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第一章 高等学院編 第二編 学院の黒い影(一年次・冬)
EP.XXXI 神代の霊廟
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宇宙をひとつの法則という鋳型の中に流し込み、あらゆる現実を理性という枠組みの中に押し込もうと望むことは、たしかに、人類の際限のない野心にふさわしい、壮大なもくろみである。
幾何学者は次のようにやる。頭の中に円錐体という概念の定義を想定する。次にその円錐体をある平面で切る。そこに現れた円錐曲線は、代数学という方程式を生み出す産科の装置にかけられる。そうすると、あっちの方向に、こっちの方向にと、見る間に歪められ、公式の腹からは、楕円や双曲線、放物線、そしてそれらの焦点や動径、接線や法線、共役軸、漸近線その他が産み出されるのである。なんとも素晴らしい。あなたが二十歳で数学の厳格さには不向きな年齢であっても熱狂することであろう。なんて素敵なんだろう。まるで創造の瞬間に立ち会っているようだ。
しかし実際のところは、同じひとつの概念を、様々な観点から見ているに過ぎないのだ。それは公式が変化していくたびに次々現れてくる観点なのである。代数学が繰り広げてみせるすべてのことは円錐体の定義の中に含まれているのだが、それは萌芽として、表には現れぬ潜在的な形で含まれているのであって、計算という魔術がはっきりした形に変えて見せてくれる。われわれの精神が預けておいたお金の総額を、方程式がありとあらゆる肖像の刻印を持った硬貨に替え、足しも引きもせずそっくりそのまま返してくれるのである。それゆえにこそ、計算はこの上もなく厳密なものであって、教養のある知性の持ち主が、どうしても従わずにはいられぬ、明らかな確実性のあるものとなる。代数学は絶対の真理の信託なのだ。なぜならそれは、精神が象徴の混合物の形で隠しておいた、まさにそのものだけを解き明かすからである。
無限回廊書架 DDC. 570
――ジャン=アンリ・ファーブル『ファーブル昆虫記』第十五章「進化論への一刺し」- A.D. 1878
「ようやく追いついたよ、イェスペル」
イェスペルの道標を追って僕らが辿り着いた場所は、何千年も昔から時が止まってしまったかのように、静謐さと荘厳さを兼ね備えた、とある神様を祀る石室だった。縦長に広い空間で、ここが本当に遺跡の中なのかと疑ってしまうほどだ。壁に据えられた松明が浮かび上がらせる壁画には、古代の文字とともに神代の儀式の様子が描かれている。
その石室の入り口でイェスペルは気配を殺すように佇んでいた。リズベツからそういう術を学んだのか、戦士の割に繊細な気配のコントロールが上手になっている。彼もまた、僕の知らない間に成長していたんだろう。
「よぉ。ようやく来たか」
「悪いね。危険な役回りをさせて」
「気にすんじゃねぇよ。むしろ退屈で欠伸が出そうだったぐらいさ」
僕の労いの言葉に気恥ずかしくなったのか、イェスペルは戯けて答えた。普段から軽薄そうな行動をしているから揶揄われるのは慣れていても、人から感謝されるのはどうやらむず痒いみたいだ。
「それで、こっからどうすんだ?」
イェスペルは僕の後ろにいる二人を一瞥して無事な姿を確認した後、珍しく余計な言葉を挟まずに本題を切り出した。彼もそれだけ真剣ということなのか、あるいは疲れているだけなのかもしれないけれど、さっさとこの依頼を終わらせてしまわなければならない。
「あぁ、時間がないから詳しい説明は省くけど、やるべき事は三つだ」
四人で小さく円陣を組んで、作戦の打ち合わせをする。僕は三人の顔を見渡して誰に何を頼むかをこれから伝えなければならない。
「まず、最初にホーカンを眠らせる必要がある」
邸宅から出て行く時、心なしかホーカンは虚ろだった。夜眠いからかと思っていたけれど、今思えばそれも操られていたせいなのかもしれない。黒幕はホーカンの意識の一部に自分の知覚を潜り込ませて、彼の視界を通して、今もなお遠くから見ているのだろうか。そうすればククルカンとクヤタの戦闘を間近で見ることができる。どれだけ近くで見ても、それで怪我をしたとしても、自分の体ではないのだから。
