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第十四話 贖罪
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帝国の大粛清は、たった一日で終了した。
怒りと憎しみが渦巻いた、反女王派貴族の粛清は完了したのである。反女王派であった者たちは、その一族全員を含めて、皆殺しにされた。
妻や子、屋敷の使用人たちは全員その場で殺し、捕縛した貴族の男たちは、徹底的に拷問した末に、処刑された。
だが、一部の貴族たちは処刑前、帝国の各地を連れまわされ、多くの国民の目の前で、女王の死の真相を話すよう命じられた。話さなければ殺すと脅されて。
女王ユリーシアは自分たちが毒殺した。ジエーデルとエステランの侵攻は、自分たちの計画によるものだと、全てを話させた。これにより帝国国民は、女王ユリーシアの死の真相を知る。
真相を知った全ての国民が、反女王派の者たちへ怒りの炎を燃やし、帝国軍が実行した今回の粛清に対して、誰も反対意見を述べる事はなかった。寧ろ、真相を暴いた軍の行動を全面的に支持し、皆が口々に感謝の言葉述べていた。
帝国軍と帝国宰相の活躍により、民の愛する国と女王を裏切った者たちは、一晩の内に根絶やしにされたのである。こうして、ヴァスティナ帝国初の粛清の嵐は、全ての帝国国民に支持され、その目的を完全に達成された形となる。
しかし、憎むべき裏切り者たちを殺し尽くしても、明日の不安が消えたわけではない。粛清が行われた時は、帝国国民たちも、粛清に動いた軍人たちも、怒りにその身を任せ、明日への不安を忘れ去っていた。
だが今は、怒りを向けた対象は捕らえられたか殺されて、粛清は終わってしまっている。多くの国民たちは、抱えていた不安を思い出す。
自分たちの愛するヴァスティナ帝国。
裏切り者をいくら倒そうとも、自分たちの良き支配者であった女王は、もう二度と還らない。自分たちを導いてくれる支配者なしで、この先この国はどうなってしまうのか。多くの国民の心は、闇に閉ざされた。
目の前の闇に惑う、多くの者たち。そんな彼らの前に、粛清より五日が過ぎたこの日、この国を統べるため、新たな支配者が現れた。
彼女は女王ユリーシアの後を継ぐ者。その資格を持った、最後の存在。
新たな支配者となる、彼女の名は・・・・・・・。
怒りと憎しみが渦巻いた、反女王派貴族の粛清は完了したのである。反女王派であった者たちは、その一族全員を含めて、皆殺しにされた。
妻や子、屋敷の使用人たちは全員その場で殺し、捕縛した貴族の男たちは、徹底的に拷問した末に、処刑された。
だが、一部の貴族たちは処刑前、帝国の各地を連れまわされ、多くの国民の目の前で、女王の死の真相を話すよう命じられた。話さなければ殺すと脅されて。
女王ユリーシアは自分たちが毒殺した。ジエーデルとエステランの侵攻は、自分たちの計画によるものだと、全てを話させた。これにより帝国国民は、女王ユリーシアの死の真相を知る。
真相を知った全ての国民が、反女王派の者たちへ怒りの炎を燃やし、帝国軍が実行した今回の粛清に対して、誰も反対意見を述べる事はなかった。寧ろ、真相を暴いた軍の行動を全面的に支持し、皆が口々に感謝の言葉述べていた。
帝国軍と帝国宰相の活躍により、民の愛する国と女王を裏切った者たちは、一晩の内に根絶やしにされたのである。こうして、ヴァスティナ帝国初の粛清の嵐は、全ての帝国国民に支持され、その目的を完全に達成された形となる。
しかし、憎むべき裏切り者たちを殺し尽くしても、明日の不安が消えたわけではない。粛清が行われた時は、帝国国民たちも、粛清に動いた軍人たちも、怒りにその身を任せ、明日への不安を忘れ去っていた。
だが今は、怒りを向けた対象は捕らえられたか殺されて、粛清は終わってしまっている。多くの国民たちは、抱えていた不安を思い出す。
自分たちの愛するヴァスティナ帝国。
裏切り者をいくら倒そうとも、自分たちの良き支配者であった女王は、もう二度と還らない。自分たちを導いてくれる支配者なしで、この先この国はどうなってしまうのか。多くの国民の心は、闇に閉ざされた。
目の前の闇に惑う、多くの者たち。そんな彼らの前に、粛清より五日が過ぎたこの日、この国を統べるため、新たな支配者が現れた。
彼女は女王ユリーシアの後を継ぐ者。その資格を持った、最後の存在。
新たな支配者となる、彼女の名は・・・・・・・。
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