隊の隊長でもある、そんな彼は中庭の様子を見て
少し笑顔になっていた。
その時にドアがトントンと音をたて、同じ教師であり部下のランクリーが入ってきた。
「フッド隊長、探しましたよ」
「ランクリーどうした？」
窓に手を置きながらフッドはランクリーの方へ振り向いた。
「王国から手紙が来ました、騎士隊の招集があります、内容は…
“水の魔剣士“がこの周辺に現れたと」重々しく言うランクリーにフッドは言った。
「なるほど…わかったこの学校の教師を全員呼べ！我々もすぐに出る！」
「はい」とすぐに部屋を出るランクリー、部屋の壁にかけてある剣を取りフッドも部屋を出た。
それもあったか今日は授業だけであった、それから夕暮れにて
上下級生全員が食堂に集められた。
その中で一際目立つドルッグスが大勢いる生徒をかき分けてエレンのところへ来た。
「おいエレン、なんでこんなとこに俺ら集められたんだ？」
「あ、うーんわかんないなあ…先生が話してくれるかな？」
そんな話はエレンやドルッグス以外も話しているし、彼らも集められた理由もわからないから
先生待ちだ。
そんな気持ちに合わせて食堂のドアからランクリー先生が現れて、
集められた生徒に向けて言った。
「全生徒に次ぐ、これからお前たちは教師の許可なく外へ出る事を禁ず！」
その言葉に、生徒隊はザワザワと戸惑い始めた。
その中にいるエレンは手を大きく上げて「ハイ‼︎」と大きく返事した。
「一体何があったのですか？説明をお願いします」
それに対して厳しい表情をしてランクリーは答えた。
「そうだな、黙っておけば外に出ようとするものが現れるだろう…」
そして彼はさらに答えた。
「“水の魔剣士”が現れた」
それを聞き、周りはシンと静かになった、すると上級生の１人が手を挙げて質問をした。
「あの…先生、その“水の魔剣士”って何者ですか？」
周りの生徒たちはその生徒の方へ向いた、“知らないのか”とも言ってる表情をしながら
その質問に対してランクリーはすっと答える。
「ここから先に別の王国がありその王家に仕える名騎士が３人いる
その１人だった」
さらに続けて彼は答えた。
「ある日、怪しげな妖術に手を出して、その力を使って王家に使える名家のもの全員殺して
同じ名騎士である“火の騎士”を殺害したのだ」
それを聞き、生徒たちはゾッとした気持ちになった。
「そして、その魔剣士はこの学校の周辺に現れた、そして
これから我々は王国の騎士と共にやつを討伐する‼︎
その間は全生徒は待機だ‼︎」
「ハイ‼︎」と生徒全員は返事する。
「それから上級生は下級生をちゃんと見ておくんだぞ！」
上級生全員は「ハイ‼︎」と大きく返事をした。
そしてランクリーは食堂を出た。
そして、外は完全に夜になった、食堂内では下級生は当たりをウロウロしたり
椅子にすわって同級生と話していた。
ドアや窓など人が通れる所は上級生たちが立っていた。
等のエレンはというと、食堂の隅っこのテーブルで本を読んでいた。
するとずしずしと奥からドルッグスがやってきてエレンに言った。
「おいエレン、暇だろ」
読書をしながら。
「うん、ずっと待ってるからね」
するとドルッグスはエレンの方に顔を近づけて言った。
「こっそり外を出てさ、俺らがその“水の魔剣士”を倒しに行こうぜ」
エレンはばっと振り向いて
「え、それ…」
これ以上は言えないようにドルッグスは大きな手で、エレンの口を塞いだ。
「今ここでそいつを倒せば、王国に認められて、飛び級で騎士になれるだろうが！」
と周りに聞こえないようにドルッグスは話す。
「そこでだエレン、ここから出るためにお前も手伝え」
「ええー」と仕方なくエレンはドルッグスについて来た。
エレンはドアにいる上級生に話しかけた。
「すみません先輩…」
「ん？なんだ、エレン、ドルッグス」
「ちょっとトイレに行きたいのですが、一緒について来てもらえないでしょうか」
それを聞き上級生はドアを開けて彼らと同行した。
廊下を歩いてトイレまで行く道中でエレンは話した
「先輩、いつになったら外へ出られるんでしょうか？」
「それを俺に聞い…」ドガっ‼︎
ドルッグスは上級生を殴り気絶させた。
「よしエレン、裏口から行くか」
「ほ…本当に行くの⁉︎やめた方がいいって」
「上級生をぶっ飛ばしたから後戻りはできん‼︎、さあいくぜ‼︎」
と彼は走って裏口へ向かった、エレンはその後をついていった。
その頃食堂では、ルーシーが誰かを探すように辺りを見回していた。
いつものあの２人が見えないから、近くにいた同級生を捕まえて話しかけた。
「ねえ、エレンとドルッグス知らない？」
それに対して同級生は
「ええ？確か先輩と一緒に食堂から出てったのを見たけど…」
と答えた、
なんだか嫌な予感を感じたルーシーは３人が出た扉を開けて、辺りを見回した
「うーん」という声を聞きそっちへ向かうと先ほど気絶していた先輩がいた。
「先輩⁉︎、何があったんですか⁉︎」
「あっ！エレンとドルッグスは⁉︎」と彼は辺りを見回した。
ルーシーはすぐに走って裏口まで向かった。
「あの２人…まさか…！」
２人を連れ戻しに彼女も外へ出た。

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