だとすれば、僕らがホーカンの視界に入ってしまうこと自体がまずい。だが、それもホーカンが意識を失っていれば問題ない話だ。
「これはリズに頼みたい」
「任された」
そう言って頷くのは、一年次生きっての隠密士、リズベツ・フェーバリ。僕はなぜかリズと呼ばされることになってしまったが、少し垂らした茶髪の前髪が右目を隠している、小柄で口数の少ない少女だ。トレードマークの葡萄色のスカーフが今日も首に巻かれていて、口元も隠している。隠密行動の時に逆に目立ちはしないのだろうかと思いもするが、本人は気に入っているようだ。
何事も冷静によく観察していて、的確に状況を判断することができる彼女は斥候や情報収集なんかが非常に得意だった。だから人のことをよく見ているし、よく知っている。そのせいか鋭く的確な指摘を受けることも度々あるけれど…。
「それからクヤタを本に戻す」
神を支えるために創造された牛の聖獣――كيوثاء。それを本に戻すためには、一度弱らせる必要がある。いくら本来の姿で召喚されていないと言っても聖獣である以上はその能力は油断できない。まともに正面から対峙しても、馭することは容易ではないだろう。
「だから、これはマリーにお願いする」
「ええ、分かりました」
僕と同じオークスベルガの出身で、村長の孫娘、ロース=マリー・ルンドクヴィスト。大規模な儀式魔法さえ使いこなし神代の力を受け継ぐと称される禰宜の家系に生まれた巫女であり、地方随一の神聖士として、今もなお信仰と修行を続けている敬虔な信徒である。
「海のしずく」を由来とする迷迭香は、昔から教会や生者、果ては死者までもを、悪魔から守る力があるとされてきた。大海のように、何を受け入れても何色にも染まることのない、それでいて綺麗な彼女の黒髪は、この地方では珍しく、まるで東方の絹のようになめらかで、夜の帳ように深くて、オニキスのように輝いていた。
闇属性を使うクヤタと対峙するには、彼女の使う光属性の力がこの上なく心強い。これこそが、唯一、聖獣に対抗しうる手段となるだろう。
「そして、このピラミッドを元の場所に還す」
この場所に、こんなものがあってはならない。神様も伝説も伝承も、その土地に根付いた信仰と文化の上に成り立っている。付け焼き刃に召喚された遺跡など、土地や環境に不和をもたらす存在でしかない。
「これは、僕とイェスペルの二人でやるよ」
「おう。と言っても具体的に何をすりゃいいのかわかんねぇけど」
そう言いつつも二つ返事で請け負ってくれる彼こそが、イェスペル・ダヴィッドソンだ。良いように言えば、いつまでも少年の心を忘れないような性格をしている。金色のナチュラルマッシュの髪型に、いつも黒のロングコートを幡めかせている。もうちょっと落ち着いた格好をしていれば人気も出そうな顔立ちなのに、少しばかり残念感があるのがまた、彼の個性とも言える。腰には入学当時からずっと、龍の意匠が施された模造刀、のキーホルダーがぶら下がっている。まぁ…趣味は人それぞれだ。
騎士を目指す彼は、体力も根性もある。頭(のネジ)は少々抜けているところもあるが、それでも大事なところでは間違わない、手を抜かない、付き合いにおいても、戦闘においても、信頼できて気が置けない友人だ。
「何、簡単さ。ククルカンを撃退すれば良いんだ」
僕がそう言った瞬間、イェスペルは笑顔のまま表情が凍りついた。
「な、なるほど…。思ったよりシンプル、じゃないか…」
「やること自体はね…。神様を相手にどこまでできるか、だけど」
だが、倒してしまってはいけない。あくまで、ピラミッドの力を弱体化させて、元の場所に戻しやすくするためだ。まぁ、そもそも倒せるなんて思っていないけれど…。
「じゃあ、みんな任せたよ。リズは終わったら僕らのところに加勢してくれ」
「ん、わかった」
「コーダさんもお気をつけて」
「あぁ、マリーの方こそ気をつけてくれ」
「よっしゃ、さっさと終わらせてやろうぜ!」
そうして、四人がそれぞれの行動を開始した。想像以上に危険な任務になってしまったけれど、みんなの成長を感じて、僕だけ手を拱いているわけにはいかない。
今までとは違う僕だということを、
今までとは違う僕らだということを、
神様相手だろうと思い知らせてやるんだから!
