【R18】甘い攻防

ニャン太郎

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出会い

4.記憶のない返信

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やっとだ…

やっと君に出会える…

やっと手に入れられる

…そう思っていた

なのに

どうして、いつも俺を阻む

どうして、俺たちを引き剥がす

運命というものは俺たちが一緒になることが気に食わないらしい

だが、何が気に食わないのか、俺の知ったことではない

俺はただ、手に入れるだけだ

このクソみたいな運命は俺がぶち壊す

俺は諦めない

だから、待ってろ…みこ

─────────────────

「はっ?!!!」

僕は慌てて飛び起きた。
カーテンの隙間からは陽光が差している。

「夢…か」

それは、真っ暗闇で男の声が反響するだけだった。何を言っていたのかは全く覚えていないが、不思議と恐怖はなかった。
それもそうだ。あんまり夢を見る方ではないから、久しぶりの夢に驚いただけだし、覚えていないんだから、怖さも気味悪さもあるわけがない。きっと疲れてんだな。仕事のセーブも最近したばっかだし。
頭を無造作に掻きながら、あることに気付く。

「あっ!!風呂忘れてた…」

見ると、昨日、出掛けたままの服だった。
そのままベッドにダイブか…
布団も被ってないしな。

ピピピッピ ピピピッピ ピピピッピ

8:00
スマホのアラームを止めると、

「えっ?!!なんだ、これ?!」

見覚えのない企業からの返信メールが来ていたのだ。

「ウェイブリット社?」

メールを開くと、

『弊社の依頼をお受けして頂き、ありがとうございます。水曜日、よろしくお願いします。』

状況が飲み込めず、自分の送信メールも開く。読むと、確かに文章の構成も言い回しも普段通りだ。

「もしかして寝ぼけて送った…とか?」

確かに送った記憶はないから、寝ぼけていた可能性はある。
ただ、送ったのが、たとえ自分ではないとしても、今回の依頼は受けたような気がするのだ。何か強い意志を持って。
なぜだか、そういう直感的な確信はあった。
自分の知らない所で、別の自分が動いているような感覚だ。
ってSFかよ。いや、ホラーだな。
それに、初めて聞いた企業なのに、むしろ以前にも見たことあるような感じがする。
しかも、そこには、無性に追い求めていた何かがある、変な感覚がある。でも、それは、なんかモヤモヤするというか…
何だこれ、このよく分からない感情は…
て、朝から、変なこと考え過ぎだな。

「よし、とりあえず、顔洗ってこよ」

スマホをベッドに投げやると、洗面所へそそくさと向かう。顔を洗って、朝ご飯を食べて、なんやかんやしていると、さっき考えていたことなんて、もうすっかり忘れていた。

しかし、この違和感はだんだんと自分に深く沈み込んでゆくことを、この時の僕はまだ知らない。



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