――そうして戦いは始まった。
ℵ
リズベツは、いの一番に、飛び出した。
彼女の初動は空気の揺らぎを感じさせない、全くの静かなものであったが、しっかりと鏑箭の役割を果たしていた。――いや、相手がまだ気付いていない以上、それを鏑始めとするには些か一方的だった。
隠密士ではない僕から見ても、彼女の動きは流れるように滑らかで、思わず見惚れるほどに無駄がなく洗練されていた。
石室の入り口からホーカンまでの距離はおよそ四十メートル。低姿勢を保ちながら、松明の翳になる最適なルートを慎重かつ迅速に選択し、彼女は止まらずに駆け抜ける。そしてわずか数秒のうちに、彼女はホーカンを射程圏内に捉えた。
――シャッ。
彼女の番えた竹筒から針のような吹き矢が放たれる。微かな風切り音も、祭壇に傾注しているホーカンには気付かない。いや、そもそも気配も感じさせない死角からの攻撃だ。避けろという方が酷だろう。
「うっ…!」
呻き声を上げて呆気なくもホーカンは倒れこむ。毒だか睡眠薬だか知らないけれども、大の大人が一瞬で卒倒するような代物があの針には塗られていたのだろう。敵にだけは回したくないものだ。
けれど、どんな薬物が使われているのか興味はある。あとで彼女に教えてもらおう。いや…あくまでそれは対策のための知識であって、決して知的好奇心などではないのだ。うんうん。
――さて、第一手は先手を取れた。続け様に次の一手を打とう。
ℵ
リズベツの後を追いかけて飛び出ていたロースマリーは、少し離れたところからその様子を見ていた。その手には一枚の紙が握られている。
僕がホーカンの書斎で見た魔法陣には、魔導書に込められた魔力を実体化させるために、魔導書の内容を現実の元素に投影させる魔法術式が組み込まれていた。僕はそれを 逆演算 して、召喚された聖獣を魔導書の紙の上に還す魔法術式を組み上げた。
彼女にはその魔法術式を紙に書いたものを手渡しておいた。と言ってもそんなに大層なものではなくて、本に魔法を込める、つまり魔導書を作る時に使う術式は昔からよく知られていて、それを少しアレンジしたに過ぎない。
「なるほど…。あの聖獣は厳密には実体化ではなく、具現化だということですか…」
実体化と具現化。それは似て非なる工程。
実体化とは、精霊や悪霊のような精神体が、三次元的に構成された肉体を獲得することを言う。一方で具現化とは、空想のイメージが現実の世界に投影された結果、現実に干渉しうる虚像となって現れることを言う。今回の場合、あくまで魔導書に書かれた特徴を備えた存在を、現実の元素を用いて再現したに過ぎず、神代に遡るほどの大昔に実際に神が召喚した聖獣それ自体とは同一の存在ではない。
「だから、コーダさんは私ならできると思って託してくれたんですね…」
神聖士は除霊や悪魔払いといったものにも長けている。だが、ほとんどの場合、実際の悪霊や悪魔を消滅させるわけではない。と言うよりむしろ、そのように巷間で騒がれている事象の大半は、
――そう思い込んでいるに過ぎないのだ。
こんな昔話がある。
とある村に誰も住まなくなって久しい古びた廃屋があった。時が経つにつれてその廃屋は徐々に朽ち果てていき、いつしか異様に不気味な雰囲気を醸し出していた。そんなある日、村に一つの噂が流れ始めた。
――あの家には、悪魔が棲んでいる、と。
いつから建っているのかも、もはや誰も知る由がないその家は、村人たちにそう思わせるのに充分なほどの様相を呈していた。それからというもの、村の者たちは恐怖に戦いて生活することになる。いっそ取り壊せていたらどれだけ楽だっただろうか。けれど、もはやそんな噂が広まってしまった後では、誰も取り壊そうと名乗りを挙げる者はいなかった。
そうして更なる年月が経った。遂にいつからその噂が流れているのかを知る人すらいなくなった。何度も、何世代も、親から子へと、悪魔の屋敷に近づかないようにと、語り継がれてきた。
ある時、村を一人の神聖士が訪れた。そして村の現状を目の当たりにした彼は悪魔払いをすることを引き請けたのだった。
だが、その悪魔の屋敷に乗り込んだ彼が見たのは、ただ朽ち果てただけの、何百年も前に打ち捨てられた、民家の残骸だった。
――最初から、悪魔なんてものは存在していなかった。
だが、彼はその事実を村人たちには伝えなかった。その事実を事実のまま伝えるよりも、彼はもっと村人たちを安心させる方法を選んだ。彼は毅然とした足取りでその屋敷から出て皆にこう言った。
――悪魔は、私が恙なく浄化しました、と。
それを聞いた村人たちは大いに喜んだ。そしてすぐさま村の男たちが集まって、その廃屋の解体に取り掛かった。誰もが胸をなでおろした。これでようやく安心して暮らせる、と。長かった呪いに終止符が打たれた、と。
これが、正体のない悪魔――人々の妄想が集まって恐怖を象った悪魔の具現化のお話。
そう、だから具現化された存在を夢幻に帰すのは、元来神聖士こそが得意とする領分だった。
いや、あるいは、神の教えを説き、民の心に神の存在を確立するその姿は、光の具現化にも秀でているのかもしれない。
光の空想具現化と、闇の空想夢幻化――それこそが彼女の真価だった。
倒れ込んだホーカンを意に介することなく、クヤタは祭壇に向かってその体から黒い霧を出し始めていた。かの聖獣にとってもこのピラミッドは異常因子であり、排除すべき対象と見做している。病を治療するかのように、環境が悪化しないよう安定化を図るのがクヤタの役目であり、目下クヤタにとってピラミッドの破壊こそが第一優先事項だった。
クヤタの黒い霧に晒されて祭壇が、礫へと、砂へと、微砂へと、分解されて大地に還っていく。
だが、遺跡の守護神は神聖なる神代の霊廟における狼藉を看過しない。
地鳴りが低く唸り始めたと思いきや、突如として消魂しい轟音を響かせながら、祭壇を自ら破るようにして地面から顕現したのは畏れ多き神話の創造神――ククルカン。またの名を「翼のある蛇」。
「…な、なんて出鱈目な魔力なのですかっ!」
祭壇から現れたククルカンの周囲には、砂埃がそのまま光となったような黄色い霞のようなものが立ち籠めている。その黄金の緞帳を纏って飛び出した姿は、筆舌に尽くしがたい程に神々しく、姿を見た者全てを強制的に畏怖させるほどの存在感を放っている。
蛇と言うどころか、もはやこれは竜だ。
微砂を魔力で凝縮してどんな鉱石よりも強固にした黄金の鎧が、まるで竜の鱗のように体を覆っている。百獣の王たる獅子よりもさらに数十倍鋭い目つきと牙が、否応無しに恐怖心を駆り立てる。
普通の竜であれば弱点になりうるはずの腹は青白いプレートメイルに覆われている。それはまさしくオリハルコンの輝きだった。地中に埋もれた成分を縒り集めて、自前でそんな途方も無い物質すら精製してしまう能力を持っているらしかった。
唯一、手足がないことが蛇と表現できなくもないが、だが背中からは一対の白い羽根が生えていた。その神秘的な姿に憧憬か尊敬か、あるいはやはり畏怖か、――ともかくそんな感情を抱いてしまうのだった。
「はっ!? 見とれている場合ではありません…。このままではクヤタが消されてしまいます!」
クヤタは圧倒的な存在の出現すらも意に介さないように、焦るでもなく黒い霧を出し続けている。その霧がククルカンの存在を拒絶するように働きかけるが、聖獣と至高神の戦いでは結果は見えている。
ククルカンの纏う黄金の霞が、クヤタの霧を徐々に打ち消していく。このままでも充分クヤタを追い詰められるだろうに、ククルカンは追い討ちをかけるように咆哮を上げた。
――ギャォォオオ!!
目も耳も塞がざるを得ないほどの衝撃波に耐えようとも、その咆哮は一向に止む気配がない。五秒、十秒と経ってもまだ続いている。
――ギャォォオオ!!
しかしそれで足止めされるわけにはいかない。クヤタを本に戻す役割を任された以上、そこで立ち止まることは許されない。全身をうち震わせる激流に耐えながらも、なんとかして薄眼を開けることができたところで、彼女はククルカンの本当の攻撃に気付いた。
「ぐっ…! あれが…本命、というわけですか…」
ククルカンの口腔に蓄えられた魔力の塊が、咆哮によって振動エネルギーを帯びていく。振動エネルギーを際限なく凝縮していくその光玉は、少しでも触れれば忽ち爆発して、周囲数メートルを元素レベルまで分解してしまうことだろう。
咆哮に身を竦め、目を瞑っていたら、あれを放たれてしまう。そうしたら、刹那もしないうちに、自分が死ぬことさえ気づかないほどに、痛みも感覚もなく、存在が消える、恐ろしい技だ。
「けれど…けれどけれどっ! 私がここで負けるわけには行きません!」
神を前に見据えても、彼女の瞳の闘志は消えていなかった。
幾何学者は次のようにやる。頭の中に円錐体という概念の定義を想定する。次にその円錐体をある平面で切る。そこに現れた円錐曲線は、代数学という方程式を生み出す産科の装置にかけられる。そうすると、あっちの方向に、こっちの方向にと、見る間に歪められ、公式の腹からは、楕円や双曲線、放物線、そしてそれらの焦点や動径、接線や法線、共役軸、漸近線その他が産み出されるのである。なんとも素晴らしい。あなたが二十歳で数学の厳格さには不向きな年齢であっても熱狂することであろう。なんて素敵なんだろう。まるで創造の瞬間に立ち会っているようだ。
しかし実際のところは、同じひとつの概念を、様々な観点から見ているに過ぎないのだ。それは公式が変化していくたびに次々現れてくる観点なのである。代数学が繰り広げてみせるすべてのことは円錐体の定義の中に含まれているのだが、それは萌芽として、表には現れぬ潜在的な形で含まれているのであって、計算という魔術がはっきりした形に変えて見せてくれる。われわれの精神が預けておいたお金の総額を、方程式がありとあらゆる肖像の刻印を持った硬貨に替え、足しも引きもせずそっくりそのまま返してくれるのである。それゆえにこそ、計算はこの上もなく厳密なものであって、教養のある知性の持ち主が、どうしても従わずにはいられぬ、明らかな確実性のあるものとなる。代数学は絶対の真理の信託なのだ。なぜならそれは、精神が象徴の混合物の形で隠しておいた、まさにそのものだけを解き明かすからである。
無限回廊書架 DDC. 570
――ジャン=アンリ・ファーブル『ファーブル昆虫記』第十五章「進化論への一刺し」- A.D. 1878
「ようやく追いついたよ、イェスペル」
イェスペルの道標を追って僕らが辿り着いた場所は、何千年も昔から時が止まってしまったかのように、静謐さと荘厳さを兼ね備えた、とある神様を祀る石室だった。縦長に広い空間で、ここが本当に遺跡の中なのかと疑ってしまうほどだ。壁に据えられた松明が浮かび上がらせる壁画には、古代の文字とともに神代の儀式の様子が描かれている。
その石室の入り口でイェスペルは気配を殺すように佇んでいた。リズベツからそういう術を学んだのか、戦士の割に繊細な気配のコントロールが上手になっている。彼もまた、僕の知らない間に成長していたんだろう。
「よぉ。ようやく来たか」
「悪いね。危険な役回りをさせて」
「気にすんじゃねぇよ。むしろ退屈で欠伸が出そうだったぐらいさ」
僕の労いの言葉に気恥ずかしくなったのか、イェスペルは戯けて答えた。普段から軽薄そうな行動をしているから揶揄われるのは慣れていても、人から感謝されるのはどうやらむず痒いみたいだ。
「それで、こっからどうすんだ?」
イェスペルは僕の後ろにいる二人を一瞥して無事な姿を確認した後、珍しく余計な言葉を挟まずに本題を切り出した。彼もそれだけ真剣ということなのか、あるいは疲れているだけなのかもしれないけれど、さっさとこの依頼を終わらせてしまわなければならない。
「あぁ、時間がないから詳しい説明は省くけど、やるべき事は三つだ」
四人で小さく円陣を組んで、作戦の打ち合わせをする。僕は三人の顔を見渡して誰に何を頼むかをこれから伝えなければならない。
「まず、最初にホーカンを眠らせる必要がある」
邸宅から出て行く時、心なしかホーカンは虚ろだった。夜眠いからかと思っていたけれど、今思えばそれも操られていたせいなのかもしれない。黒幕はホーカンの意識の一部に自分の知覚を潜り込ませて、彼の視界を通して、今もなお遠くから見ているのだろうか。そうすればククルカンとクヤタの戦闘を間近で見ることができる。どれだけ近くで見ても、それで怪我をしたとしても、自分の体ではないのだから。
だとすれば、僕らがホーカンの視界に入ってしまうこと自体がまずい。だが、それもホーカンが意識を失っていれば問題ない話だ。
「これはリズに頼みたい」
「任された」
そう言って頷くのは、一年次生きっての隠密士、リズベツ・フェーバリ。僕はなぜかリズと呼ばされることになってしまったが、少し垂らした茶髪の前髪が右目を隠している、小柄で口数の少ない少女だ。トレードマークの葡萄色のスカーフが今日も首に巻かれていて、口元も隠している。隠密行動の時に逆に目立ちはしないのだろうかと思いもするが、本人は気に入っているようだ。
何事も冷静によく観察していて、的確に状況を判断することができる彼女は斥候や情報収集なんかが非常に得意だった。だから人のことをよく見ているし、よく知っている。そのせいか鋭く的確な指摘を受けることも度々あるけれど…。
「それからクヤタを本に戻す」
神を支えるために創造された牛の聖獣――كيوثاء。それを本に戻すためには、一度弱らせる必要がある。いくら本来の姿で召喚されていないと言っても聖獣である以上はその能力は油断できない。まともに正面から対峙しても、馭することは容易ではないだろう。
「だから、これはマリーにお願いする」
「ええ、分かりました」
僕と同じオークスベルガの出身で、村長の孫娘、ロース=マリー・ルンドクヴィスト。大規模な儀式魔法さえ使いこなし神代の力を受け継ぐと称される禰宜の家系に生まれた巫女であり、地方随一の神聖士として、今もなお信仰と修行を続けている敬虔な信徒である。
「海のしずく」を由来とする迷迭香は、昔から教会や生者、果ては死者までもを、悪魔から守る力があるとされてきた。大海のように、何を受け入れても何色にも染まることのない、それでいて綺麗な彼女の黒髪は、この地方では珍しく、まるで東方の絹のようになめらかで、夜の帳ように深くて、オニキスのように輝いていた。
闇属性を使うクヤタと対峙するには、彼女の使う光属性の力がこの上なく心強い。これこそが、唯一、聖獣に対抗しうる手段となるだろう。
「そして、このピラミッドを元の場所に還す」
この場所に、こんなものがあってはならない。神様も伝説も伝承も、その土地に根付いた信仰と文化の上に成り立っている。付け焼き刃に召喚された遺跡など、土地や環境に不和をもたらす存在でしかない。
「これは、僕とイェスペルの二人でやるよ」
「おう。と言っても具体的に何をすりゃいいのかわかんねぇけど」
そう言いつつも二つ返事で請け負ってくれる彼こそが、イェスペル・ダヴィッドソンだ。良いように言えば、いつまでも少年の心を忘れないような性格をしている。金色のナチュラルマッシュの髪型に、いつも黒のロングコートを幡めかせている。もうちょっと落ち着いた格好をしていれば人気も出そうな顔立ちなのに、少しばかり残念感があるのがまた、彼の個性とも言える。腰には入学当時からずっと、龍の意匠が施された模造刀、のキーホルダーがぶら下がっている。まぁ…趣味は人それぞれだ。
騎士を目指す彼は、体力も根性もある。頭(のネジ)は少々抜けているところもあるが、それでも大事なところでは間違わない、手を抜かない、付き合いにおいても、戦闘においても、信頼できて気が置けない友人だ。
「何、簡単さ。ククルカンを撃退すれば良いんだ」
僕がそう言った瞬間、イェスペルは笑顔のまま表情が凍りついた。
「な、なるほど…。思ったよりシンプル、じゃないか…」
「やること自体はね…。神様を相手にどこまでできるか、だけど」
だが、倒してしまってはいけない。あくまで、ピラミッドの力を弱体化させて、元の場所に戻しやすくするためだ。まぁ、そもそも倒せるなんて思っていないけれど…。
「じゃあ、みんな任せたよ。リズは終わったら僕らのところに加勢してくれ」
「ん、わかった」
「コーダさんもお気をつけて」
「あぁ、マリーの方こそ気をつけてくれ」
「よっしゃ、さっさと終わらせてやろうぜ!」
そうして、四人がそれぞれの行動を開始した。想像以上に危険な任務になってしまったけれど、みんなの成長を感じて、僕だけ手を拱いているわけにはいかない。
今までとは違う僕だということを、
今までとは違う僕らだということを、
神様相手だろうと思い知らせてやるんだから!
――そうして戦いは始まった。
ℵ
リズベツは、いの一番に、飛び出した。
彼女の初動は空気の揺らぎを感じさせない、全くの静かなものであったが、しっかりと鏑箭の役割を果たしていた。――いや、相手がまだ気付いていない以上、それを鏑始めとするには些か一方的だった。
隠密士ではない僕から見ても、彼女の動きは流れるように滑らかで、思わず見惚れるほどに無駄がなく洗練されていた。
石室の入り口からホーカンまでの距離はおよそ四十メートル。低姿勢を保ちながら、松明の翳になる最適なルートを慎重かつ迅速に選択し、彼女は止まらずに駆け抜ける。そしてわずか数秒のうちに、彼女はホーカンを射程圏内に捉えた。
――シャッ。
彼女の番えた竹筒から針のような吹き矢が放たれる。微かな風切り音も、祭壇に傾注しているホーカンには気付かない。いや、そもそも気配も感じさせない死角からの攻撃だ。避けろという方が酷だろう。
「うっ…!」
呻き声を上げて呆気なくもホーカンは倒れこむ。毒だか睡眠薬だか知らないけれども、大の大人が一瞬で卒倒するような代物があの針には塗られていたのだろう。敵にだけは回したくないものだ。
けれど、どんな薬物が使われているのか興味はある。あとで彼女に教えてもらおう。いや…あくまでそれは対策のための知識であって、決して知的好奇心などではないのだ。うんうん。
――さて、第一手は先手を取れた。続け様に次の一手を打とう。
ℵ
リズベツの後を追いかけて飛び出ていたロースマリーは、少し離れたところからその様子を見ていた。その手には一枚の紙が握られている。
僕がホーカンの書斎で見た魔法陣には、魔導書に込められた魔力を実体化させるために、魔導書の内容を現実の元素に投影させる魔法術式が組み込まれていた。僕はそれを 逆演算 して、召喚された聖獣を魔導書の紙の上に還す魔法術式を組み上げた。
彼女にはその魔法術式を紙に書いたものを手渡しておいた。と言ってもそんなに大層なものではなくて、本に魔法を込める、つまり魔導書を作る時に使う術式は昔からよく知られていて、それを少しアレンジしたに過ぎない。
「なるほど…。あの聖獣は厳密には実体化ではなく、具現化だということですか…」
実体化と具現化。それは似て非なる工程。
実体化とは、精霊や悪霊のような精神体が、三次元的に構成された肉体を獲得することを言う。一方で具現化とは、空想のイメージが現実の世界に投影された結果、現実に干渉しうる虚像となって現れることを言う。今回の場合、あくまで魔導書に書かれた特徴を備えた存在を、現実の元素を用いて再現したに過ぎず、神代に遡るほどの大昔に実際に神が召喚した聖獣それ自体とは同一の存在ではない。
「だから、コーダさんは私ならできると思って託してくれたんですね…」
神聖士は除霊や悪魔払いといったものにも長けている。だが、ほとんどの場合、実際の悪霊や悪魔を消滅させるわけではない。と言うよりむしろ、そのように巷間で騒がれている事象の大半は、
――そう思い込んでいるに過ぎないのだ。
こんな昔話がある。
とある村に誰も住まなくなって久しい古びた廃屋があった。時が経つにつれてその廃屋は徐々に朽ち果てていき、いつしか異様に不気味な雰囲気を醸し出していた。そんなある日、村に一つの噂が流れ始めた。
――あの家には、悪魔が棲んでいる、と。
いつから建っているのかも、もはや誰も知る由がないその家は、村人たちにそう思わせるのに充分なほどの様相を呈していた。それからというもの、村の者たちは恐怖に戦いて生活することになる。いっそ取り壊せていたらどれだけ楽だっただろうか。けれど、もはやそんな噂が広まってしまった後では、誰も取り壊そうと名乗りを挙げる者はいなかった。
そうして更なる年月が経った。遂にいつからその噂が流れているのかを知る人すらいなくなった。何度も、何世代も、親から子へと、悪魔の屋敷に近づかないようにと、語り継がれてきた。
ある時、村を一人の神聖士が訪れた。そして村の現状を目の当たりにした彼は悪魔払いをすることを引き請けたのだった。
だが、その悪魔の屋敷に乗り込んだ彼が見たのは、ただ朽ち果てただけの、何百年も前に打ち捨てられた、民家の残骸だった。
――最初から、悪魔なんてものは存在していなかった。
だが、彼はその事実を村人たちには伝えなかった。その事実を事実のまま伝えるよりも、彼はもっと村人たちを安心させる方法を選んだ。彼は毅然とした足取りでその屋敷から出て皆にこう言った。
――悪魔は、私が恙なく浄化しました、と。
それを聞いた村人たちは大いに喜んだ。そしてすぐさま村の男たちが集まって、その廃屋の解体に取り掛かった。誰もが胸をなでおろした。これでようやく安心して暮らせる、と。長かった呪いに終止符が打たれた、と。
これが、正体のない悪魔――人々の妄想が集まって恐怖を象った悪魔の具現化のお話。
そう、だから具現化された存在を夢幻に帰すのは、元来神聖士こそが得意とする領分だった。
いや、あるいは、神の教えを説き、民の心に神の存在を確立するその姿は、光の具現化にも秀でているのかもしれない。
光の空想具現化と、闇の空想夢幻化――それこそが彼女の真価だった。
倒れ込んだホーカンを意に介することなく、クヤタは祭壇に向かってその体から黒い霧を出し始めていた。かの聖獣にとってもこのピラミッドは異常因子であり、排除すべき対象と見做している。病を治療するかのように、環境が悪化しないよう安定化を図るのがクヤタの役目であり、目下クヤタにとってピラミッドの破壊こそが第一優先事項だった。
クヤタの黒い霧に晒されて祭壇が、礫へと、砂へと、微砂へと、分解されて大地に還っていく。
だが、遺跡の守護神は神聖なる神代の霊廟における狼藉を看過しない。
地鳴りが低く唸り始めたと思いきや、突如として消魂しい轟音を響かせながら、祭壇を自ら破るようにして地面から顕現したのは畏れ多き神話の創造神――ククルカン。またの名を「翼のある蛇」。
「…な、なんて出鱈目な魔力なのですかっ!」
祭壇から現れたククルカンの周囲には、砂埃がそのまま光となったような黄色い霞のようなものが立ち籠めている。その黄金の緞帳を纏って飛び出した姿は、筆舌に尽くしがたい程に神々しく、姿を見た者全てを強制的に畏怖させるほどの存在感を放っている。
蛇と言うどころか、もはやこれは竜だ。
微砂を魔力で凝縮してどんな鉱石よりも強固にした黄金の鎧が、まるで竜の鱗のように体を覆っている。百獣の王たる獅子よりもさらに数十倍鋭い目つきと牙が、否応無しに恐怖心を駆り立てる。
普通の竜であれば弱点になりうるはずの腹は青白いプレートメイルに覆われている。それはまさしくオリハルコンの輝きだった。地中に埋もれた成分を縒り集めて、自前でそんな途方も無い物質すら精製してしまう能力を持っているらしかった。
唯一、手足がないことが蛇と表現できなくもないが、だが背中からは一対の白い羽根が生えていた。その神秘的な姿に憧憬か尊敬か、あるいはやはり畏怖か、――ともかくそんな感情を抱いてしまうのだった。
「はっ!? 見とれている場合ではありません…。このままではクヤタが消されてしまいます!」
クヤタは圧倒的な存在の出現すらも意に介さないように、焦るでもなく黒い霧を出し続けている。その霧がククルカンの存在を拒絶するように働きかけるが、聖獣と至高神の戦いでは結果は見えている。
ククルカンの纏う黄金の霞が、クヤタの霧を徐々に打ち消していく。このままでも充分クヤタを追い詰められるだろうに、ククルカンは追い討ちをかけるように咆哮を上げた。
――ギャォォオオ!!
目も耳も塞がざるを得ないほどの衝撃波に耐えようとも、その咆哮は一向に止む気配がない。五秒、十秒と経ってもまだ続いている。
――ギャォォオオ!!
しかしそれで足止めされるわけにはいかない。クヤタを本に戻す役割を任された以上、そこで立ち止まることは許されない。全身をうち震わせる激流に耐えながらも、なんとかして薄眼を開けることができたところで、彼女はククルカンの本当の攻撃に気付いた。
「ぐっ…! あれが…本命、というわけですか…」
ククルカンの口腔に蓄えられた魔力の塊が、咆哮によって振動エネルギーを帯びていく。振動エネルギーを際限なく凝縮していくその光玉は、少しでも触れれば忽ち爆発して、周囲数メートルを元素レベルまで分解してしまうことだろう。
咆哮に身を竦め、目を瞑っていたら、あれを放たれてしまう。そうしたら、刹那もしないうちに、自分が死ぬことさえ気づかないほどに、痛みも感覚もなく、存在が消える、恐ろしい技だ。
「けれど…けれどけれどっ! 私がここで負けるわけには行きません!」
神を前に見据えても、彼女の瞳の闘志は消えていなかった。
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